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旧会社の勤務月数を含めた使用人賞与は新会社への贈与!?【税務調査】
旧会社(合資会社)の解散の翌日に設立され
旧会社の従業員のうち
相当数の者を雇用した新会社(株式会社)が
旧会社から引き継いだ使用人に対し
設立後1か月以内に支給した賞与について
旧会社に対する贈与であるのか否かを
争った
裁決です。
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
旧会社(合資会社)の解散の翌日に設立され
旧会社の従業員のうち
相当数の者を雇用した新会社(株式会社)が
旧会社から引き継いだ使用人に対し
設立後1か月以内に賞与を支払った。
税務署側は
これに対して
旧会社における勤務月数を計算の基礎に含めた使用人賞与は
本来、旧会社が支払うべきものを
新会社が代わりに払ったものであり
新会社から旧会社に対する贈与である
とした。
裁判官の裁決は、
旧会社の就業規則には賞与の支給に関する支給対象期間、
支給時期及び支給額の定めがない
したがって
旧会社は解散の時において
退職使用人に対する賞与の支払債務を負っていたものとは
認められないことから
当該使用人に対する賞与を設立後1か月以内に支給したとしても
当該賞与は新会社においてその総額を決定し
各人別の金額を確定されたものであると認められ
新会社が当該賞与の全額を
その支給した日を含む事業年度の損金の額に算入したのは相当であって
当該使用人賞与額の一部を
新会社が旧会社において支給すべき賞与を支給したものとして
旧会社に対する贈与であると認定したのは相当でないとした。
「昭和56年3月10日裁決」
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
今回の裁決は
「旧会社の就業規則には賞与の支給に関する支給対象期間、
支給時期及び支給額の定めがないこと」
が幸いしました。
もし、就業規則等で賞与の支給基準が
記されたものがあり、
それに基づいて新会社で賞与を支払っていたとしたら
裁決は変わっていたかもしれません。
書類の作成は必要ですが、
必要以上に細かく基準等を記載した書類は
思わぬトラブルを引き起こしかねない
ということと
根拠資料のない判断は
無効になる確率が高いということが
理解できる
判例でした。
ご不明な点は
お気軽に中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。
港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
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役職等により支給基準が異なる永年勤続表彰【源泉所得税節税】
Q. 当社では、永年勤続者に対して、次の支給基準により記念品を支給することとしていますが、いずれも給与として課税の対象としなくても構わないでしょうか。
(記念品の支給基準) (役 員) (従業員)
勤続年数35年 35万円 20万円
勤続年数25年 15万円 10万円
A. 永勤続者に対する記念品等の支給は、長期間勤務したことにより使用者から受けるものという給与の後払い的な側面を有するものですが、別の側面から見れば多分に一種の儀礼的な給付であり、このようなものまでも課税することは、社会通念上妥当ではないという配慮に基づいて、課税上弊害のない範囲内で課税しなくて差し支えないこととされています。
したがって、こうした永年勤続者に対する記念品等の支給が、過大な記念品等や恣意的な基準ではない限り、その支給によって受ける経済的利益は課税の対象となりません。
しかしながら、お尋ねの場合、同一の勤続年数であれば本来、役員、使用人を問わず同一の基準によって記念品等の支給金額を決定すべきであるところ、役員であるという理由のみによって支給基準に格差が設けられているようですので、役員に支給された金額については、給与として源泉徴収を要することとなります。
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