DESは債務消滅(免除)益!?それとも現物出資!?【税務調査】

2019-07-02
DES(デッド・エクイティ・スワップ)を
ご存知でしょうか?


DESとは、
債権者が
債務者に
債権を現物出資し

債務者が
これに対応する債務を
消滅させるともに

対応する資本金等を
増加させる
行為のことで

「債務の株式化」
と呼ばれています。


上記の表現からも

債務の消滅という言葉から
「債務免除益」
が想定でき

資本金等の増加という言葉から
「現物出資」が
想定できる。


この考え方から
違いが生じて

高等裁判所まで
もつれ込んだ
判決を

本日はご覧いただきたい
と思います。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

DESは、
1個の取引行為として資本等取引
(法人の資本等の金の増加又は減少を生ずる取引)
に該当するので、

DESによって
債務が消滅しても、
債務消滅益は発生しない。


現物出資は
資産の増加、

DESは
負債の減少であり、

会社財産に対する
影響という観点からは

同一の効果を生ずる。


DESを行うにあたって、
現物出資の形式を借用し、

債務(負債)を出資できると
解釈できる。


したがって、
DESによって
移転するのは

資産ではなく、
自己の債務であるから、

法人税法が
規定する
現物出資には該当せず、

法人税法等の関連法令の
適用はない。


税務署は、
混同をもって
損益取引であると
主張するが、

そもそも、
混同は
事実であって
取引ではないので、

損益取引には
該当しない。


平成12年
東京地裁商事部が
券面額を
採用することを
明らかにしてからは、

現物出資の検査役の
調査報告も
券面額によって
されるようになった。


課税実務においても、
税法上DESに関する
明確な規定はなく、

民商法上
借用された
現物出資として
扱われたが、

資本等取引として、
債務消滅益が
計上されることはなく、

課税関係は
発生しないと
されてきた

と主張した。



【税務署】、

旧商法には
債務の株式化を
直接認めた規定はなく、

会計処理としては、
現物出資の制度に
則るべきである。


DESは、
旧商法における
現物出資の制度を
適用して行われるものであり、

出資された
債権の時価が
券面額に満たないときは、

混同により
消滅した券面額との
差額につき

債務消滅益が
発生する。


法人税法22条2項にいう
損益取引とは、

財産に影響を及ぼす
一切の事実を含む
簿記上の取引を
指すものと

解されているのであり、

仮に、
混同による債務の消滅が
民法上は
取引ではなく
事実であったとしても、

この混同による
債務の消滅は

税法上は
損益取引に該当し、

これに伴う
債務消滅益を
益金の額に
算入することについて
何ら違法な点はない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

DESは、
株式会社の債務(株式会社に対する債券)を
株式に転化することであるが、

わが国の会社法制上、
これを直接実現する制度は
設けられていない。


そのため実務上、
既存の法制度を用いて
これを実現する方法としては、

株式会社の債権者が
その有する債権を
当該会社に対し
現物出資し、

混同により
当該会社の債務を
消滅させるとともに、

当該会社が
当該債権者に対し
現物出資された
債権に相応する株式を
発行する方法が
採られている。


これは債権者の側からは
債権を株式化する手法と
認識され、

債務者である会社
(以下「債権者会社」という)
の側からは
他人資本を
自己資本化する手法として
認識されている。


そして、
わが国の法制度の下において、
DESは、

①会社債権者の債務者会社に対する債権の現物出資
②混同による債権債務の消滅
③債務者会社の新株発行及び会社債権者の新株の引受け

という各階段の過程を経る必要があり、

それぞれの階段において、
各制度を規律する
関係法令の規制を
受けることとなる。


納税者は、
本件DESは、
一の取引行為であり、

全体として
資本等の金額の増加
又は減少を生ずる取引
に該当する旨を
主張する。


しかしながら、
上記で述べたとおり、

株式会社の債務を
株式に
直接転換する制度が
存在しない以上、

本件DESは、
現行法制上、

①本件現物出資による債権者から原告への本件貸付債権の移転
②本件貸付債権とこれに対応する債務の混同による消滅
③本件新株発行及び原告の新株引受け

という
複数の各階段の過程によって
構成される
複合的な行為であるから、

これらをもって
一の取引行為と
みることはできない。


また、
上記①の現物出資
と③の新株発行の過程においては、

資本等取引に当たると
認められるものの、

上記②の混同の過程においては、
資本等の金額の増減は
発生しないので、

資本等取引に該当するとは
認められないから、

①ないし③の異なる過程を
併せて
全体を
資本等取引に
該当するものと
いうことはできず、

いずれにしても、
上記主張は
理由がない

とした。

「東京高等裁判所 平成22年9月15日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

法人税法上の
DESの取り扱いは

適格現物出資か
非適格現物出資かによって

取り扱いが
異なってきます。


適格現物出資の場合

債務者は
債権者から受け取った
金銭債権の
帳簿価格を

資本金等の額として
増加させます。


非適格現物出資の場合

金銭債権の時価分が
資本金等の額として
増加し

差額は
債務免除益として
利益が
計上されます。


つまり、
帳簿価格のままか
時価評価し直すか
ですが、

時価評価の場合、
複雑な評価計算が
必要になってきます。


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