旧会社の勤務月数を含めた使用人賞与は新会社への贈与!?【税務調査】
2014-07-31
旧会社(合資会社)の解散の翌日に設立され
旧会社の従業員のうち
相当数の者を雇用した新会社(株式会社)が
旧会社から引き継いだ使用人に対し
設立後1か月以内に支給した賞与について
旧会社に対する贈与であるのか否かを
争った
裁決です。
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旧会社(合資会社)の解散の翌日に設立され
旧会社の従業員のうち
相当数の者を雇用した新会社(株式会社)が
旧会社から引き継いだ使用人に対し
設立後1か月以内に賞与を支払った。
税務署側は
これに対して
旧会社における勤務月数を計算の基礎に含めた使用人賞与は
本来、旧会社が支払うべきものを
新会社が代わりに払ったものであり
新会社から旧会社に対する贈与である
とした。
裁判官の裁決は、
旧会社の就業規則には賞与の支給に関する支給対象期間、
支給時期及び支給額の定めがない
したがって
旧会社は解散の時において
退職使用人に対する賞与の支払債務を負っていたものとは
認められないことから
当該使用人に対する賞与を設立後1か月以内に支給したとしても
当該賞与は新会社においてその総額を決定し
各人別の金額を確定されたものであると認められ
新会社が当該賞与の全額を
その支給した日を含む事業年度の損金の額に算入したのは相当であって
当該使用人賞与額の一部を
新会社が旧会社において支給すべき賞与を支給したものとして
旧会社に対する贈与であると認定したのは相当でないとした。
「昭和56年3月10日裁決」
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今回の裁決は
「旧会社の就業規則には賞与の支給に関する支給対象期間、
支給時期及び支給額の定めがないこと」
が幸いしました。
もし、就業規則等で賞与の支給基準が
記されたものがあり、
それに基づいて新会社で賞与を支払っていたとしたら
裁決は変わっていたかもしれません。
書類の作成は必要ですが、
必要以上に細かく基準等を記載した書類は
思わぬトラブルを引き起こしかねない
ということと
根拠資料のない判断は
無効になる確率が高いということが
理解できる
判例でした。
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