売上除外の取引は専務個人の取引?それとも会社の取引!?【税務調査】
2014-08-05
会社の商品を役員が勝手に売って
その売上代金を
役員個人の預金に入金していた
この場合、この売上は
誰の所得になるのでしょうか?
会社の決算書には
もちろん、この売上高は計上されていない。
役員も確定申告をしていない。
この状態だと
税務署は税金を取りっぱぐれてしまいます。
会社の商品を役員が勝手に売った所得は
誰に帰属するかを明らかにした
裁決です。
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会社側は
役員が会社の商品を勝手に売って
その売上代金を
役員個人の預金に入金していたのは、
会社に売上代金が入金されていないのだから
役員個人の所得であると主張。
税務署側は
この取引は
会社の売上であり、
売上除外にあたると主張。
裁判官の裁決は、
この取引は、
[1]その販売先がいずれも会社の得意先であることが認められ、
その売上代金の大部分は専務取締役の個人預金に入金されているが、
同人はその取引に係る所得について確定申告をしていない
[2]この取引の一部について
会社の正規の納品書、請求書、領収書が使用されている
[3]この取引の一部は
倉庫会社に保管されている会社の在庫商品を販売したものである
[4]この取引が
専務取締役の個人取引であることを裏付けるに足りる証拠資料がない
ことなどの事実を総合勘案すると
この取引は
専務取締役個人に帰属するものではなく、
会社に帰属するものと認定するのが相当である。
以上のことから
当該取引は
会社の売上除外にあたり、
その分に対して法人税と追徴税が課す。
「昭和56年7月24日裁決」
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今回の裁決は
「会社が関与していない取引であったとしても、
第三者からみて会社の取引と思われる取引に関しては
会社の取引として税務上も取り扱われる」
といったことが明らかになった
判例です。
会社としては
売上代金を受け取っていないのですから
この売上を計上して
その分の税金を払うことは
納得できないかもしれませんが、
そもそも今回の事件は
会社が社内管理をしていなかったことから
生じたことであるため、
会社は責任を問われ
かつ、納税の義務まで負わされてしまった
という何とも釈然としない結果となりました。
あらためて
社内の管理はしっかりと改めなければいけないと
感じさせられる裁決です。
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