粉飾した過年度棚卸資産廃棄損は損金になるのか!?【税務調査】

2014-10-14
本日の裁決は、 平成14年4月1日から平成15年3月31日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)の 法人税の申告に当たり 本件事業年度前の事業年度において 粉飾により過大に計上していた棚卸資産の額を、 本件事業年度において「過年度棚卸資産廃棄損」 として損金計上した。 それに対して、税務署が「過年度棚卸資産廃棄損」は 本件事業年度の損失の額に当たらないなどとして処分を行ったのに対し、 会社がその一部の取消しを求めた 事案です。 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 【会社側】は、 平成15年3月31日に A地方裁判所に民事再生法に基づく再生手続開始の申立てを行い、 同法に基づく財産価額の評定の準備を始めていたのであるから、 法人税法第33条第2項に規定する政令で定める事実である 法人税法施行令第68条《資産の評価損の計上ができる場合》第1号ニの 資産の評価損の計上ができる資産の評価換えをする必要が生じた場合に当たり、 評価損として計上した過年度棚卸資産廃棄損の額は 本件事業年度の損金の額に算入すべきである と主張した。 【税務署側】は、 過年度棚卸粉飾額を修正経理した過年度棚卸資産廃棄損の額は、 本件事業年度の損金の額に算入できない。 なお、過年度棚卸粉飾額は、棚卸資産としては実在しないものであるから、 法人税法第33条第2項の「法人の有する資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなった場合」に当たらず、 本件に同項の適用はない と主張した。 これに対して、 【裁判官の裁決】は、 過年度棚卸資産廃棄損の額は、 会社が本件事業年度前の過年度棚卸粉飾額を計上したものにすぎず、 その全額が本件事業年度において生じたものでないことは明らかであるから、 本件事業年度の資本等取引以外の取引に係る損失の額に当たらない。 したがって、過年度棚卸資産廃棄損の額を 本件事業年度の損金の額に算入することはできない。 なお、法人税法第33条第2項に規定する「資産の評価換え」は、 民事再生法の適用を受ける場合、 民事再生法の規定による再生手続開始の決定があったことにより、 その資産につき評価換えをする必要が生じたことにより 行うものをいうと解されるところ、 過年度棚卸資産廃棄損の額は 過年度棚卸粉飾額を計上したにすぎず、 「資産の評価換え」によるものには当たらないから、 同項を適用できる旨の請求人の主張は採用できない。 よって、過年度棚卸資産廃棄損の額は、 本件事業年度の損金の額に算入できない とした。 「平成18年11月21日裁決」 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 銀行からの融資のため 建設業の経営審査のため 建設工事の入札のため などのために 粉飾決算を行っている・・・ という話を聞くことがあります。 本来は赤字にもかかわらず 黒字の決算を組み 税金を払い、 一時的に その時期をしのいでも 根本から 変わらなければ 会社は崩壊の道へと進んでいきます。 だったら、あとで その粉飾した金額を誤りだったと 損金を計上すれば トータルでプラマイゼロになるから その時に処理をすれば良いと 考えている方もいるようです。 しかし、この判決のように 粉飾による 過年度棚卸資産廃棄損の額は 損金計上できず、 あとから相殺するような処理は 認められません。 安易な打開策を考えるのではなく 根本的な解決策を考えていくためには しっかりとして財務体質の改善を 行っていき 会社を黒字体質に変えていくしかないのです。 ご不明な点は お気軽に中島税理士・行政書士事務所まで お問い合わせください。
インボイス対応記帳代行

インボイス対応記帳代行

個人の確定申告

個人の確定申告はこちら

補助金申請支援サービス

小規模事業者持続化補助金

所長プロフィール

banner

所長:中島祥貴
(なかしまよしたか)

 若さと行動力を武器に、皆様の「ビジネス パートナー」になれるよう努めてまいります。


ご相談窓口
 所得税・法人税・消費税・相続税等に関わる税務全般~決算対策、経営計画の策定、業績管理等の会社経営関連の質問等、お客様の疑問を解決へと導きます。お気軽にお問い合せ下さい。
お問い合わせ先

〒106-0032
東京都港区六本木4-1-1
第二黒崎ビル6階
TEL : 03-3586-1701
FAX : 03-3586-1702
E-mail : info@zeirisi.info


大きな地図で見る

インボイス制度
インボイス制度の記事一覧
TOPICS一覧
参加団体

チームマイナス6%

中島祥貴ブログ黒字経営成功講座

セミナー情報

インボイス・適格請求書に強いインボイス税理士事務所

Copyright(c) 中島祥貴税理士事務所 All Rights Reserved.