不動産仲介の報酬請求権は、いつ収益が確定されるのか!?【税務調査】

2019-06-19
不動産仲介業者の納税者と
依頼者とで

建物の売却に関する
仲介契約の販売報酬を

販売全戸数契約完了
または
売主と関係各社が
販売完了と認めた時に

支払うと
定めた。


その受託業務の範囲において

売買契約の際の立会い、
事務手続一切の業務、
登記事務、
登記立会い等を

含むことが
契約上明らかにされており、

かつ、
当事者間において
代金の回収と
担保権の設定登記事務をも
含むことが
了解されているときは、

いつ収益を確定するのが
正しいのかを
争った
事案である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

納税者のような販売を
委託される
中間業者の業務は、

売買契約を
成立させるだけでなく、

中間金の請求、
その入金、
登記申請、
銀行担保の設定、
銀行担保の登記残金の回収等

すべての事務を
完了させなければ

売主(施主)から
委託された業務を

完了したことには
ならない。


したがって
決算時点に
残金の一部が
未回収であり、

担保設定登記も
未完了である
当事業年度中に、

本件仲介手数料の
請求権が
確定したとして

取り扱うことは
妥当ではない

と主張した。



【税務署】、

納税者と
A(売主)との間で締結した
「Bマンション」分譲契約に基づく
仲介手数料の請求権は

当該分譲住宅の
売買契約が締結された
当事業年度に
確定したものである。


A(売主)と
納税者との間で締結した
「Bマンション分譲販売契約書」には、

「販売報酬は販売全戸数契約完了
 または甲(売主)と関係各社が
 販売完了と認めた時、

 甲は乙(請求人)に
 金1.000.000円を
 支払うこととする。」

と記載され、

納税者が
主張するように

譲渡代金の
全額回収を
条件とするものでは
ないから

全戸数の
売買契約締結完了の時点をもって、

仲介手数料についての権利が
確定しているため、

その確定した事業年度において
収益計上すべきである

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

納税者と
Aとの間に締結された
「Bマンション分譲契約書」によれば、

納税者は
Aのために
同人のマンション分譲販売につき
宣伝、
現地案内等
の業務を代行するほか、

A(売主)と買主との
売買契約の際の立会い、
事務手続一切の業務、
登記事務、
登記立会い等

を行なうことに
なっている。


販売報酬については、
販売全戸数契約完了

または甲(売主)と関係各社が
販売完了と認めた時、

甲は乙(納税者)に
金1.000.000円を
支払うこととされている。


上記「契約業務」については、
当期末において
分譲代金8戸数24.024.000円の
未回収があり、

また担保設定登記7件が
未完了である。


「販売全戸数契約完了」とは
単に売買契約の締結のみを
意味するものでなく、

同契約書に
契約業務として
掲げられた内容の
すべてについての
完了を
意味するものと

解することが
相当と認められ、

このことについては
契約当事者のAも

「売買契約のみならず
 代金の回収および登記等
 一切の手続きの完了を意味する。」

と証言している。


分譲代金の回収、
担保設定完了、
販売報酬(仲介手数料)の支払は

いずれも翌事業年度において
行なわれている。


以上の事実を総合して
判断すると、

本件仲介手数料の請求権は
翌期において
確定したものと
認められる

とした。

「国税不服審判所 昭和47年6月22日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

不動産仲介業の収益は
仲介・あっせんの役務提供が完了し
報酬の確定した時に
計上するのが
原則です。


しかし、
売買代金の決済、
物件の引渡しをもって
役務の提供が
完了するという
見方もあります。


個別の契約内容を
よく確認して

自社の収益計上基準を
明確にして

毎期継続して
その基準にそって
計上していくことが
重要です。


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