Posts Tagged ‘分掌変更’

代表取締役から取締役への分掌変更に伴う役員退職金は損金になる!?【税務調査】

2014-09-30

分掌変更に伴い支給した役員退職金は、
税務上、よく問題になる案件です。

今回は、代表取締役から取締役への
分掌変更に伴い支給した
役員退職金が
損金になるのかならないのかを
争った裁決です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

会社側は、
代表取締役から取締役への分掌変更に伴い
役員退職給与を支払った。

税務署側は、
今回の代表取締役から取締役への分掌変更は
実際は行われておらず、

今回の役員退職給与は
退職金ではなく
役員賞与にあたり
法人税の計算上損金に当たらない。

また、源泉所得税の徴収額も
間違っているため
追徴課税を行う
とした。

 

これに対して、
裁判官の裁決は、

[1]臨時株主総会議事録及び取締役会議事録等は
  いずれも真正に作成されたものと認められないことから、
   代表取締役辞任及び本件役員退職給与の支給についての
   証拠資料とは認められない

[2]当該議事録の内容について所定の商業登記がされていない

[3]その当時当該代表取締役は高齢であったが、
   著しく健康を害していたとは認められず

  かつ、

  他に定時株主総会まで従来どおり代表取締役としての執務ができない
  特段の事情があったと認めるに足りる証拠資料がない

[4]取締役への分掌変更後における報酬の支給状況等からみて、
  当該取締役が臨時株主総会時において
   実質的に退職と同様の事情にあったとは認められない

 

したがって、

当該役員退職金は
分掌変更に伴う役員退職金には該当せず、
税務署の主張のとおり
役員賞与にあたり
損金の額に算入することはできない
とした。

「昭和56年6月23日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

今回の裁決は
「議事録、商業登記といった形式的な手続きも行っておらず

 なおかつ、
 代表取締役の分掌変更の理由や役員報酬の変更などの
 実態もしっかりと説明できる状況を
 整理していなかったことが
 会社側の完全敗訴」
 
になりました。

代表取締役から取締役への分掌変更に伴う役員退職金が
完全に損金の額に算入にならない訳では
ありません。

あくまで実態がどうなのか?

そして、それを
しっかりと書面や手続きで
証拠作りをしているかといった
基本的なこと

こういった
シームレス(継ぎ目のない)な
ことを実行しておくことが
大切です。

ご不明な点は
お気軽に中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

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役員の分掌変更の翌事業年度に支払われたお金は退職金にならない!?【税務調査】

2014-09-26

役員の分掌変更の翌事業年度に支払われたお金が
支給実態(支払時期、分割払の理由)等によっては
役員退職給与とすることができるという例外適用があります。

しかし、退職後の役員への退職給与の支払いを
無条件に認めると不当な利益操作を行うことになりかねません。

分掌変更の時に支払われなかったことの場合の
例外適用がどこまで認められるのかの
合理的な理由を知ることができる
裁決です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

会社側は、
役員の分掌変更に伴い退職慰労金を支給することを決定。

資金繰り等の都合から、
その一部を当該分掌変更のあった事業年度とその翌事業年度に
それぞれ支給した。

この手続きは
役員への退職給与として何ら問題がなく、

役員に対する退職給与の損金算入の時期としても適正であると
分掌変更の翌事業年度に支給された金員は
退職給与として取り扱われるべきである旨を主張。

税務署側は
分掌変更のあった事業年度とその翌事業年度に
支払った金員は
役員賞与と認定。

 

裁判官の裁決は、

本件における退職慰労金については、
株主総会議事録や取締役会議事録が存在せず、
請求人が主張する資金需要を認めるに足りる具体的な資料もない。

また、一部支払われた後の退職慰労金の残額については
支払時期やその支払額を具体的に定めず漠然と3年以内とされており、
請求人の決算の状況を踏まえて支払がされていることがうかがえる。

このことから、本件金員を
その支払日の属する事業年度において損金算入を認めた場合には、
請求人による恣意的な損金算入を認める結果となり、
課税上の弊害があるといわざるを得ない。

以上から、
本件分掌変更の時に本件金員が支払われなかったことが
合理的な理由によるものであると認めるに足りる証拠はなく、
本件金員を退職給与として取り扱うことはできないというべきである。

「平成24年3月27日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

今回の裁決は
「役員の分掌変更の翌事業年度に支払われた金員を
 役員退職給与とすることができる
 支給実態(支払時期、分割払の理由)とは
 どういうことか」
が明らかになった判例です。

例外適用を採用する場合、
会社にとって有利になることが多いです。

だからこそ、
例外適用を実行する際には
すべての要件の確認と
合理的な理由を証明する書類の準備が
大切になります。

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役員の分掌変更の翌事業年度に支払われたお金は退職金!?【税務調査】

2014-09-25

役員の分掌変更後、
役員退職金の分割払として支払われた金員について、
支給実態(支払時期、分割払の理由)等を踏まえ、
損金の額に算入されないとした
裁決です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

会社側は、
役員の分掌変更に伴い退職慰労金を支給することを決定し、
資金繰り等の都合から、

その一部を当該分掌変更のあった事業年度
及びその翌事業年度にそれぞれ支給したものであり、

いずれも《役員の分掌変更等の場合の退職給与》
及び《役員に対する退職給与の損金算入の時期》
が適用されるというべきであり、

分掌変更の翌事業年度に支給された金員が
退職給与として取り扱われるべきである旨を主張。

税務署側は
役員退職金の分割払として支払われた金員は、
役員賞与と認定。

裁判官の裁決は、
本件における退職慰労金については、
株主総会議事録や取締役会議事録が存在せず、

請求人が主張する資金需要を認めるに足りる具体的な資料もない上、
一部支払われた後の退職慰労金の残額については
支払時期やその支払額を具体的に定めず漠然と3年以内とされており、

請求人の決算の状況を踏まえて支払がされていることがうかがえることからすると、
本件金員をその支払日の属する事業年度において損金算入を認めた場合には、
請求人による恣意的な損金算入を認める結果となり、
課税上の弊害があるといわざるを得ない。

以上によれば、
本件分掌変更の時に本件金員が支払われなかったことが
合理的な理由によるものであると認めるに足りる証拠はなく、
本件金員を退職給与として取り扱うことはできないというべきである。

「平成24年3月27日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

今回の裁決は
会社の資金繰りが悪い場合に
適用できる

《役員に対する退職給与の損金算入の時期》

の特例に該当するかが争点でした。

しかし、役員退職金を
当該分掌変更のあった事業年度
及びその翌事業年度に支給することを決定した
株主総会議事録や取締役会議事録も存在せず、

資金繰りが悪い具体的な資料も
なかったことと
決算書上の数字から伺える
利益操作の疑いから

役員退職金を
数年にわたって支払う
合理的な理由がないと
された判例です。

いつも言っていることですが、
客観的に証明できる書類の作成と
説明できる事実を
しっかりと準備しておくことが大切です。

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役員の分掌変更の退職慰労金を分割払いにしたら・・・!?

2014-01-08

原告は、

役員の分掌変更に伴い退職慰労金を支給することを決定し、

その一部を当該分掌変更のあった事業年度(平成19年8月31日)

残りをその翌事業年度(平成20年8月29日)に支給したとして

これを支給をした各事業年度の損金の額に

それぞれ算入して法人税の確定申告をした。

しかし税務署は、

分掌変更の翌事業年度に支給された金員は

退職給与ではなく

損金の額に算入されない役員給与に当たるとして

法人税の更正処分等及び源泉徴収に係る所得税の納税告知処分等を行った。

このことから、

原告が、今回の金員は退職給与として取り扱われるべきであるとして、

その全部の取消しを求めた

事案です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

今回の主たる争点は、

1)更正通知書の理由付記に不備があるか否か

2)翌事業年度に支給されたお金を退職給与として取り扱うことができるか否か

です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【原告】は、

争点1)に対して、

更正通知書に付記された理由に、

本件更正処分の根拠となる法令や通達が何ら示されておらず、

このことは更正の理由付記の不備に当たる

として全部取り消しを求める。

争点2)に対して、

通達では、

役員が現実に退職しなくとも、

常勤役員が非常勤役員になったことなど、

その職務内容、役員としての地位が激変したことによる場合で、

実質的に退職と同様の事情にあるものについては

「退職した」場合に該当するものとして

取り扱う旨を定めている。

そして、その退職給与の額を支払った日の属する事業年度の損金の額に算入できる。

本件役員が分掌変更により退職した事情にあることから、

退職慰労金を支払うことを決定したものの、

資金繰りの都合により一括で支払うことができなかったため

分割で支払い、

その支払った事業年度の損金の額に算入したものであり、

このことは、上記通達の定めに従っていることから

有効である。

【税務署】は、

争点1)に対して、

更正通知書に付記された理由には、

法人税基本通達9-2-32(以下「本件通達」という。)に定められている内容を記載した上で、

翌事業年度に支給されたお金が

役員退職給与とは認められず

定期同額給与等以外の給与に該当することから

これを原告の所得金額に加算した旨を記載している。

したがって、理由付記制度の目的を充足しているというべきであり、

理由付記に不備は認められない。

争点2)に対して、

本件通達は、

役員の分掌変更等により、

実質的に退職したと同様の事情にある役員に対して支給した

臨時的な給与を退職給与と認める旨を定めている。

本件通達は、引き続き在職する場合の一種の特例として打切り支給を認めているものであり、

本件通達が適用されるのは、

原則として、債務の確定だけではなく、

実際に金銭等の支給があった場合に限られる。

未払の期間が長期にわたったり、

長期間の分割払となっていたりするような場合には適用されない。

今回の退職慰労金は、

平成22年8月期においていまだ残金が支払われておらず、

未払の期間が長期である場合に該当する。

また、翌事業年度に支給されたお金の分割支給の理由につき、

一括で支給できる資金力がなかったことのほか、

これまでに続けてきた黒字決算が途切れること

赤字決算を銀行に提出できないことなどを理由としていることからすると、

利益調整の目的があったと認められる。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

いきなり、裁決を見るのではなく

これはどういう判決になるか

すこし考えてみてください。

税務というと

決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、

そもそも税法に則った判断処理のこと

なのです。

その判断処理を間違えると

払う必要のないキャッシュが

会社から失われてしまう可能性があります。

この判断処理を

今まで間違っていた納税者の割合や

なんと7割以上(国税庁のHPより)

判断処理

大丈夫ですか?

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

争点1ですが、

本件更正通知書に付記された理由には、

更正処分の対象となった事実として翌事業年度に支給されたお金を支給したこと、

退職給与とは認められず、

法人税法第34条に規定する定期同額給与等以外の給与に当たる旨が記載されており、

退職給与に関する法令や通達の記載はないものの、

いかなる事実に対する法的評価であるかを明確に判別することができる程度に

理由が表示されていると認めることができるから、

本件更正通知書に付記された理由に違法となる不備があるとはいえない。

争点2は、

本件分掌変更から1年近くを経て支給されたものであり、

本件分掌変更の時に支給された金員とはいえない。

そこで、本件分掌変更の時に当該支給がされなかったことが

合理的な理由によるものであるかどうかについてみると、

平成19年8月末における現金及び預金の残高のみでは

本件退職慰労金の全額を支給できる状況にはなかったことがうかがえるものの

原告の代表取締役は、

翌事業年度に支給されたお金の支給時期に関する事情について、

当座貸越額に余裕はあるものの、

先行して資金需要があるなどの資金繰りの事情によるものである旨説明するにとどまり、

本件退職慰労金に関する株主総会議事録や取締役会議事録が存在せず、

請求人が主張する資金需要を認めるに足りる具体的な資料もない。

本件退職慰労金の支払に関しては、

原告の決算の状況を踏まえて支払がされていることがうかがえることからすると、

本件第二金員をその支払日の属する事業年度において損金算入を認めた場合には、

請求人による恣意的な損金算入を認める結果となり、

課税上の弊害があるといわざるを得ない。

過少申告加算税賦課決定処分は適法である。

本件納税告知処分により納付すべき源泉所得税を

法定納期限までに納付しなかったことについて、

本件不納付加算税賦課決定処分は適法である

とした。

「平成24年5月25日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

今回は通達の解釈の違いが

一つ目の決めてでした。

しかし、裁判官は

通達だけでなく

実態として資金繰りに困っており

致し方なく

行った分割支払いであったなら

考慮する余地があるといった

考え方もしています。

つまり、通達の解釈上では

ダメとなっていても

会社の資金繰り事情の説明や

株主総会議事録や取締役会議事録がしっかりとされていれば

この裁決は

変わっていたかもしれないのです。

これは

わたしがメルマガで何度も言っている

資料などの『形式準備』と

筋の通った説明による『実態準備』を

していれば

追徴税や加算税などを

支払うことがなかったのです。

税務調査や税務判断は

このような準備によっても

結果が変わってくることがあるのです。

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        今日のマーケティング術・まとめ 

    通達でダメとなっても、
   『形式準備』と『実態準備』で裁決が覆ることがある

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