退職した役員に支払った役員退職給与が親会社への寄付!?【税務調査】
2014-07-25
役員が役員給与として預かったお金を
その後、関連会社に送金したことが
実質的には
その関連会社への寄付にあたるとして、
税務署側が会社の役員退職給与を
退職金ではなく、
寄付金であると否認した
裁決です。
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本件の役員退職給与99,000,000円について、
税引後手取額が
退職役員名義預金に預け入れられた後に、
62,102,000円(振込手数料を含む)が
外国関連会社に送金されている。
税務署側は、
役員への退職給与という形をとって
資金を関連会社に移転させているだけであって
実質は、
本件会社から関連会社への寄付に他ならないと主張。
裁判官の裁決は、
その送金額は、
外国関連会社が
退職役員の出向期間中退職役員のために
立て替えて支払ってきた
年金掛金相当額を返済したものであって、
その送金額相当分を架空の退職給与とはいえないとして
寄付金であるとの税務署側の主張を原処分を取り消した。
「平成元年12月20日裁決」
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会社側からすると
寄付金で支払うより退職金で支払った方が
税引き後のお金が多くなることが多いです。
今回は、
役員を通して
国内会社から海外関連会社へと
資金を移転するために
役員退職給与を使用したのではないのかと
否認された内容でした。
お金の流れだけ見ると
確かにそのように見えなくもないです。
今回の場合、
海外関連会社に支払ったお金が何に使われたのか
ということが重大な決め手となりました。
これが、会社の赤字補てんのためや
資金繰りのためだと
裁決が変わったかもしれません。
お金の流れだけを見るのではなく
使用目的が何かによって
役員給与にもなるし
寄付金にもなりかねないということを
認識させられる
判例でした。
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