法人が低額で譲渡した場合の譲渡収入はいくらで算定するべきなのか!?

2019-05-24
納税者は

代表取締役の長男と
代表取締役の妻に対して

土地と建物を譲渡したが、


税務署から

譲渡価格が
時価想定額より
低いとして

譲渡価格と
時価相当額の
差額分について

益金計上漏れの
指摘を受けた。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

法人税法22条2項にいう
「収益」とは

生産活動に基づく
価値の形成

または、増殖を意味し

その額は、
生産的給付の提供により

企業が受け取る
対価によって

測定されるものである。


無償による
資産譲渡の場合には、

「企業が受け取る対価」がないので

「収益」は存在しない。


また同項には

「無償による資産の譲渡」
という文言があっても

「低額による資産の譲渡」
という文言はなく、


関係法令の他の箇所にも

時価に比較して
低額で譲渡された場合にも

時価による
収益の発生を認定し

時価と
企業が得た対価との
差額部分にも

益金の額に
算入すべしとする
規定はない。


仮に、
法人税法22条2項にいう
「無償譲渡に係る収益の額」を

当該譲渡資産の時価によって
認識すべきであるとしても、

「低額譲渡」による
「収益の額」を

時価によって
認識すべきであるとの
解釈は成立しない。


その理由は、
同条は
低額譲渡の場合について
規定しておらず、

同法中にも
そのような規定はないので、

「時価」との差額が
どれだけあれば
低額譲渡となるかの
限界が
不明であるから、

このような解釈を
することは
租税法律主義に
反する結果となる

と主張した。



【税務署】は、

法人税法22条には

法人の各事業年度における
取得金額の
計算方法が
規定されているが、

同条2項において、
右計算上益金の額に
算入すべき金額の一つとして

「有償又は無償による資産の譲渡」
に係る収益の額が
掲げられている。


これによれば、
少なくとも法人税法上は、

法人が
その所有に係る資産を
譲渡したことにより

取得したものとして
計上すべき収益の額は、


当該売買当事者間における
契約上の売渡価額の如何にかかわらず、

基本的に
当該資産の
適正な時価を
下らない額であることを
要すると

解すべきである。


すなわち、
法人税法の上記規定によれば、

同法上、
法人が
その所有に係る資産を
譲渡した場合には、

それが有償によると
無償によるとを
問わず、

これによる収益を
益金に算入すべきものと
されているのである。


そうであるとすれば、
その益金算入額を
一律公平に定めるべき基準は、

本来、
当該資産の
時価相当額をおいて
ほかにない。


したがって、
本件のように、

資産の譲渡が
その適正な時価を
下回る価額で
行われている

いわゆる
低額譲渡の場合においても、

これによる益金の額は、
当該資産の
適正な時価をもって
計上すべきである

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

法人税法22条2項は、

課税の対象となる収益の額は、

譲渡が
適正な対価によってされた場合や
無償でされた場合だけではなく

低廉な対価によってされた場合にも、

当該資産が
譲渡された当時における
時価相当額をもって

算定すべきものと

解するのが
相当である。


法人が
資産を時価相当額より
低廉な対価により
譲渡した場合には、

あたかも当該資産を
時価相当額で
譲渡すると
同時に

その譲渡対価との差額を
譲受人に贈与したのと
同一の
経済効果を有するのであるから、


法人が
資産を時価相当額で

譲渡した場合との
税負担の公平という
見地からしても、

収益の額は
当該資産の
時価相当額によるのが
相当である。


納税者は、

「時価」と
譲渡価額との
差額が

どれだけあれば
低額譲渡となるかの
限界が
不明であるから、

その解釈は
租税法律主義に反すると
主張するけれども、


前記のように
課税の対象となる
収益の額の相当額をもって
算定すべきものと解すれば、

原告主張のような
限界を考える
必要はないのであるから、

納税者主張は
失当である。


なお、納税者は、

時価の困難であることをも
その解釈を採るべきでない理由で
あるかのように主張するが、

課税標準を定めるにあたって
時価相当額を基準とすることは、

時価相当額の算定が
困難だからといって、

これを基準にすることが
許されないと
解すべき理由は無い

とした。

「名古屋地方裁判所平成4年4月6日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

この判例により
法人から役員への土地・建物が
時価より低額で
譲渡された場合、

譲渡収入の金額は
「時価」で
計上されるべきと
されました。


では、一概に
「時価」と言っても

何を基準に
「時価」と
言えるかが
問題となります。


実務においては
土地は
「路線価による評価額」
「不動産鑑定士による鑑定評価額」

建物は
「固定資産税課税標準額」
が参考となります。


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