役員の退職給与の算定金額は功績倍率法でないと無効!?【税務調査】
2014-07-24
一般的に役員の適正退職給与の額は
功績倍率法により算出すべきであると
言われています。
しかし、会社の業績が悪く
それを反映させて
退職時の役員の給与を下げていた場合、
その下げていた役員の給与をもとに
役員の退職給与の額も決めなければいけないのか?
役員の退職給与の算定金額は功績倍率法でないといけないという
巷に流れている情報の真偽を裁いた
裁決です。
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
会社側の主張は、
退任役員に対する退職給与の額は、
功績倍率法により算出した金額と
1年当たり平均額法により算出した金額とのうち、
いずれか高い金額を超える部分の金額を
不相当に高額な部分の金額とすべきである。
一方、税務署側は
1年当たり平均額法は
役員退職給与の額の算定の重要な要素である
最終報酬月額が考慮されていないため、
功績倍率法に比べて合理性を欠くので、
採用できないとした。
裁判官の裁決は、
最終報酬月額が
役員の在職期間を通じての
会社に対する貢献を適正に反映したものでないなどの
特段の事情があり低額であるときは、
最終報酬月額を基礎とする
功績倍率法により適正退職給与の額を算定する方法は妥当でなく、
最終報酬月額を基礎としない
1年当たり平均額法により算定する方法が
より合理的である。
とし、退任役員に対する退職給与の額は
1年当たり平均額法により算出した金額による方が
実態に沿っており
1年当たり平均額法により算出した金額によるべきであるとした。
「昭和61年9月1日裁決」
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
役員の退職給与の算定金額は功績倍率法で行うというのは
税務を少し知っている方だと
誰もが知っている
算定方法です。
しかし、会社の特段の事情があって
退職時の役員の給与が低額である場合、
はたして
その退職時の役員の給与をもとに
退職給与を決めてしまって良いのか?
今まで、会社に多大な貢献をしてきた
役員への退職給与が
その貢献に見合わない金額になってしまっても
良いのか?
このような実態との乖離した
算定方法を
現実に沿った金額で計算をしても良いとした
世に出回っている
税務署が言っている
計算方法は、あくまで一つの目安であり
しっかりとした理由と根拠があるのなら
実態にそぐった
計算で行なっても問題ないとした
判例でした。
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