夫と妻が2分の1ずつ共有する店舗のゲーム場から生じた所得は不動産所得!?【税務調査】

2019-07-23
納税者は、
納税者と納税者の夫A男が
共有する店舗において、

株式会社Bと
共同して
遊技場を経営し、

各年分の確定申告の
課税標準と税額の計算に当たって、

本件ゲーム場から得た所得を
事業所得として申告したところ、

税務署は、
当該所得は
納税者らの共有する店舗を
B社が利用した
対価としての
所得であり、

また、
納税者らが

本件ゲーム場に関して行った
役務の提供は

本件店舗の
維持管理のためのものにすぎないと
認定し、

本件ゲーム場に係る所得は
不動産所得であるとして

更正を行ったことに対して

争った

事案である。


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

A男とB社の間に
締結した
本件ゲーム場の運営に関する契約は、

納税者らが
共同して
経営する遊技場において

B社が
その運営に協力する旨の契約で、

納税者らとB社の双方が
共同経営の認識の下に締結し、

双方が
本件契約に基づき
ゲーム場を運営している。


本件ゲーム場の運営に必要な
風俗営業等の規制と業務の適正化等に関する
法律上の許可は

複数名義で
得ることができないため、

B社が申請し許可を得ているが、
同許可は
いつでも納税者らのいずれかの名義に
変更することができる。


納税者らは、
本件契約の締結に伴い
取り交わした覚書事項に基づき、

A男が負担すべき
本件ゲーム場に従事する
従業員の給与を負担している。


納税者は、
毎週1回行う集金・分配時に、
経営者として、
収入金の収納計算と
分配に立ち会っている。


納税者は、
毎年1回開催されるゲーム機の展示会に出席し、

本件ゲーム場に
設置すべきゲーム機に
関する研究を行っている。


したがって、
納税者の得た本件ゲーム場に係る所得は、
事業所得に該当する。


以上のとおり、
各年分の更正は違法であり、

その全部を取り消すべきであるから、

これに伴い
各年分の過少申告加算税の賦課決定も
その全部を取り消すべきである

と主張した。



【税務署】、

不動産所得とは、
不動産、不動産の上に存する権利、
船舶又は航空機を

相手方の利用に供することにより
その対価として
受ける収益に係る
所得であるが、

相手方に
不動産等を利用させる場合においても、

当該不動産の維持管理のための
役務提供を
超える新たな役務提供が加わり、

むしろ
この新たな役務提供の対価が
主となって
受ける収益に係る所得は、

事業所得に該当する。


本件店舗の利用に関し、次の事実が認められる。

A 本件店舗は、納税者らが共有していること。

B 本件ゲーム場の経営に必要な
  風俗営業法上の許可の申請はB社が行い、
  B社が許可を得ていること。

C 本件ゲーム場に設置されているゲーム機は、
  全てB社の所有であること。

D 本件ゲーム場に設置されている
  ゲーム機のプログラムの決定、
  維持管理は
  B社が行っていること。
  また、ゲーム機が故障した場合の修理等は
  店長の権限で行い、
  その費用もB社が負担していること。

E 本件ゲーム場に従事している店長と他の従業員は
  いずれもB社との間に雇用契約があること。

F 納税者らの支出した開業資金は、
  本件店舗に係る
  内部設備や内部造作等の
  取得費用に充てられていること。

G 本件契約は、平成元年10月1日に解約され、
  新たに同日付で
  本件店舗に係る賃貸借契約が締結されているが、
  当該賃貸借契約締結の前後において、
  本件ゲーム場の業務内容、
  運営方針に全く変化がないこと。


以上の各事実からみると、
本件ゲーム場に係る所得は

納税者らの共有する店舗を
B社が利用した対価としての所得であり、

また、
納税者らが行った
本件ゲーム場に係る
役務の提供は

主として
本件店舗の維持管理のためのものであり、
本件ゲーム場を
経営するためのものとは
認められない。


したがって、
納税者の得た本件店舗に係る所得は

事業所得ではなく
不動産所得に該当する。


以上のとおり、
各年分の更正は適法であり、

かつ、
納税者には、
国税通則法第65条《過少申告加算税》第4項に規定する
正当な理由があるとは認められないから、

同条第1項の規定に基づいて
各年分の過少申告加算税を
賦課決定したものである

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

納税者と納税者の夫A男が
2分の1ずつ共有する店舗を
ゲーム場とし、

A男が
B社と
本件ゲーム場の運営に関する契約を締結して
本件ゲーム場から
生じた所得について、

本件契約によれば、
A男は
本件ゲーム場経営に対する
危険負担と責任負担のあることが認められること、

A男は、
本件ゲーム場に係る
収益享受の権利と費用負担の責任のあることが
認められること等から、

本件ゲーム場は
A男とB社とが共同経営していたものと
認めるのが相当であるから、

本件ゲーム場に係る所得は、
不動産所得ではなく、

事業所得に該当するというべきである。


更に、
A男は、
本件ゲーム場設置のゲーム機の選定、
変更につき承認を与えるなど本件ゲーム場の経営に
実質的に関与している等の事実からすると、

A男については、
本件ゲーム場の事業主と認めるのが
相当であるのに対し、

納税者は、
本件契約に基づき分配を受けた
収入金と経費の支出等の記録

並びに
本件ゲーム場内に設置されている
公衆電話に係る収入金の回収を行っているにすぎず、

本件ゲーム場の経営方針の決定に
支配的影響力を有しているとは
認められないから

本件ゲーム場の事業主ではなく、

A男の経営する事業の従事者とみるのが相当であり、

したがって、
本件ゲーム場に係る所得は、
A男に帰属するものというべきである

とした。


「国税不服審判所 平成4年3月11日裁決」


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

実質的に
B社が経営をしていても

危険負担と責任負担や
収益享受の権利と費用負担の責任がある場合には

A男が事業を営んでいると
みなされ

事業所得になる。


しかし、
店舗を
納税者と納税者の夫A男が
共有していたとしても

実質的に
経営に携わっていない場合は

納税者の所得には
ならないという

裁決になりました。


こういう判断は
実態はどうなのかということを
しっかりと
把握することが
大切です。


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