業務上の事故で死亡し退職した退職金は不相当に高額なのか!?【税務調査】
2014-10-17
本日の裁決は、
前回につき続き役員退職給与の額の計算で
今回は
業務上の事故で死亡した
役員への退職金の額は
いくらまで支払えるのかを
争った
事案です。
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
【原告側】は、
死亡退職した代表者の遺族に対し、
死亡退職金として9,100万円を支給した。
【税務署側】は、
代表者の遺族に対する
死亡退職金9,100万円は
不相当に高額である
と主張した。
これに対して、
【裁判官の裁決】は、
業務上の死亡により退職した者に対しては、
通常の退職給与より多額に支給されるのが一般的であると認められることから、
比較法人の平均功績倍率により算定した通常の退職給与額に、
業務上死亡の退職事情を考慮して相続税法基本通達3-20の取扱いに準じ
死亡時の普通給与の3年分を加算した金額をもって
役員退職給与の適正額とし、
その金額を超える部分は
不相当に高額な役員退職金に当たるとした
税務署の主張
は相当であるとした。
「平成2年12月20日裁決」
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
業務上の死亡による
退職金は通常の退職金より多額に支給されるのが
一般的です。
これは役員であっても同様です。
このことから
業務上の死亡による
役員退職金の金額は
今までと同様に
比較法人の平均功績倍率により算定した通常の退職給与額に
業務上死亡の退職事情を考慮した金額を
加算した金額をもって
計算した金額とするのが
適正です。
ただ、この業務上死亡の退職事情を考慮した金額を
いくらでも認めてしまうと
金額にキリがないので
相続税法基本通達3-20の取扱いに準ずるのが
適当です。
役員退職金の支払い金額についても
事情に応じて
さまざまな計算方法があるので
しっかりと検討して金額を決めるようにしてください。
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