加算税にならない更正があるべきことを予知しない要件とは!?

2019-05-22
今回の裁判は

半導体基板の製造及び設計開発等を
主たる事業とする
納税者が、

機械及び装置の増加償却
(法定耐用年数を基準とした償却限度額を上回る減価償却を行うこと)の
特例の適用要件である
増加償却の「届出書」の
提出を行っていないにもかかわらず、

増加償却の特例を適用して
法人税額を算出して

平成20年8月期の
法人税の確定申告書を提出した。


その後、
法人税法上
増加償却を行うことができないので

減価償却費の償却限度超過額が
生じていたとして
修正申告書を提出した。


ところが、
税務署長が

納税者に対して
法人税の過少申告加算税の
賦課決定処分をした。


そこで、
納税者が、
上記修正申告書の提出は

「その申告に係る国税についての
 調査があったことにより
 当該国税について更正があるべきことを
 予知してされたものでないとき」
に該当し、

過少申告加算税を
賦課することはできないと
主張して、

上記賦課決定処分の取消しを求めて

争った

裁判です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

「過少申告加算税の制度は、

 過少申告により
 納税義務に違反した者に
 加算税を課することによって、

 当初から適正に申告し納税した
 納税者との間の
 客観的不公平の
 実質的な是正を図るとともに、

 過少申告による
 納税義務違反の発生を防止し、
 適正な申告納税の実現を図り、

 納税の効果を挙げることを
 目的とするものであるから、

 当初の申告において
 過少申告がなされれば、
 その後修正申告書の提出があった場合でも、

 原則として、
 過少申告加算税は賦課される」


その一方で、
国税通則法65条5項が、

「過少申告がされた場合であっても、

 その修正申告書の提出があり、
 その提出が、

『その申告に係る国税についての
 調査があったことにより
 当該国税について
 更正があるべきことを
 予知してされたものでないとき』は、

 過少申告加算税を
 賦課しない旨を
 定めている」

のは、


「課税庁において

 課税標準を調査する等の
 事務負担等を軽減することが
 できることも勘案して、

 自発的に
 修正申告を決意し
 修正申告書を提出した者に対しては

 例外的に
 加算税を賦課しないこととし、

 納税者の自発的な修正申告を歓迎し、
 これを奨励することを
 目的とするもの」

と判示した。


 そして、
「国税通則法65条5項が、

『調査があったことにより』

 更正があるべきことを
 予知したか否かによって、
 過少申告加算税を
 賦課するか否かを
 決することとしていることからすれば、

 当該調査が
 納税者の修正申告の
 自発性の否定につながる
 内容のものであること、

 すなわち
 当初申告が不適正であることの
 発見につながる
 調査があったことが
 要件となっているものと
 解すべきであり、

 また、
 『更正があるべきことを予知し』たとは、

 単に更正がされる
 主観的なあるいは
 一般的抽象的な可能性が
 あるにとどまらず、

 更正がされることについて
 客観的に相当程度の確実性が
 ある段階に達した後に、

 更正に至るべきことを
 認識したことをいうと
 するのが相当」

とした上で、


国税通則法65条1項及び5項の趣旨や文言に照らすと、

「その申告に係る
 国税についての
 調査があったことにより
 当該国税について
 更正があるべきことを
 予知してされたものでないとき」とは、

「税務職員が
 申告に係る国税についての調査に着手し、
 その申告が
 不適正であることを発見するに
 足るかあるいは
 その端緒となる資料を発見し、

 これにより
 その後の調査が進行し

 先の申告が
 不適正で申告漏れの存することが
 発覚し
 更正に至るであろうということが

 客観的に相当程度の確実性をもって
 認められる段階
 (いわゆる「客観的確実時期」)
 に達した後に、

 納税者が
 やがて更正に至るべきことを
 認識した上で

 修正申告を決意し
 修正申告書を提出したものでないことを
 いうものと
 解するのが相当である」

と判示した。


結論として判決は、

納税者は、

「本件調査担当者において

 本件確定申告書における申告が
 不適正であることを
 発見するに足るか
 あるいはその端緒となる資料を発見し、

 これにより
 その後の調査が進行し
 先の申告が
 不適正で申告漏れの存することが
 発覚し
 更正に至るであろうということが

 客観的に
 相当程度の確実性をもって
 認められる段階に達する前に、

 自発的に
 修正申告を決意し
 本件修正申告書を
 提出したものであると
 認められるから、

 本件修正申告書の提出は、
『その申告に係る国税についての
 調査があったことにより
 当該国税について
 更正があるべきことを
 予知してされたものでない』
 というべきである」

として、
納税者の請求を

認容した。

「東京地裁平成24年9月25日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

今回の争点は

本件修正申告書の提出が、

過少申告加算税の
適用除外要件とされる

「その提出が、
 その申告に係る
 国税についての
 調査があったことにより

 当該国税について
 更正があるべきことを
 予知してされたものでないとき」

に該当するか否かでした。


そもそも過少申告をしたら
加算税が課されると
解釈して
いる人が
大勢いますが、

自発的に
修正申告を決意し
修正申告書を提出した者に対しては

例外的に
加算税を賦課しないこととすると
あります。


このことは
税務署職員や会計事務所でも
知らない人が
多いので

知らずに
支払っている人も
大勢います。


払う必要のない
加算税は
払わないように
してくださいね。


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