事業専従者に支払う給与の源泉徴収【源泉所得税】
2016-06-21
Q. 私は鮮魚小売業を営んでいます。数年前から生計を一にする長男に店を手伝わせ、月10万円の給料を支払っています。
この度、青色申告をすることにしたところ、所得税の天引きをしなければならないといわれました。白色申告をしていたときは何もいわれなかったのに、どうしてですか。
A. 使用人を雇って給料を支払う場合には、たとえ使用人が1人であっても所得税の源泉徴収が必要です。これは青色事業専従者がある場合も同様です。
個人事業者の場合、所得の分散を容易にし、税負担の公平を阻害するおそれがあるなどのため、生計を一にする親族に支払う事業遂行上の費用については必要経費としないことになっています。
しかし、その例外として、事業専従者の給与についての取扱いが定められており、その内容が白色申告者と青色申告者とで異なるところから、お尋ねの疑問が生じたものと思われます。
すなわち、青色申告者が事業専従者に支払う給与は、それが適正な額である限り必要経費に算入することができることになっているのに対して、白色申告者については事業専従者1人当たり年間50万円(配偶者が事業専従者の場合は、86万円)を限度として必要経費に算入することとされており、この必要経費に算入された金額が、事業専従者の給与の収入金額とされることになっています。
このため、青色の事業専従者についてはその給与の金額のいかんによっては源泉徴収が必要とされるのに対し、白色の事業専従者についてはその給与の収入金額は最高でも年間50万円(配偶者が事業専従者の場合は、86万円)となりますので、源泉徴収すべき所得税額は生じないわけです。