交際費と賄賂の性格の違いとは・・・!?【税務調査】
2014-11-26
今日の納税者は
土木工事を主とした土木建築請負業等を営む法人。
当時市建設局土木部土木計画課長であった甲に対して
賄賂金を支払っているとされるが、
その金員については
甲がゼネコンを幹事会社とする
共同企業体である乙に対して
納税者が舗装工事の下請け受注ができるように
働きかけしてくれたことに対する
報酬であると主張。
それにより
納税者は乙から多額の下請け工事をうけることになったのだから
その金員は納税者の営業活動上
不可欠な経費であったとの主張に対して
裁判所が判決を下した
裁判です。
今回は税務署の主張を飛ばして
いきなり裁判官の裁決にいきますよ。
あなたは経費になると
思いますか?
それとも経費にならないと思いますか?
それはなぜですか?
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。
税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。
その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。
この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)
判断処理
大丈夫ですか?
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
【裁判官の裁決】は、
本件の金員は賄賂であり、
賄賂金が具体的な役務の対価として支払われたとは
認められない。
本件工事につき
市から便宜ある取り扱いを受けたいとの趣旨から
供与したものであるから、
法人がその事業に関連する者に対する接待のために
支出されたものといえる。
また、本件賄賂金が法人税法上「損金性」を有することなどから
本件賄賂金は「交際費」に該当する。
したがって、納税者の資本金は
平成8年9月期現在で
1億5,000万円であるから
支出した交際費は
一切損金として算入することはできない
とした。
「平成11年2月26日判決」
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
今回の賄賂は
交際費と判断され
納税者が資本金1億円を超えていたため
全額損金とならなかった。
一方、法人が費用として支出した金銭で
その使徒が明らかでないものを
使途不明金というが、
税務上では
使途不明の交際費等を
「法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭で
その費途が明らかでないものは
損金の額に参入しない」
となっている。
今回の件では、
相手先、金額ともに明らかにしていたので
使途不明金にはならなかった。
使途不明金のうち
相当な理由がなく
その相手方の氏名等を
その法人の帳簿書類に記載したいないものを
使徒秘匿金といい、
通常の法人課税に加えて
40%の法人税の追加課税が
行われる。
しかし、平成18年の税制改正により
法人または個人が供与する賄賂の支出については
損金または必要経費に参入しないことが
規定された。
したがって、
現在では賄賂の額は
全額損金不算入になるので
気をつける必要があるのでご注意を!
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