休業手当、休業支援金、休業補償の課税関係の違い!?【税務調査】
2021-06-17
第二次補正予算の成立により、 「休業支援金」 という制度が 創設されました。 この「休業支援金」の正式名称は 「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金」といい、 休業手当の代替措置として 設けられた制度です。 休業手当が 支払われる状況にも関わらず、 事業者の資金繰りの都合などから 支払われない場合もあります。 そこで、 休業手当の代替措置として 創設されたのが、 「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金」 です。 この制度は、 〇 新型コロナウイルス感染症の影響により、 令和2年4月1日から9月30日までの間に休業。 〇 休業期間の全部または一部につき、 給与の支払を受けることができなかった従業員が対象。 〇 休業前の給与の80%(月額の上限33万円)を支給。 という制度です。 現在、 休業者に対して支払われるものは 以下の3つがあります。 休業手当、休業支援金、休業補償 これらは支払われる理由も違いますが、 税金が掛かってくるか こないかも 変わってきます。 結論から言うと 〇 休業手当(労働基準法26条):給与所得 → 雇用調整助成金の対象 〇 休業補償(労働基準法76条):非課税 〇 休業支援金(臨時特例法4条):非課税 となります。 つまり、 「休業手当」を支払う場合は、 源泉徴収が 必要になるのです。 「休業手当」は 労働基準法26条で以下のように 記載があります。 【使用者の責に帰すべき事由】による休業の場合においては、 使用者は、休業期間中当該労働者に、 その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。 「休業補償」は 労働基準法76条1項で以下のように 記載があります。 労働者が前条の規定による療養のため、 労働することができないために賃金を受けない場合においては、 使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を 行わなければならない。 「会社の責に帰すべき事由による休業なのか、どうか」 で休業手当になるのか 休業補償になるのかが 分かれてきます. 今回の緊急事態宣言に基づく 自粛要請による休業は、 会社の責に帰すべき事由による 休業なのでしょうか? これに関しては、 厚生労働省の 「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」で、 次のとおり、 記載されています。 ------------------------------------------------------------- 新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、 協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、 労働者を休業させる場合であっても、 一律に労働基準法に基づく休業手当の支払義務が なくなるものではありません。 ------------------------------------------------------------- また、「休業支援金」は 休業手当の代替措置ではありますが、 所得税の課税対象には なりません。 これは 「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための 雇用保険法の臨時特例等に関する法律」で 次のとおり、 定められているからです。 ---------------------------------------------------- 租税その他の公課は、 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金として 支給を受けた金銭を標準として課することができない。 ---------------------------------------------------- 税務調査があれば、 源泉所得税の対象になるか否かは 必ずチェックされる項目ですので、 今回の休業に対する 支給については 再度ご確認ください。 ご相談、ご不安なことが ありましたら、 お気軽に 中島税理士・行政書士事務所まで お問い合わせください。 セカンドオピニオンとしても 税務調査対策としても ご提案を致しております。港区六本木の中島祥貴税理士事務所 〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階 0120-535-114(平日9:00~18:00)
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