直送販売の売上計上はいつが正しいのか?【税務調査】
2014-12-24
今回の裁判は
植物油等の卸売業を営む納税者が行った
商品の直送販売の
収益計上をいつにするかについて
争った
裁判です。
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【納税者】は、
得意先へ販売した
商品について
その商品が
仕入れ先から
直接納税者の得意先へ
納入され、
その仕入先から
納税者宛に
請求書が送付されてくると
納税者の販売担当者は
その納入商品の得意先における
検収結果等を
電話で照会し、
納入商品に瑕疵のないことを
確認した上で
その商品の仕入伝票と売上伝票を
請求書に記載されている
請求の日を
起票日として
同時に起票し
これを経理担当者へ
回付し
経理担当者は
その起票日に
その商品の仕入れと売上が
あったものとして
経理処理している。
納入された後で
クレームが
得意先から
出されることが多いので
納入した商品について
瑕疵の有無を
確認した上でなければ
売上金額を
確定することができない。
したがって、
納税者の商品の販売の
収益の帰属時期は
商品の仕入先から
交付された請求書に
記載された請求の日の属する
事業年度とすべきである
と主張した。
【税務署】は、
納税者は
得意先へ商品を納入したことは
仕入先からの連絡により
確認可能な状態であるから
商品が
得意先に到着した日をもって
商品の販売による
収益を計上することが
一般に公正妥当と
認められる。
また、納税者は
商品の到着日を
売上の日として
会計処理しているものが
多く認められるなど
納税者の主張は
実際の経理処理と異なっており
商品の到着日をもって
収益を計上する方法以外の方法を
認める合理的な理由はない
と主張した。
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どちらの主張が
正しいのでしょうか?
いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。
税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。
その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。
この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)
判断処理
大丈夫ですか?
本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。
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【裁判官の裁決】は、
本件売上計上漏れにかかる商品は
決算月である3月中に
得意先に到着していることが
納税者が仕入先から
交付されている
請求書に添付されている
納品書によって
確認されるので
税務署の判断は適法である
とした。
「昭和55年6月14日裁決」
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通常の商品等を
棚卸資産の販売による収益については
その引渡しがあった日の
属する事業年度に計上されます。
ただし、
その引き渡したがあった日については
商品等の棚卸資産を出荷した日
相手方が研修した日
相手方において使用収益ができるようになった日など
その棚卸資産の性質や
販売契約の内容等に応じ
合理的と認められるもののうち
法人が継続して
採用する方法によることになります。
つまり、
引渡日については
ある程度
法人の裁量に
委ねられているといえます。
ただし、
引渡しが完了していたとしても
収益の額が
確定できない
何らからの事情がある場合には
収益が確定した時が
収益計上となります。
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