個人の売上を計上しなかった金額は誰のもの・・・!?【税務調査】

2014-12-16
今回は 納税者は、 現社長の父(以下「甲」という)により 昭和56年に設立された株式会社で 製紙原料の販売、紙の加工販売、廃棄物の処理事業等を 営んでいる。 甲自身は 戦後まもない頃から 「B」の名称で 個人で ガラス、古鉄、紙類等の 廃品回収業を 営むとともに、 ダンボールの製造販売を営む C株式会社(以下「C社」)を 経営していたが、 C社は その後平成7年5月15日に 清算結了させている。 税務署は 納税者が 平成9年4月期から平成11年4月期までの 法人税申告書を 法定申告期限までに 申告しなかったとして 平成12年3月28日付けで 平成11年4月期以降の 青色申告承認の取消処分を 行っている。 また、税務調査の結果、 平成10年4月期についても E株式会社(以下「E社」)に対する 売上を 備付帳簿に記載せず、 売上を除外していたとして 平成14年12月27日付けで 青色申告承認の取消処分を 行った。 税務署は 調査の結果、 E社のほか31社に対する売上を除外していたとして 平成10年4月期から平成14年4月期までの 法人税と消費税に 重加算税の賦課決定処分を 行ったことについて 争った裁判です。 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 【納税者】は、 計上されていない売上金額は いずれも、甲経営に係る個人事業に 帰属するものであるのに、 税務署は これを納税者の売上高であるとして 合算計上した 処分は違法である。 法人税や所得税といった 直接税は あくまでも実質的稼得者または結果的享受者が 租税を負担すべきであるから 本件は 納税者が負担するのではなく 甲が負担すべきものである と主張した。 【税務署】は、 納税者は 事業に必要な固定資産を保有するとともに 事業に必要な経費も負担しているが、 甲は 事業に必要な固定資産を保有しておらず、 事業に必要な経費も負担している事実が 認めらない。 また、納税者の主張によれば、 本件売上計上漏れ金額は 甲の確定申告に反映されるはずであるが、 年間1億円あまりに及ぶ 本件売上計上漏れ金額を 反映した申告はされていない と主張した。 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── どちらの主張が 正しいのでしょうか? いきなり、裁決を見るのではなく これはどういう判決になるか すこし考えてみてください。 税務というと 決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、 そもそも税法に則った判断処理のこと なのです。 その判断処理を間違えると 払う必要のないキャッシュが 会社から失われてしまう可能性があります。 この判断処理を 今まで間違っていた納税者の割合や なんと7割以上(国税庁のHPより) 判断処理 大丈夫ですか? あなたは本当に その処分に納得していますか? 本来の裁判判決は 難解で読むづらいものになっていますので、 読みやすいように多少 書き換えています。 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 【裁判官の裁決】は、 調査官が、平成14年8月19日、 本件税務調査のために 納税者の事務所に赴いた際、 納税者の事務所には 納税者の看板は存在したが、 BやC社の事務所や看板は 存在しなかった。 事務所で使用される 電気、ガス及び水道料金は 甲が負担している 事実は見当たらず、 すべて納税者が払っていた。 納税者が調査時に提示した 運送記録を記載した 大学ノートには 納税者の所有する車両と 甲名義の車両の 両方が混在して記載されていたが、 燃料費のすべてうぃ 納税者が負担しており、 甲が事業に係る 燃料費を負担していなかった。 事業に必要な計量器も機械装置も 納税者が所有する 事業資産として管理され、 納税者の確定申告時には 減価償却費として 損金の額に算入しており、 甲が その費用負担をしている 事実はなかった。 したがって、 納税者の事業と区分された 甲の事業が認められないこと、 納税者において甲が 重要な地位を有していること、 本件簿外預金口座が すべて納税者に帰属すること 本件売上金額に係る請求書のうち 納税者以外の名義で発行されているものも 含めてすべて 納税者が発行したものであると 認めれられること等 を総合的に考慮すれば 本件売上金額は 納税者に帰属するものと 認めるのが相当である とした。 「平成19年6月13日裁決」 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 売上金額が 誰に帰属するかの判断は 多くの場合、 所得の帰属者名で 納品書や請求書が発行され 入金先の預金口座や発行する領収書によって 自ずと決まります。 今回は 納税者の口座に入金されていなかったが、 税務署側が税務調査時に 固定資産やその経費を 誰が負担しているかという 観点から 論理展開した点が とても興味深い内容でした。 ご相談、ご不安なことがありましたら、 お気軽に中島税理士・行政書士事務所まで お問い合わせください。
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