副総支配人が搾取したリベートは会社の責任だから重加算税!?【税務調査】

2014-10-27
副総支配人が 食材納入業者にリベート分を上乗せさせ、 その分を個人的にバックしていた行為は 会社の責任となるのか? また、このような行為を 会社が見過ごしていたことは 会社の責任として 青色申告取消処分や重加算税の対象となるのでしょうか? もしそうなると 会社は受け取ってもいないリベート分の 税金と罰金を支払いながら 青色申告の特例なども受けられなくなるという 大きなダメージを負うことになってしまうという 事案です。 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 【原告】は、 主として旅館業を営む法人である。 原告の従業員であるAは、 平成8年10月1日に原告に入社した後、 平成12年3月21日付けで 和食、洋食及び中華料理部門の総責任者である調理部調理課長に就任し、 その後、平成14年1月に調理部副支配人、 平成15年5月21日に総料理長兼調理部支配人を経て、 平成17年9月21日には副総支配人(料飲部・調理部所管、調理部支配人等兼務)、 平成18年9月21日には副総支配人(営業部、料飲部担当、料飲部支配人、料飲課長等兼務)に就任するとともに、 調理部支配人の職を解かれ、 その後、平成19年12月20日付けで原告を退職した者である。 食材納入業者にリベートのバックは 副総支配人が勝手におこなっていたことであるから、 税務調査による 法人税の青色申告取消処分、 法人税及び消費税の更正処分 並びに重加算税の賦課決定処分は 不当であるとして取り消しを申し出た。 【税務署】は、 平成19年9月ないし12月ころに行った原告の税務調査において、 原告に食材を納入していた業者が、 食材納入時にAからの指示に基づいて、 いったんはいわゆるリベート(以下「本件手数料」という。)分を 上乗せした価格で原告と取引を行い、 納入後にそのリベート分をAらにバックしている事実を把握した。 この事実に基づき、 本件手数料に係る収益は原告に帰属するものであることを前提として 法人税の青色申告取消処分、 法人税及び消費税の更正処分 並びに重加算税の賦課決定処分を行った。 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 今回の主たる争点は、 1)本件手数料に係る収益が原告に帰属するか否か、 2)本件手数料に係る収益が原告に帰属するとした場合、その額はいくらか、 3)原告による仮装又は隠ぺい行為の有無、 です。 いきなり、裁決を見るのではなく これはどういう判決になるか すこし考えてみてください。 税務というと 決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、 そもそも税法に則った判断処理のこと なのです。 その判断処理を間違えると 払う必要のないキャッシュが 会社から失われてしまう可能性があります。 この判断処理を 今まで間違っていた納税者の割合や なんと7割以上(国税庁のHPより) 判断処理 大丈夫ですか? ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 【裁判官の裁決】は、 本件手数料に係る収益は原告に帰属するものではないとして 争点1)に係る原告の主張を認めたため、 その他の争点について判断することなく、 原告の請求を認容した。 すなわち、本判決は、争点1)について、 「収益の帰属について、 法人税法11条が、 法律上収益が帰属する者が単なる名義人であって、 それ以外の者が実質的に収益を享受する場合に、 その者を収益の帰属主体とする旨を定め、 消費税法13条も同様の規定を設けている趣旨(実質所得者課税の原則)からすれば、 本件手数料に係る収益が原告に帰属するか否かの判断は、 本件手数料を受領したAらの法律上の地位、権限について検討するとともに、 Aらを単なる名義人として 実質的には原告が本件手数料を受領している と見ることができるか否かを検討することが相当である。」 と説示した上で、 「本件手数料は、 原告における本件食材の仕入れに関して授受されていたものであるところ、 原告における本件食材の仕入れに関しては入札制度が設けられていることや、 仕入課仕入係に発注権限が存在しており、 調理課に所属するAらには本件食材の発注権限がないことからすれば、 Aらが、 本件食材の仕入れに関する決定権限を原告から与えられていたとは認められない。 これらの事実に加え、 原告においては、 就業規則上もリベートの受領が禁止されており、 Aらを含む従業員にその旨周知されていたこと、 Aらは、上記食材納入業者の代表取締役からリベートを受領する際、 塩竈市や利府町等、 C荘の建物からは離れた所在地にある飲食店の、 あまり人目につかないような場所で授受を行っていたことなどを併せ考えると、 Aらが、 本件食材の仕入れに関して授受されていた本件手数料について、 原告から法的な受領権限を与えられていたと認めることはできない。 そうすると、Aらは、 個人としての法的地位に基づき 食材納入業者から本件手数料を自ら受け取ったものと認められるところ、 自己の判断により、受領した本件手数料を費消していたというのであるから、 Aらが単なる名義人として本件手数料を受領していたとは認め難い。 したがって、本件手数料に係る収益は原告に帰属するものとは認められない。」 とした。 「平成24年2月29日裁決」 ────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ─────── 今回は Aらが会社から 食材の仕入れに関する決定権限をもっていたかもっていなかったかで 裁決が分かれたと 理解すべきでしょう。 最近、食材の誤表示(偽装?)問題が取り沙汰されています。 会社は 職務や権限を委譲したしたからには その管理もしっかりと行う必要がある。 もし、その管理を怠り 会社が知らないところで 不正が行われていたとしても、 税務上では 会社の責任とするとして 多大な税金を追加で支払われ泣けばいけないことと なってしまいます。 ご不明な点は お気軽に中島税理士・行政書士事務所まで お問い合わせください。
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