納付すべき税額が多すぎた・・・ だけど申告期限を過ぎている場合はどうする!?【税務調査】
2014-10-22
すでに提出した申告について、
次のような誤りがあったとき、
正しい額に訂正する手続があるのをご存知ですか?
1 納付すべき税額が多すぎた
2 申告書に記載した翌期へ繰り越す欠損金又は翌期へ繰り越す連結欠損金が少なすぎた
3 申告書に記載した還付税額が少なすぎた
しかし、この正しい額に訂正する手続き
法定申告期限から1年以内と
かなり短かったのです。
そこで、税制改正により
平成23年12月2日以後に法定申告期限がくる国税は
上記の手続きを
5年以内であればできるようになりました。
では、平成23年12月2日より前に法定申告期限がある
申告は
正しい期限に訂正することは
不可能なのでしょうか?
本日の裁決は、
そんなやり取りを争った
事案です。
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【原告側】は、
更正の申出に対して
その更正をする理由がない旨のお知らせ(以下「更正の申出に対するお知らせ」という。)の
取消しを求めて
審査請求をした。
【税務署側】は、
更正の申出に対するお知らせは、
国税通則法第75条《国税に関する処分についての不服申立て》第1項に規定する
「国税に関する法律に基づく処分」に該当しないため
当該お知らせは取り消さない
と主張した。
これに対して、
【裁判官の裁決】は、
更正の申出の手続は、
更正の請求とは異なり、
法令上の根拠に基づくものではないから、
更正の申出に対するお知らせは、
直接納税者の権利義務を形成し
又はその範囲を確定するものではなく、
単に、納税者からの減額更正を求める申出を契機として、
税務署長が
当該納税者の納税申告書に記載された課税標準等
又は税額等を更正する理由がない旨を
知らせるものに過ぎない。
したがって、更正の申出に対するお知らせは、
国税通則法第75条《国税に関する処分についての不服申立て》第1項に規定する
「国税に関する法律に基づく処分」に該当せず、
その取消しを求める本件審査請求は不適法である
とした。
「平成25年1月17日裁決」
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「更生の請求」以外に
「更生の申出」というものがあります。
「更生の請求」は、
法定申告期限から1年以内、5年以内の
期限内に正しい額に
申告しなおすもの。
「更生の申出」は、
法定申告期限から1年や5年を
過ぎてから
正しい額に直すよう
税務署長にお願いするもの。
「更正の請求」が可能な期間内を過ぎた後でも
法定申告期限から5年以内であれば
「更生の申出」をすることができます。
法人税においては、
減額の更正ができる期間を過ぎると
減額の更正の申出を行うこともできなくなります。
提出期間内に「更正の申出書」を提出された場合であっても、
申出の内容等によっては
当該期間内に
調査により減額の更正をすべき事実を確認できず、
結果として期限を過ぎてしまい
減額の更正ができなくなるときがあります。
この更生の申出は
法律に基づいたものでないため、
期限内に出したから
必ず認められるというものではないためです。
そのため、
法人税に係る「更正の申出書」は、
調査等に要する時間を考慮し
期限のおおむね3か月前までには
提出しましょう。
ご不明な点は
お気軽に中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。