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大学に在学中の代表取締役の長男に対する給料等は認められるのか!?【税務調査】
同族会社の場合、
家族に給料等を支払って
所得の分散をしていることがあります。
今回の事例は大学に在学中の代表取締役の長男を
従業員として支払った給料等のお金は
認められるのかを争った裁決です。
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会社側は
大学に在学中の代表取締役の長男に対する
給料名義の金員は
従業員である長男本人に対し
支給した給与である旨を主張。
税務署側は
代表取締役の長男に対する金員は
代表取締役の長男に対する給料ではなく、
代表取締役への報酬、賞与にあたると主張。
裁判官の裁決は、この取引は、
[1]請求人は同人に対して従業員としての管理等をしておらず
同人が請求人に勤務した事実も認められないこと
[2]請求人は代表取締役がその株式の過半数を所有する同族会社であり、
代表取締役がその事業を主宰していること
[3]長男に対する給料名義の金員は、
代表取締役の妻が受け取り管理し、
代表取締役の報酬等と併せて
同人の生活費等に充てられていること
以上のことから、
本件金員は
代表取締役に対して支給された役員報酬、賞与と認めるのが相当であり
当該役員賞与については損金の額に算入されない。
「昭和59年2月6日裁決」
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今回の裁決は
「同族会社における家族への給料等の支払いは
勤務実態とその受取管理の状況で
判断される」
といったことが明らかになった
判例です。
実際に勤務していない人に対して
支払うお金なので
現実にはおかしな話なのですが、
同族会社においては
このようなことが実際に可能です。
だからこそ、税務調査において
同族会社では社長親族への支払いが
狙われてくるのです。
ご不明な点は
お気軽に中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。
港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)
旧会社の勤務月数を含めた使用人賞与は新会社への贈与!?【税務調査】
旧会社(合資会社)の解散の翌日に設立され
旧会社の従業員のうち
相当数の者を雇用した新会社(株式会社)が
旧会社から引き継いだ使用人に対し
設立後1か月以内に支給した賞与について
旧会社に対する贈与であるのか否かを
争った
裁決です。
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旧会社(合資会社)の解散の翌日に設立され
旧会社の従業員のうち
相当数の者を雇用した新会社(株式会社)が
旧会社から引き継いだ使用人に対し
設立後1か月以内に賞与を支払った。
税務署側は
これに対して
旧会社における勤務月数を計算の基礎に含めた使用人賞与は
本来、旧会社が支払うべきものを
新会社が代わりに払ったものであり
新会社から旧会社に対する贈与である
とした。
裁判官の裁決は、
旧会社の就業規則には賞与の支給に関する支給対象期間、
支給時期及び支給額の定めがない
したがって
旧会社は解散の時において
退職使用人に対する賞与の支払債務を負っていたものとは
認められないことから
当該使用人に対する賞与を設立後1か月以内に支給したとしても
当該賞与は新会社においてその総額を決定し
各人別の金額を確定されたものであると認められ
新会社が当該賞与の全額を
その支給した日を含む事業年度の損金の額に算入したのは相当であって
当該使用人賞与額の一部を
新会社が旧会社において支給すべき賞与を支給したものとして
旧会社に対する贈与であると認定したのは相当でないとした。
「昭和56年3月10日裁決」
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今回の裁決は
「旧会社の就業規則には賞与の支給に関する支給対象期間、
支給時期及び支給額の定めがないこと」
が幸いしました。
もし、就業規則等で賞与の支給基準が
記されたものがあり、
それに基づいて新会社で賞与を支払っていたとしたら
裁決は変わっていたかもしれません。
書類の作成は必要ですが、
必要以上に細かく基準等を記載した書類は
思わぬトラブルを引き起こしかねない
ということと
根拠資料のない判断は
無効になる確率が高いということが
理解できる
判例でした。
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勤務成績の優良な社員に支給する表彰金【源泉所得税節税】
Q.タクシー業を営む当社では、内規により表彰制度を設け、毎年1回、次に該当する社員を表彰し、それぞれの賞金を支給していますが、給与として課税しなければなりませんか。
(1)無事故運転表彰・・・賞金 3万円
(2)無欠勤表彰・・・・・賞金 3万円
(3)業績優良表彰・・・・賞金 1万円~10万円
A.お尋ねの内容からみますと、その支給が無事故、無欠勤、業績優良という特別の目的を達成した人を表彰するためのものであるから給与所得にならないと考えておられるのではないかと思われます。
しかし、1年間無事故であるとか、1年間皆勤したとか、勤務成績が優良であるなどの理由で支給する表彰金は、通常の職務の範囲内の行為に対する対価であると考えられますので、賞与の性格を有する給与を支給したものとみることができます。
したがって、貴社が支給する賞金は、表彰を受けた人の給与所得として課税することになります。
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発行済み株式98%所有の社長の息子への賞与の取り扱い 【法人税節税】
Q76 発行済み株式98%所有の社長が亡くなりました。この株式の相続人は2人の息子だけです。現在、この株式の遺産分割は終わっていません。両者とも当社の従業員として勤務しています。
この2人はまだ取締役には就任していませんが、先代の社長時代から経営者会議のメンバ-として会議に参加しています。次回、2人に支給する賞与は役員賞与になるのでしょうか。
A76 被相続人の遺産は相続人間で分割されるまでの期間、相続人の共有財産として取り扱われることになります。そして、相続人が民法の規定による相続分に応じた割合を所有しているものとして取り扱うことになります。
ですから、2人の相続人はそれぞれ49%の株式を所有していることになり、また法人の経営に従事しているので、「みなし役員」に該当します。したがってこの2人に支給する賞与は、法人の各事業年度の所得金額の計算上は損金に算入されないことになります。
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