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架空賞与に対して過少申告加算税と重加算税の両方を課すことができるのか!?【税務調査】

2014-10-10

本日の裁決は、
従業員に払ったという賞与が
架空なのかどうかと

その賞与が架空だった場合
納税した税金が過少であるとして
罰金である

過少申告加算税(10%か15%)と
それに加えて重加算税(35%か40%)
も課すとされた指摘について
争った
裁決です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【会社側】は、

イ 更正について

税務署は、会社が昭和60年8月21日に従業員13名(以下「本件従業員」という。)
に対して支給した夏期賞与2,000,000円(以下「本件賞与」という。)は

架空の賞与であるから、
本件賞与相当額を損金の額に算入できないと判断している。
しかしながら、本件賞与は、

当時、会社の業況が悪く、夏期賞与が支給できない状態であったため
通常の支給時期の8月5日前後より遅れたものの、

次のとおり昭和60年8月21日には支給しており、
本件従業員に対する賞与として本件事業年度の
損金の額に算入すべきものである。

(イ)本件賞与の支払資金2,000,000円については、会社は、経理担当者であるA女(以下「A女」という。)の夫が経営するB工務店から昭和60年8月9日に2,000,000円を借り入れて手当てしていること

(ロ)会社は、本件賞与の支給に際し、本件従業員ごとの支給額を記載した明細書を作成していること

(ハ)会社は、給料及び賞与の計算業務をC事務所に委託していたが、
本件賞与については、A女が同事務所に報告することを失念していたため、
同事務所が従業員ごとに作成している給与台帳に記載されず、

また、従業員に交付する出勤日数、残業手当、支給合計、控除合計などを記載している給与明細書(以下「給与明細書」という。)も作成されなかったが、現実に本件賞与は支給しており、本件賞与に係る源泉徴収税額182,000円は、平成4年2月26日に納付している

(ニ)本件従業員のうち12名は、会社に対し、平成2年8月25日付ないし同年9月5日付で、会社から昭和60年8月21日に夏期賞与をもらった旨を記載した証明書(以下「本件証明書」という。)を提出していること

ロ 過少申告加算税の賦課決定について

以上のとおり、
異議決定を経た後の更正は、

その一部が取り消されるべきであるから、
これに伴う過少申告加算税の賦課決定も取り消すべきである
と主張した。

【税務署側】は、
イ 更正について

本件賞与は、次のとおり、本件従業員に支給したものとは認められず、
架空に計上したもので本件事業年度の損金の額に算入されない。

(イ)本件賞与については、従業員に交付される給与明細書が作成されていないこと

(ロ)請求人がD市役所に提出した本件従業員の昭和61年分給与支払報告書の支払金額の中には、本件賞与の額が含まれていないこと

(ハ)本件従業員及びその妻のうちの数名は、異議審理の調査担当者に対し、請求人から昭和60年の夏期賞与の支給を受けていない旨を答述していること
ロ 過少申告加算税の賦課決定について

以上のとおり、本件賞与は、支払の事実がない架空の賞与であり、
重加算税に規定する重加算税の課税要件を充足することは明らかであるから、

当該規定に基づいて算定される重加算税に相当する額までの範囲内でされた
過少申告加算税の賦課決定は正当である
と主張した。

これに対して、

【裁判官の裁決】は、

1、本件賞与については、
通常作成されるべき給与明細書の作成がなく、
また、これに代わる賞与の支給額を明らかにする書類なども
本件従業員に交付していないこと

2、会社は、本件従業員が本件賞与を受領した事実を明らかにする
受領印等が押印された証拠資料の提出をしないこと

3、本件賞与については、給与支払報告書の支払金額の中にも含まれていないこと

4、異議審理の調査担当者に対してなされた従業員及びその妻の答述は、
任意かつ具体的で信頼性があること

5、本件証明書は、請求人が本件審査請求後に本件従業員に依頼して作成されたものであること

6、E工務店からの借入金は、
そのほとんどが本件賞与の支給されたとする
昭和60年8月21日にE工務店に返済されているから、
本件賞与の原資であるとの請求人の主張には疑問が残ること

から判断して、

本件賞与は、本件従業員に支給されたものではなく、
架空に計上されたものと認めざるを得ない。
税務署は本件賞与が架空の賞与であり、
重加課税の課税要件を充足することは明らかであるから、

算定された重加算税に相当する額までの範囲内でされた
過少申告加算税の賦課決定は正当である旨主張するが、
仮装又は隠ぺいに係る事実認定に基づき
別途重加算税の賦課決定を行うのはともかく、

過少申告加算税の賦課決定の適否が争われている場合において、
重加算税の賦課要件の存在することを理由に
過少申告加算税に代えて重加算税の額を認定することは許されない

とした。
「平成5年4月28日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

税務調査で多少の故意の会計処理がなされていた場合、
巷では
「重加算税」が乱発されていると聞きます。

税務調査官側でも
とりあえず
「重加算税」
と言って

それを認めたらラッキー的な
発想があるのでしょう。

税制改正により
税務調査官がわの
指摘事項への説明が義務付けられましたが、

重加算税になる対象が
どういうことなのか
しっかり理解しておかないと
過少申告加算税(10%か15%)と
延滞税(年14.6%)
プラス
重加算税(35%か40%)

合計70%以上の罰金がかかってくることも
あり得ます。

今回の架空賞与でさえ
重加算税の対象には
ならなかったのです。

重加算税の対象となるものが
どういうものなのかを

納税者自身もしっかりと
認識しておくことが必要です。

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