7月, 2019年

滞納金に対して不動産の差押えと還付金の充当!?両方行うのは適法なのか?【税務調査】

2019-07-19
P税務署長から

昭和63年4月25日付で

国税通則法(以下「通則法」という。)
第43条《国税の徴収の所轄庁》第3項の規定により

徴収の引継ぎを受けた
○○国税局長は、

納税者が
P税務署長に

平成2年分の所得税の確定申告書を
提出したことによって
発生した
43,300円の還付金に対して、

通則法第56条《還付》第2項の規定により
同署長より還付の引継ぎを受けて、

平成3年5月15日で
本件還付金を、

納税者の
昭和61年6月11日相続開始に係る
相続税の申告分の滞納税額に
充当をした。


納税者は、

本件充当を
不服として

平成3年6月27日に
審査請求をした

事案である。


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

税務署は、

本件滞納国税につき
滞納処分として

既に
平成元年10月12日付で
不動産の差押えをなして

国税債権を
確保しており、

更に
本件充当をすることは

重複処分となるから
違法である

と主張した。



【税務署】、

納税者は、

平成3年5月15日現在、

本件滞納国税
3,453,700円を
滞納していた。


一方、
納税者が
平成3年2月16日に
P税務署長に対して

平成2年分の
所得税の確定申告書を
提出したことにより、

本件還付金が
発生した。


このため、
税務署は、

平成3年4月19日に
P税務署長より
本件還付金について
還付の引継ぎを受け、

通則法第57条《充当》の規定に基づいて、

平成3年5月15日に
本件滞納国税に
充当したものであり、

本件充当は
何ら違法ではない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

通則法第40条《滞納処分》の規定によると、

一定の期日までに
国税が完納されない場合は

滞納処分を行うと
定めている。


また、
国税徴収法第47条《差押の要件》の規定によると、

一定の期日までに
国税が完納されない場合は、

滞納者の国税に対して
その財産を
差し押さえなければならないと
定めている。


そして、
通則法第57条の規定によると、

還付金等がある場合において、

その還付を受けるべき者に対して
納付すべきこととなっている
国税があるときは、

通則法第56条第1項の規定による
還付に代えて、

還付金等を
その国税に
充当しなければならないと
定めている。


通則法第57条第1項による
還付金等の充当は、

上記のとおり、
同一の納税者に

還付金等と
納付すべきこととなっている国税とが

併存していることを
要件とするものである。


当審判所が
調査したところによれば、

納税者には
平成3年5月15日現在
税務署を
国税の徴収の所轄庁として

納付すべきこととなっている
本件滞納国税が
存在している。


たとえ本件差押えによって、
税務署が
既に
本件滞納国税に係る
国税債権の確保を
図っていたもので
あるとしても、

それにより
納税者の本件滞納国税が
完納された
というわけではない。


また、
本件充当は、

本件滞納国税につき
差押えがなされているかどうかには

かかわりなく
行われるものであり、

かつ、
本件差押えとは
別個の規定に基づく
内容を異にしたものであるから、

これを
重複処分で
違法である
ということはできない。


したがって、
税務署が

本件還付金を
本件滞納国税に充当した
本件充当は

適法であり、

納税者の主張には
理由がない

とした。

「国税不服審判所 平成4年2月24日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

滞納金には

もし、それに充当できる
還付金などが
あった場合、

税務署が
上記の
権限で

自動的に
補てん
することが
できます。


なので、
補てんされた場合は、

補てんしますね

という
連絡なしに

補てん後に、
補てんしました

という通知が
後から
送られてきます。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
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使用人兼務役員に対して支給した賞与は損金算入?損金不算入!?【税務調査】

2019-07-18
納税者は、

取締役Aに対して
支払った賞与は、

常時使用人としての
職務に対するものであり、

損金算入されるべきと
主張したが、


課税庁は、

その会社の出資持分を
有していること等から、

使用人兼務役員には
該当せず、

その賞与相当額は
損金不算入である

として争われた

事案である。


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

Aを
取締役としたのは、

Aを
会社の経営に
従事させるためではなく、

肩書きが
必要であったために、

Aを
設立以来

役員に
就任させていた。


出資の持分の判定は、

税務署に
提出している
関係書類の記載にかかわらず、

実質上の資本金200万は、

代表取締役甲が
個人で所有していた
車両等を
現物出資したものであって、

甲が
出資のすべてを
所有しており、

設立後においても、
Aは
出資持分の譲渡や
贈与を
受けたことはなく、

Aは、
名義上
出資者となっている
にすぎない。


取締役Aは、

班長という
納税者の使用人としての
職制上の地位を
有し、

Aの仕事の内容は、

他の班長と同様
現場作業に従事しているほか、

従業員の送迎、
休日の機械の整備や
機械の運転等を
行っており、

使用人としての
職務に
従事している。


税務署は、

甲の出張が多いことから、

甲の不在中は
Aが代行して
経営に従事していると
主張するが、

甲の出張の多くは
現場の状況視察と
指揮監督等の
ためのものであり、

関係団体のための
不在は

年に6日間程度である。


また、
納税者の業務の内容は、

主として
直轄請負であり、

現場には
同社の監督員が
立ち会い、

その指示に従って
納税者の使用人が
作業をしているので、

経営者が
不在でも

何ら経営に
支障をきたすことはない。


したがって、
税務署の主張は
的を得ていない

と主張した。



【税務署】、

取締役Aは、

使用人兼務役員と
されない役員に
該当するから、

賞与の額を
損金の額に
算入することはできない。


甲の弟であるAが、

法人設立時から
50万円の出資を
所有する
社員であり、

かつ、
取締役に
就任していることは、

納税者が
税務署に提出している
法人設立届出書、

同添付書類

並びに
納税者の昭和52年10月11日から
昭和53年9月30日までの
事業年度分の
法人税確定申告書
(別表二のⅡ「同族会社の判定に関する明細書」)

に明記されていることから
明らかである。


上記で述べたとおり、

Aが
納税者の資本金200万円のうち

50万円の出資を
所有していることから、

Aは
法人税法施行令71条1項4号に
規定する
要件の
すべてを満たしている

役員である。


納税者は、

Aを
使用人としての
職務を有する
役員であると
主張するが、

Aは
各工事現場の班長を
指揮監督する
立場にあって、

Aの職務の内容は
他の使用人の職務の内容と
同質のものとは
認められないことから、

Aは
使用人としての
職務を有する
役員ではない。


納税者の
昭和56年9月期分の
法人税確定申告書に
添付されている

損益計算書の
旅費交通費から

甲の出張日数を
換算すると、

納税者の事業日数の
過半数は

甲が
出張で不在となり、

加えて、
甲は
他法人の役員を
兼ねているから、

この役職のため
出張日数が
さらに増加することとなり、

多数の工事現場と
労務者を
抱えた

特殊な技術・労務提供の
事業内容と
経営規模からみても、

甲のみが
経営に従事しているとすることには
合理性がない。


したがって、
Aは
納税者の
経営に
従事していたと

認めるのが
相当である

と主張した。


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

設立時の資本金200万円について、

甲は、
Aが現金で払い込んだ事実はなく、

甲が
個人で所有していた
車両、器具、備品等を

現物出資して
充当したと
答述している。


また、
納税者の顧問税理士は、

納税者の資本金200万円は
現金により
払い込まれたこととして

納税者の
会計帳簿の記帳を
開始し、

昭和53年9月30日に

甲が
個人で所有していた
車両4台を
購入して、

この未払金2,926,000円のうち
1,048,200円と、
備品、消耗品等を
甲から購入した
代金951,800円とを
合わせて

200万円を
現金で
支払ったことにして

記帳開始時に
過大計上した
現金を
消去したもので、

実質的に
甲が
これらの資産をもって

資本金に
充てたものである
と答述している。


前記の事実によれば、
出資割合の状況から

Aは、
「使用人兼務役員とされない役員」
に形式的には
該当するものと
認められるが、

上記各事実によれば、
設立に際し
甲の所有資産をもって

納税者の資本金200万円の
全額に
充てたことが
認められ、

Aが
設立時に
出資金の払込みをした
事実が認められない。


また、
Aが
設立後において
出資持分を
取得した事実も
認められない。


したがって、
Aは、
実質的に
納税者の出資を所有していたことがないものと
認められるから

「使用人兼務役員とされない役員」
に該当しないものと

認めるのが
相当である。


元従業員等の答述と

納税者が保存している
各事業年度の
使用人の作業内容を
記載している
日報によれば、

Aは、
納税者の使用人としての
職制上の地位である
班長として
常時現場作業に
従事しているほか、

冬期間は
納税者の事業の一部の作業に
従事している

事実が
認められる。


以上のとおり、
Aは、
使用人としての
職務を有する
役員に該当し、

Aに支給した
本件賞与の額は
各事業年度の
損金の額に
算入するのが
相当である

とした。

「国税不服審判所 昭和58年10月28日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

役員であるか
どうかの判断として

「経営に従事」しているか
どうかが
問われます。


「経営に従事」しているか
どうかは

次のようなことに
携わっているか
どうかで
判断します。


1、重要な取引(売上、仕入)の計画、決定

2、資金調達、資金計画

3、従業員の採用・解雇や給与・賞与等の決定

4、大規模な設備投資の計画・決定


使用人兼務役員が
使用人であるということを
立証するためには

職務内容を
組織図、業務日誌、日報等で
明確にしておくことが
大切です。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
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法人が従業員に対して支出した飲食代は交際費!?【税務調査】

2019-07-17
今回の裁判は

法人が

一部の従業員に対して
多数回支出した
飲食費が

福利厚生費になるのか

交際費になるかのを

争った

裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

交際費は、

法的、組織的、経済的に
企業に従属している

労働者である
従業員等に対して

支出する
性質のものではない。


仮に、

従業員等のために
交際費を支出するなら、

従業員を増長させ、
支出を受けた者と
そうでない者との間の

不和反目などの
弊害が生じるから、

法人が
従業員等のために
支出するものは、
交際費ではない。


本件飲食費の支出は、
会社としての
慰安旅行の
代替として
行っているものである。


そうすると
慰安旅行の取扱いを
援用すると、

全従業員が
参加していなくても、

全従業員の
50%程度の
従業員が参加していれば、

福利厚生費に該当する

と主張した。



【税務署】、

交際費等の
支出の相手方は、

仕入先、
取引先に限られずに

従業員も
相手先に含まれる。


福利厚生費として

交際費等から
除外されるものは、

従業員全員に対して

一律に対象とするもので
特定の従業員に
対するものは
含まれない

と主張した。


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

冗費濫費のおそれがあるのは、

法人が
取引先等のために
支出した場合だけでなく、

法人が
その役員や
従業員のために
支出した場合も

同様である。


また、
租税特別措置法61条の4第3項(本件当時は62条3項)は、

交際費等の範囲から

「専ら
 従業員の慰安のために
 行われる
 運動会、演芸会、旅行等のために

 通常要する費用
 その他政令で
 定める費用」

を除いている。


従業員に対する
これらの支出が

本来的には
交際費等に
当たるべきものであると
解釈することができる。


同項の
「その得意先、仕入先その他事業に関係ある者」とは、

得意先、仕入先だけでなく、

当該費用を支出した
法人の役員と従業員も

含まれると
解するのが
相当である。


福利厚生費は、

企業に所属する
従業員の
労働力の確保と

その向上を
図るために

支出されるものである。


しかし、
このような趣旨のものであっても、

それが
特定の者に対してだけ
支出されたり、

従業員各人によって
その支出の内容が
異なり、

仮に
ある従業員に対する
支出が

社会通念上、
福利厚生費として
多額なものである場合には、

超過部分は、
実質的には
従業員に対する
給与となる。


本件支出した
飲食費は、

従業員の慰安のために
支出した費用であるから、

租税特別措置法61条の4第3項が
交際費等から
除外している
旅行費用等に当たらない限り、

交際費等に当たる。


この旅行費用等とは、

法人が
従業員の
労働力の確保と

その向上を
図るために
支出するもので

法人がそれを支出するのが
相当であるというだけでなく、

従業員全員が
参加の対象として
予定されたものであることを
要すると解するのが
相当であるところ、

本件支出した飲食費は
これに該当せず、
交際費等に該当する

とした。

「神戸地方裁判所 平成4年11月25日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

よく残業の後に
残業した従業員を
居酒屋等に連れて行って

経費で
慰労することがあります。


これを
残業従業員に対する
福利厚生と考えている
会社が
多いですが、

これも
全従業員に対して

同一基準で均等に
行われるものでなく

残業従業員にのみに対する
慰安のため

福利厚生費ではなく
交際費になりますので

ご注意ください。


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酒食を提供する料理店での打ち合せは会議費にはならない!?【税務調査】

2019-07-12
納税者は、
テレビ番組の制作等を
業務としており、

テレビ番組局関係者との
会議を
飲食店で行った際の
経費が

交際費になるのか
会議になるのかを

争った

裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

会社は、
テレビ番組の制作等を
業務としており、

発注元である
各テレビ番組局プロデューサーを始めとする
スタッフや
出演する芸能関係者等との

相互信頼関係の構築と
綿密な打合せをすることが
必要不可欠である。


そして、
会社の通常の勤務時間は、
午後からであり、

打合せの時間等が
深夜に及ぶこともある。


また、
打合せ場所には、
放送局の近くを
選ばざるを得ないし、

放送局の近くには、
貸会議室もないので、

飲食店で
会議を行うしかない。


さらに、
会社の事務所には
会議室がなく、

これらの事情を
勘案すれば、

本件各飲食費は、
いずれも
会議に使用した
費用であって、

交際費ではなく
会議費に該当する。


本件各飲食費は、
納税者と
各テレビ局の担当者との間の
打合せの一環として
支払われたものであり、

いわばメーカーの製造原価に
相当するものであるから、

会計理論上
交際費には該当しない。


納税者は、
ジャズ歌手の
プロモーションをしており、

レコード会社の担当者を
ジャズの生演奏ができる
レストランなどに呼び、

歌手に
その場で歌わせて
実力を披露したり、

オーディションを
してもらったりしている。


本件飲食費のうち数件は、
いずれも生演奏のできる場所で、

会社が、
ジャズ歌手に
実際にジャズを歌わせて

プロモーション業務を
行ったのであるから、

いわゆる接待ではなく
一般経費である

と主張した。



【税務署】、

租税特別設置法61条の4第1項及び3項の規定によると、

(ⅰ)支出の相手方が事業に関係のある者であり、

(ⅱ)支出の名目が接待、供応、慰安、贈答等を
  意図するものであれば、

その支出は
交際費等に該当し、

損金への算入が制限される。


本件各飲食費
がこれらの要件を
満たすものであることは、

納税者自身が、
会議により、

発注元である
各テレビ番組局プロデューサー
を始めとする

スタッフや
演出する芸能関係者等との
相互信頼関係の構築と

綿密な打合せをすることが

必要不可欠である旨
主張していることからも
明らかである。


租税特別措置法施行令37条の5の会議費とは、

冗費濫費のおそれがないような、
会議に際して
社内又は通常会議を行う場所において

通常提供される
昼食程度を超えない
飲食物等の接待に要する費用をいう。


ところが、
本件各飲食費は、

いずれも1件の店の支払額が
消費税抜きで
1万円以上のものである。


そして、
その支払先は、

ジャズレストラン、酒類を提供するスナック、
居酒屋、鮨屋、割烹料亭、しゃぶしゃぶ店、
串屋店、天ぷら店、ステーキ店、
鉄板焼店、ふぐ専門店等の

酒食を提供する料理店である。


本件各飲食費は、
支払先が
上記のようなものであることに加え、

参加人数、内容等からしても、

明らかに
「会議費」に当たらない。


納税者が、
本件各飲食費のうち
ジャズ歌手に関して
会議費であると
主張する
数件の支出についても、

生演奏を聴かせるような
ジャズレストランで、

歌を聞きながら
飲食した際の

酒食代金が
「会議費」
に当たらないことは
明らかである

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

租税特別措置法61条の4第3項と
同法施行令37条の5第2号が、

損金不算入とされる
交際費等から

「会議に関連して、
 茶菓、弁当
 その他これらに類する飲食物を
 供与するために
 通常要する費用」

を除外しているのは、

上記程度の会議費用は、
企業に通常必要とされる
内部的な費用であって、

交際費、接待費、機密費、
あるいは接待、供応等

という文言に
なじみにくいものであり、

また、
法人の事務所
または通常会議を
行うような場所において

提供された

通常の茶菓、弁当や
昼食程度の
飲食物の費用を
損金に算入しても、

事業上の必要を超えた
冗費濫費を防止した

租税特別措置法61条の4第1項と3項の
趣旨に反しないからである。


本件飲食費の支払金額は、
おおむね一人当たり
3,000円を超え、

その多くは、
4,000円以上であって、

1万円を超えるものも
珍しくなく、

とても会議の際に
通常供される
茶菓、弁当、
昼食の程度のものと
いうことができず、

また、
その支払先も、

ジャズレストラン、スナック、居酒屋、
鮨屋、割烹料亭、しゃぶしゃぶ店、
串焼店、天ぷら店、ステーキ店、
鉄板焼店、ふぐ専門店等

の酒食を提供する
料理店であり、

通常会議を行う場所ということは
到底できない所ばかりであり、

このような、
支払金額、
酒食の場所に照らすと、

本件各支出は、
通常会議を行う場所において

通常供与される
茶菓、弁当、
昼食の程度を超えない飲食物等に
要する費用ということが
できないことは
明らかであるから、

交際費等から
除外される
「会議に関連して、
 茶菓、弁当
 その他これらに類する飲食物を
 供与するために
 通常要する費用」
に当たるということはできない。


納税者は、
会社近くに
深夜の時間帯に
打合せを行う場所がない旨
主張するが、

仮に納税者主張のとおり、
放送局の近くの飲食店で
会議を行うほかなかったとしても、

単純に打合せを
行うだけであれば、

喫茶店や
軽食の食堂等も
あり得るはずである。


本件各飲食費の支払先である

鮨屋、ジャズレストラン、スナック、
居酒屋、鮨屋、割烹料亭、しゃぶしゃぶ店、
串焼店、天ぷら店、ステーキ店、
鉄板焼店、ふぐ専門店等

といった
酒食を提供する場所と
その支払金額を見れば、

これらが、
「接待、供応、慰安」等の
趣旨を含めての
会合であることは明らかであり、

会議室に代替するような
通常会議を行う場所における

通常の茶菓、弁当、
昼食程度の飲食物の

提供とは
かけ離れたものと
いわざるを得ず、

納税者主張には理由がない

とした。

「東京地方裁判所 平成16年5月14日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

5,000円基準ができてから
飲食における
会議費と交際費の区分は
やりやすくなりました。


この5,000円基準が
導入されたのが
平成18年4月からです。


それでも
実際に会議を行っている場合は
5,000円を超えても
会議費にすることは
可能です。


いまは
特例で
中小企業の場合、
年間800万円までは

交際費であっても
全額損金にできますが、

元に戻って
一部が損金不算入になると

やはり
節税のためにも
交際費は
避けたいもの。


5,000円を超えた
飲食を
会議費にする場合は、

この判決を
参考にしてみてください。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
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海外社員旅行は福利厚生費行事にならない!?【税務調査】

2019-07-11
X社は、
電子応用電線加工機の
設計、製造、販売等を
生業とする
株式会社である。


X社は、
従業員の慰安を図ることと
親睦を深めることを
目的として、

平成8年6月にシンガポール旅行(4泊6日)、
平成9年6月にサイパン島旅行(4泊5日)、
平成10年6月にタイ旅行(4泊6日)

を実施した。


この社員旅行が

福利厚生になるのか
それとも
賞与になるのかを

争った

裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

社会通念上

一般的に行われていると
認められる
範囲内の

福利厚生行事に
参加したことにより
供与される
経済的利益は、

所得税基本通達36-30にも
課税しない趣旨を
規定している。


そして、
社会通念上
一般的な範囲内であるか否かを
判断するにあたっては、

まさに一般国民の意識が
重視されるべきである。


国民の大半が
海外旅行を経験していること

海外旅行費用としては、
20万円以上30万円未満を
支出した者が最も多いこと

本件各旅行の旅行先も
一般的な場所であること等の
事情に鑑みれば、

本件各旅行費用は、
一般国民の意識からしても

極めて一般的であって、
多額と評価すべきものではなく、

社会通念上
一般的に行われていると
認められる
範囲内といえるから、

本件通達により、
非課税扱いとされるべきである

と主張した。



【税務署】、

X社が行った
海外社員旅行は、

企業において
社会通念上
一般的に行われていると
認められる
範囲内の
福利厚生行事には
当たらないので、

当該旅行において役員と使用人
(併せて「従業員等」という)が得た
経済的利益については、

臨時的な給与として
所得税法上
課税の対象とすべきである。


役員が得た
経済的利益については
法人税法上の賞与に当たるから

損金に算入することは
認められない。


本件各旅行費用の
従業員等1人あたりの平均額は、

シンガポール旅行が204,919円、
サイパン旅行が199,501円、
バンコク旅行が165,066円であり、

これら費用の額は
多額である上、

各旅行とも
各従業員等は
各人の希望する
様々なオプショナルツアーに参加し、

その参加状況も
まちまちであることからすると、

本件各旅行が
社会通念上
一般的に行われていると
認められる
範囲内の

福利厚生行事に
当たるとは
解されない。


以上のとおり、
本件各旅行費用は、
X社が従業員等に支給した給与として
課税されるものであり、

それは臨時的な給与と認められるから
賞与に該当し、

このうち役員に係る部分は
役員賞与に該当するから、

損金の額には
算入されない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

証拠によれば、

平成11年7月に
B研究所が

会員企業355社に
アンケート調査を行ったところ、

海外社員旅行を
実施したことのある企業は
32.0%であり、

実施頻度は、
5年に1回が30.4%、
毎年が26.1%、
隔年が23.9%であったこと


1人当たりの旅行費用は、
平均で112,421円(うち会社負担分の平均額は69,089円)であり、

費用の分布は、
「5万円以上10万円未満」
「10万円超15万円未満」が
それぞれ31.6%で

「15万円以上」も
26.4%あること


海外社員旅行における
会社負担額は、

それが10万円を超える企業もあるが、

それらの企業のほとんどは
海外社員旅行の実施頻度が
2年ないし5年に一度であり、

これらの企業において、
別に行われる
国内社員旅行も含めても、

従業員1人につき
1年当たり10万円を超える
社員旅行を行っている企業は
見当たらないこと


なお毎年海外旅行を
実施している企業においては、

会社負担額が
1人当たり10万円を超えるものはないこと


以上の調査結果が
得られたことが
認められる。


このような海外社員旅行の実情と
対比して検討してみると、

X社においては、
毎年海外旅行が実施され、

しかも、
従業員等1人当たりの会社負担額が、

平成8年度においては204,919円(最低173,265円〜最高391,665円)、
平成9年度においては199,501円(最低154,099円〜最高315,499円)、
平成10年度においては165,066円(最低136,184円〜最高439,944円)
というものである。


また前記のとおり、
本件各旅行においては、

従業員等は、
X社の費用負担で催される
オプショナルツアーに
各自の希望に従って、
自由に参加、
不参加を決めており、

これらの事情に照らせば、

本件各旅行は、
企業において
社会通念上一般的に行われていると
認められる
範囲内の

福利厚生行事とは
認め難いもの
といわなければならない

とした。

「岐阜地方裁判所 平成14年4月11日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

会社の社員旅行で
海外旅行に連れて行ってもらえるのであれば
嬉しいですが、

しっかりと
税務対策や金額の管理をしないと
賞与扱いになって

「お疲れ様。
 所得税と社会保険料を徴収するよ。」
なんて
ことになりかねません。


特に役員賞与になると
税務上、経費扱いにもなりませんので、

納税額の増加となってしまいます。


海外旅行の社員旅行を
考えている会社は

ちゃんと
税務対策も考えて
行ってください。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
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未払金とした使用人に対する賞与!決算終了日から2ヶ月経過後に支払っても損金にできるのか?【税務調査】

2019-07-10
納税者が、

使用人に対するする賞与
(決算終了日から2ヶ月余経過後支払)を

未払金として
損金経理し、

確定申告したところ、


税務署が
その賞与相当額は

損金不算入である
としたことに対して

争った

裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

法人税法施行令134条の2は、

法人税法65条に
基づく規定である。


ところが、
法人税法施行令134条の2は、

債務確定基準等を定めた
法人税法22条3項とは

明らかに
異なる基準によって

賞与の損金算入時期を
定めているので、

法人税法65条の範囲を超えており
違法であり、

これは、
課税要件法定主義にも反する
違憲無効である。


法人税基本通達2−2−12は、
一般的な債務確定基準を示しているところ、

賞与については、
使用人に対する通知がなくても
賞与の対象となる
期間が経過していれば、

使用者が
使用人に対する賞与の額を
決定した時点で、

その使用人に対する
賞与の支払債務は
実体的に
確定することになる。


支払額の通知は、
定まった具体的な賞与の額を
支給対象者に
知らしめる
手続に過ぎず、

法人税法施行令134条の2の基準は、
法人税法22条3項2号の
債務確定基準とは

異なる

と主張した。



【税務署】、

法人税法65条は、

法22条から
64条までにおいては

直接規定されていない事項について、
あえて政令において定めることを
予定しているもの
と解されるのであって、

その委任の内容と
程度という点についても、

法人税法65条における
政令への委任は
租税法律主義に反しない。


法人税法施行令134条の2の規定は
使用人賞与の損金算入時期に関する
法の趣旨に基づいて、

実際に支払った日の属する事業年度の
損金の額とするという原則を
明文化するとともに、

上記趣旨を害しない程度において
その例外に当たる場合をも規定し、
専門的技術的な細目を
定めたものということができ、

法人税法施行令134条の2は、
法人税法65条による委任の範囲内であり、
有効である。


仮に、
法人税法施行令134条の2が
無効であるとした場合においても、

本件給与規定20条1項において、
受給資格は、
賞与の支払日に在籍する者とする旨を
規定していることから、

本件賞与は、
支給日当日まで、
使用人に対する賞与の支払債務が
発生する余地がない。


さらにいえば、
本件給与規定には、
賞与支給時期、
支払額の計算根拠等が
明示されていない上、

納税者は、
本件賞与の支給前に、

その支給額を
使用人側に
通知していないから、

本件賞与の支給日に
本件賞与の支払債務が
発生する前提に
欠ける。


したがって、
本件事業年度の
次の事業年度に属する日を
支給日とする本件賞与は、

本件事業年度において
債務が確定した費用といえないことは
明らかである

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

法人税法65条は、

法法22ないし64に規定する内容について、
その技術的、
細目的事項を
定めることを
政令に委任した規定であって、

租税法律主義に
反するものではない。


使用人賞与は、
使用者である法人との間の
法律関係に基づいて
支給される給与の一種ではあるが、

賞与は、
臨時的な給与として
位置づけられ、

支給対象期間、
これと異なる支給時期、
支給日在籍要件等が定められた上、

その支給の有無
ないし具体的な支給金額は、

当該法人の支給対象期間等に係る
業績ないし支給当時の財務状況等に
連動させられる。


これにプラスして
支給対象者の支給対象期間における
勤務実績等が
反映されるものであり、

基本的に
その決定は
使用者である法人の
経営上、人事上の裁量判断に

委ねる仕組みが
取り入れられる。


このような賞与の仕組み等に鑑みると、

個々の使用人ごとの
具体的な賞与の支給額を
最終的、確定的に決定して
これを外部に表示した時点で
初めて成立すると
解される。


納税者は、
平成16年5月31日までに
その使用人に対する
各人別の賞与支給額を
決定してはいたものの、

実際に本件賞与を支給したのは
本件事業年度終了後の
同年7月16日であり、

しかも、
納税者は、

本件賞与の支給前には、
本件賞与の各人別の支給金額について、

各人別に、
かつ同時期に
支給を受けるすべての使用人に対して

通知しては
いなかったというのであるから、

本件賞与は
本件事業年度の
損金の額に
算入することはできない

とした。

「最高裁判所 平成23年4月28日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

今回の判決での
焦点は
使用人への賞与は
いつ確定するのか
という点でした。


その点において
納税者は

法人税法施行令134条の2が
法人税法65条に
基づく規定であるため、

債務確定基準等を定めた
法人税法22条3項に
従う必要はないと

訴えましたが、


裁判官は

法人税法65条は、

法法22ないし64に規定する内容についてを
定めているので

法人税法22条3項と
矛盾はなく

適法であると
しました。


また、
決算賞与は
決算日から
2ヶ月以内に支払い、

決算日までに
各使用人に賞与額を
伝えている場合には

決算日までの
事業年度の損金とすることが
できる旨が

法人税基本通達で
定められていますが、


基本通達自体
法律ではないので、

納税者は
これに縛られる必要がない

として、

賞与の債務確定時期を
巡って
最高裁判所まで
行きましたが、

総合的に判断して

本件事業年度の
損金の額に
算入することは
できないとなりました。


しかし、
給与規定で
賞与の支払いは

賞与額の通知時に
在籍していたものに対してのみ
行うことと

決算日までに
各使用人に
賞与額を通知していたら

本件事業年度の
損金の額に
算入することが
できたかもしれません。


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「債務超過や相当の理由」とはどういう状況になっていることなのか!?【税務調査】

2019-07-09
元本と利息の回収が
客観的にみて
極めて回収が困難な状態にあって

利息も元本も回収不能となる
可能性が高い場合には

利子のうち
該当事業年度に係るものは

法人税基本通達2-1-25で、

益金の額に
算入しないことができる
と定めている。


そのための要件が
次のいずれかに当たる場合である。


① 債務者が債務超過に陥っていること
  その他相当の理由により、
  その支払を
  督促したにもかかわらず、
  一定期間の利子が
  未収となっていること

② 債務者が更生手続きが開始されたこと

③ 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、
  事業好転の見通しがないこと等の事由により、
  貸付金の全部
  又は相当部分について
  その回収が危ぶまれること

④ 更生計画認可の決定、
  債権者集会の協議決定等により
  貸付金の全部
  又は相当部分について
  相当期間
  棚上げされることになったこと


今回の裁判は
この利息も元本も回収不能となる
可能性が高い場合
に該当するかどうかを

争った
内容である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

代表取締役Hに対する
貸付金には、

次の理由から
本件通達①又は③の
事実が生じている。


よって、
本件各事業年度
(平成6年1月1日から平成6年12月31日と
 平成7年1月1日から平成7年12月31日までの
 各事業年度)
の所得金額の計算上、

その期間の利息を
益金の額に
算入しなかったことは
適法である。

(i)納税者の株式を
 類似業業種比準方式で
 評価すると、
 Hは債務超過の状況となる

(ⅱ)時価の下落を考慮すると、
 Hが所有する
 土地の価格は
 明らかに下落している

(ⅲ)本件貸付金返済のため、
 Hは有価証券を売却し
 330百万円を返済したが、
 その他の資産は
 処分が難しいため、
 処分による返済は
 困難である

(ⅳ)Hの収入は、
 納税者からの報酬と
 地代家賃と
 他1社からの
 報酬のみである。
 地代家賃は
 すべて本件貸付金の
 返済と利息の支払いに
 充てられているが、
 返済額は
 元本に比べて
 少額である


納税者の株式の評価方法についてだが、

納税者が発行する株式は
非上場株式であり、

売買実例、
比準会社と
気配相場もないため、

法人税基本通達9-1-14の
上場有価証券等以外の
株式の価額の特例を
適用することとなる。

納税者の規模区分は
大会社に当たるので、

類似業種比準価額によって
評価すべきである。


なお、
仮に純資産価額方式で
評価する場合には、
Hの支払能力がないことを考慮し、
Hに対する
貸付金と未収利息については
実態に合った
評価をすべきである

と主張した。



【税務署】、

次の理由により、

納税者の代表取締役Hに対する
貸付金は、

本件通達の内容には
該当しない。


よって、
該当貸付金に係る利息を、
本件各事業年度の
所得の金額の計算上
益金の額に
算入すべきである。

(i)納税者は
 株式の評価に当たって、
 評価差額に対する
 税金分を控除しているが、

 本件は
 会社の清算を目的とした
 株式評価ではないため
 該当金額は
 控除すべきでない。

 Hは債務超過の状況にあるとは
 認められない

(ⅱ)確認の結果、
 債務超過に陥っていること
 その他相当の理由があるとは
 認められない

(ⅲ)本件貸付金が増加したのは、
 納税者が、
 十分な担保も取らず
 Hに貸付を続けた上、

 Hに支払う報酬や
 H所有の不動産の処分から
 返済を受ける等、

 貸付金の積極的な回収努力を
 行わなかったことに
 起因する。


本件における株式の評価は、
会社の清算を
目的としてものではなく、

Hが
債務超過の状況にあるかどうかを
判断することが
目的である。


該当株式は
非上場株式であり、
売買事例も
類似する比準法人もないことから、

純資産価額方式により
評価すべきである。


また、
その際、
Hに対する債権に対する
債権償却特別勘定の設定や、

評価差額に対する
法人税等相当額の控除は
行うべきではない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

本件通達4項目のうち、
本件に対し
検討を要するものは、
①、③の
二つである。


いずれの場合も、
元本そのものが
不良債権化した場合を指し、

そのような状態を表す
一つの指標が
債務超過である。


なお、
この場合、
債務超過であるかどうかは

Hの返済能力を
実質的に
判断すべきである。


まず、
①について検討すると、
土地の下落を考慮しても
資産超過の状態となり、
債務超過の状況
にあるとはいえない。


また、
「その他相当の理由」があるか否かについて
検討しえみると、

Hは
納税者株式以外の
有価証券と
相当な不動産を所有しており、

本件貸付金の返済や利息の支払能力がないとは
認められない。


さらに
Hに資産や収入があるにも関わらず、

納税者は
Hに返済や支払の督促をしていない。


よって、本件通達①には該当しない。


次に、③について検討する。


①で検討したとおり
Hは債務超過の状況ではないから、

債務超過の状態が
相当期間継続しているとは
認められない。


また、
その他の事由により、
当該貸付金の元本と利息の回収が
危ぶまれているかというと、

Hには
資産も収入もあるため
そのような事実もない。


よって、③にも該当しない。
 

以上により、
本件利息は、

原則どおり
本件事業年度の益金の額に
算入すべきである。


納税者株式の評価については、

本件における納税者株式の評価は、
会社の清算を
目的としたものではない。


Hが債務超過の状況にあるかどうかを
実質的に判断するため、

同人が所有する資産の一つである
当該株式が
いくらかを
検討するために
行うものである。


当該株式は、
非上場株式であり、
売買事例も
類似する比準法人もないことから、

純資産価額方式により
評価すべきである。


また、
その際、
Hに対する債権に
債権償却特別勘定の設定や

評価差額に対する
法人税等相当額の控除は
行うべきではない

とした。

「福岡高等裁判所 平成13年11月15日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

法人税基本通達2-1-25は
例外的な取扱いを
示していて

こういった
例外的な取扱いを
適用する際は

証拠となる資料を
しっかりと
そろえておくことが
重要です。


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仕入先からの一方的なリベートは収益に計上すべきなのか!?【税務調査】

2019-07-08
土木建築業等を営む法人である
納税者は、

平成12年8月まで、

合資会社F社から
生コンを仕入れており、

当該仕入れにかかる
単価調整のための
割戻しとして

すべての仕入先を
対象とする
仕入割戻金(通常リベート)と

大口取引先等の
特定の仕入先を
対象とする
仕入割戻金(特別リベート)を受け取り、

雑収入に
経理処理していた。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

平成9年12月27日に、
F社が
特別リベートとして
持参した
現金6,000,000円
を受け取っている。


しかし、
この時点では
F社と
特別リベートについての
算定基準について
協議中の状態であり、

F社が
一方的に持参した現金を
受け取っただけである。


特別リベートの金額は
確定していないのだから、

確定するまでは
益金の額に
算入する必要はなく、

仮受金として
処理するのが
妥当である。


平成6年5月1日以降の
特別リベートの
算定基準について、

納税者は
F社に
リベートの増額を
要求し続けており、

これは、
特別リベートの金額について、

平成12年9月18日付の念書で

F社より
納税者の関与税理士に
調停を
申し入れてきたことからも、

平成9年2月1日から
平成10年1月31日までの
事業年度
(以下「本件事業年度」という)
において、

特別リベートの金額が
確定していなかったことは
明白である。


よって、
平成9年12月27日に
受け取った
6,000,000円
(以下「本件金員」という)
について、

本件事業年度において
仕入割戻金として

益金算入する
義務はない

と主張した。



【税務署】、

納税者は、

平成9年2月1日から
平成12年1月31日までの
税務調査対象期間中に

本件金員以外にも
通常リベートと
特別リベートを
合わせて
何回も受領しており、

そのほとんどを
現金又は振込によって受領し、

その都度
雑収入として
経理処理しており、

仕入割戻金の決済は
現金等によって
いたものと
認められる。


よって、
平成9年12月27日に
受け取った
6,000,000円
についても

納税者が
現金で受領し、

事務所内にある金庫に
保管していることが

平成12年9月12日に
確認されていることから、

仕入割戻しに係る取引が
成立しているもの
と認められる。


また、
納税者は、

本件金員を
本件事業年度において
雑収入に計上せず、

除外することにより
所得を
過少に算定して

法人税申告書を
提出していると
認められる。


このような行為は
国税通則法68条1項に規定する

事実の全部又は一部を
隠ぺいし、又は仮装し、
その隠ぺいし、又は仮装したところに
基づき

納税申告書を
提出したときに
該当するので、

加重算税の賦課決定処分は
適法である

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

納税者は、
本件金員は
F社との
特別リベートの単価について
話し合い中に、

一方的に
F社の社長が持参し
置き去ったものであり、

当該単価が
確定していないから

特別リベートではない旨を
主張している。


仕入割戻しとは、
ある一定期間に行った
多額の又は多量の仕入れに対して、

仕入先からの
返戻金(リベート)をいうものであり、

その計上期間については、
法人税基本通達2ー5-4で、

(ⅰ)その算定基準が
  購入価額又は購入数量によっており、
  かつ、
  その算定基準が
  契約等で明示されている場合には、
  購入した日の属する事業年度、

(ⅱ)それ以外の場合には、
  その仕入割戻しの通知を受けた日の
  属する事業年度

とする旨が定められている。


本件の場合、
納税者とF社との間で

特別リベートの
算定基準についての
契約等がなかったことは
明らかであるが、

平成9年12月27日に
F社が
Hに本件金員を手渡した際、

平成6年5月から
平成9年3月までの
期間の
特別リベートの
支払通知があったと

認めるのが
相当である。


よって、
本件金員は

仕入割戻金として
本件事業年度の益金の額に
算入しなければならない。


また、
このことが
国税通則法68条第1項に規定する
仮装、隠ぺいに
当たるかであるが、

納税者とF社の間には
特別リベートの金額についての
協議が整っておらず、

納税者が受領した金員が
自己に帰属するとの
認識はなく、

また金額が未確定なのだから
本件金員は
預り金にすぎないとして
帳簿上に計上しなかったのは

単なる誤解に基づく
計上漏れであり、

また金庫に
現金を保管していた点も

6,000,000円という
金額の大きさからも
盗難等の防止のためであり、

隠匿しようとしたものはないと
認められ、

仮装、隠ぺいには
当たらないといえるので、

重加算税の賦課決定処分のうち、
過少申告加算税相当額
を超える部分の
金額について
取り消す

とした。

「国税不服審判所 平成13年7月9日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

返戻金(リベート)の計上期間が
契約に明示されていない場合は、

その仕入割戻しの通知を
受けた日
となります。


その通知を受けた日とは

一方的に持参した現金を
受け取った場合でも

それが
返戻金(リベート)だと
わかっていた場合は

通知を受けたと
認識して

その事業年度で
収益計上しなければいけません。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
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社内の営業コンテストによる成績優秀者への旅行代金の諸掛は今期の費用となるか!?【税務調査】

2019-07-05
納税者である
X株式会社(以下、「X」という)は
自動車販売を業とする
3月決算法人である。


Xは、
平成9年1月6日から
同年3月31日までを
キャンペーン期間として、

全従業員を対象に、
新車増販のコンテストを
実施し、

その営業成績に基づく
ポイント達成上位の
従業員を

特別賞として
オーストラリア旅行に
招待することとした。


また、
本件コンテストの内容を
記載した
書面は

各営業所に
掲示するなどして

その内容を
従業員に
告知していた。


平成9年3月31日までに、
Xの従業員のうち
少なくとも50人が
必要なポイントに
達成したことが
判明した。


Xは、
同日までに、

旅行会社から
本件旅行の費用が

1人当たり
204,000円であるとの
見積りの掲示を
受けていたため、

同日、
その旅行会社から
1,020万円の
旅行ギフト券を
購入した。


この見積書には、
出発前に
運賃等の条件に
変更があった場合には、

旅行経費の変更があることの他、

記載のない事項については、
旅行会社の
旅行業約款に従う旨の
記載がある。


その旅行業約款にも、
場合により
旅行代金を変更することがあり、

旅行代金の増加又は減少は、
旅行者に
帰属すると
規定されている。


平成9年4月10日までに、
更に7名の従業員が
必要なポイントを
達成したことが判明し、

同日、
Xは、
旅行会社から7名分、
142万8,000円の
旅行ギフト券を
購入した。


入賞者の中から
1名辞退者が出たため、

最終的には
56名を
本件コンテスト等別賞入賞者として
本件旅行に
招待した。


本件旅行は、
平成9年5月28日〜2月2日までの期間と
6月4日〜9日までの期間の
2回に分けて
実施された。


Xは、
平成8年4月1日から
平成9年3月31日までの
事業年度
(以下「本件事業年度」という)
の法人税確定申告の際、

本件コンテストの費用のうち
1,020万円を
「新車コンテスト諸掛」
として

損金の額
に計上した。


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

期末時点で
特別賞入賞者の人数を
既に50名が
該当していると把握し、

同日までに
1人当たりの
本件旅行費用が
204,000円
と確定したため、

債務は
成立している。


入賞基準は、
平成8年12月25日までに
決定され、

全従業員に
公表されており、

該当者の選定は、
基準に従って
機械的に行われるものであって、

平成9年4月12日の社内稟議は、
正式な取締役会ではなく

単なる内部的確認手続き
にすぎない。


本件のセールスコミッションは、
増販コンテストにより
一定額以上の売上げが
計上された時にのみ
発生するものであり、

期間的、経常的に
生じる費用とは
その性格を
異にするものであるから、

「変動費」
に近い性格を
有するものである
といえる。


そうすると、
本件セールスコミッション費用は、
法人税法22条3項1号の
「その他これらに準ずる原価」
に該当するので、

費用収益対応の原則が
適用されるというべきであり、

Xの本件事業年度の
損金の額に
算入されるべきである

と主張した。



【税務署】、

本件旅行は、
従業員に対する
賞与の性質を有する。


賞与は、
使用者側が
各人別の支給額を決定し、

これを被使用者に
通知して

はじめて
被使用者側に
債権が生じ、

使用者に
債務が成立する。


本件旅行の招待者は、
平成9年4月12日の
Xの取締役会の稟議による
確定まで、

各従業員は
自らが
成績上位者に
該当するかは

知り得ない
状態であるため、

期末までに
債務が
成立したとはいえない。


仮に、
債務が成立しているとしても、

成績上位者として
確定した者を
旅行に同行してはじめて

給付がなされたと
見るべきである。


そうすると、
旅行実施日である
平成9年5月28日と同年6月4日まで、

具体的な原因事実は
発生していない。


Xと旅行会社間の契約では、
本件旅行が
終了するまで

旅行代金が
確定しないことは
当初から
明らかであった

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

平成9年3月31日の時点での
204,000円の金額は、

最終的な旅行招待者や
旅行日程等が
未確定の段階における

あくまで見積りの金額であって、

Xに交付された見積書上も、
約款上も、

その金額の変動が
あり得ることが
明記されていた。


そのため、
費用を
合理的に算定することができた
ということはできない。


Xの主張する
セールスコミッション費用が
歩合給に該当する
ようなものであるならば、

辞退の場合の
現金支給についての
定めがあってしかるべきであるのに
その定めはなく、

歩合給であるならば、
辞退者の意思に関係なく
役務提供の対価として

当然に支給されるべき
性質のものである
ともいえるのに、

旅行を辞退した
社員に対して
現金支給をしていない。


これらからすると、
本件で損金として計上された金員は、

確定した額の
セールスコミッション費用である
とは断じがたく、

販売促進策として
とられた報奨金であり、

その内容は
本件旅行が終了するまで
確定しないから、

債務が
確定していたとはいえない。


法人税法22条3項1号に基づく
基本通達2−2−1は、
 
収益に対応する原価については、

収益・費用対応の見地から、
その額が確定していない場合にも
その見積計上をすることができることを
明らかにする一方で、
 
原価に該当しない事後的費用は、
債務確定基準が適用されて、
 
見積計上が認められないことを
明確にするものである。

Xのような自動車販売業者においては、
あらかじめ個々の商品ごとに
支払基準によって
定められている
販売手数料のようなものが
それに当たる
というべきである。


そうすると、
本件で損金に計上された
旅行費用は、

売上高に応じて発生するものではなく、
全社的基準でもって
全販売台数の売上が
一定の基準を超えたときに
初めて発生する費用であり、
 
自動車の売上とは
個別的対応を有しないものであるから、
法人税法22条3項1号の
「売上原価」にも、
「その他これに準ずる原価」にも
該当しないというべきである。

 
同費用は、
販売費・一般管理費等に該当するもので、
 
期間対応の原則と
債務確定の原則が
適用される場面であるから、
Xの同主張は採用できない

とした。

「福岡高等裁判所 平成13年11月15日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

売上原価は
実際の金額が
確定していなくても

見積もりで
経費計上することができます。


今回の判決は
社内の営業コンテストによる
成績優秀者への
旅行代金の諸掛が

売上原価
もしくは売上原価に準ずる費用
に該当するか
どうかを

争った
内容でした。


旅行代金の諸掛を
売上原価とみなすのは
無理がありますよね。


全国で講演していた時の
個別質問で

「成績優秀者への
 ご褒美の旅行は
 経費になりますか?」

という質問を
よく受けていました。


答えは

「経費にできますが、
 社員への賞与になります」

と答えると

「え、福利厚生費か
 何かで落とせないのですか?」

と聞かれていましたが、

上記裁判の中でも
出てきているように

『社員への賞与』
が正しいの
ご注意ください。


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保険金収入は盗難損失と同一時期に必ず益金の額に算入すべきなのか!?【税務調査】

2019-07-04
納税者は
所有する車両に対して

以下の内容の
自動車総合保険契約を
締結していた。


・契約期間:平成13年8月30日まで

・車両保険金(協定保険価額):950万円


平成13年7月22日、
この車両が
盗難に遭ったため、

納税者は
同年8月29日に
保険会社に対して
車両保険金の支払を
請求した。


同年8月31日、
保険会社は969万円
(全損盗難950万円、その他19万円)
を支払う旨の通知をし、

同年9月4日、
納税者に
上記保険金を
全額支払った。


納税者は
7月決算で、

盗難損失は
平成13年7月期に
計上しており

保険金収入は
金額が確定した
平成14年7月期に
計上していた。


この保険金収入を
平成13年7月期に計上するのが
正しいのか。

それとも
平成14年7月期に計上するのが
正しいのか。

を争った裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

車両の盗難損失は、
車両が盗難にあった
平成13年7月22日の属する
平成13年7月期の事業年度において
損金の額に
算入するべきであり、

保険金収入は、
支払通知のあった
平成13年8月31日に
確定したといえるため、

同日の属する事業年度
(平成13年7月期の翌事業年度)
の益金の額に
算入すべきである。


法人税法22条は、
益金と損金の額に
算入する金額を、

別々に確定させることを
予定しており、

盗難損失から
保険金収入を
控除すると
規定した
別段の定めもない。


よって、
盗難損失と保険金収入は、
それぞれ独立して発生し、
確定時に
計上されるべきである。


これは、
昭和43年の最高裁判決で
採用されていた
同時両建説
(損失とそれを補てんする収入は、
 発生原因が共通で密接した関係にあるので
 同一時期に計上するという説)
が、

昭和60年の最高裁判決によって
異時両建説
(損失は発生時に、
 それを補てんする収入は
 確定時に
 それぞれ独立して計上するという説)
に変更されていることからも
妥当な考え方といえる。


また、
保険金収入が
確定するためには、

①保険金の請求に係る原因が適法か
②保険金請求手続が適切か
③保険金支払の有無と支払金額はいくらになるか

について、

保険会社が調査、検討する
必要がある。


よって、
保険金収入が
確定するのは、

支払通知のあった
平成13年8月31日となり、

保険金収入は
同日の属する事業年度の
益金の額に
算入すべきである

と主張した。



【税務署】、

車両の盗難損失と
保険金収入は、

ともに
平成13年7月期の
損金と益金の額に
計上すべきである。


昭和43年の最高裁判決は、
横領により
法人が被った損害と
その損害に係る
損害賠償請求権について、

損害を生じた事業年度に
損金と益金として
同時に計上すべきであるとして、

同時両建説をとっている。


同時両建説は、
損失とそれを補てんする収入は
発生の原因が
共通で密接な関係にあることから、

これらを
同一時期に
計上しようとする考え方であり、

この考え方は
盗難損失と保険金収入の場合にも
当てはまる。


また、
昭和60年の最高裁判決は、
昭和43年の判決の法理を
認めており、

昭和60年の判決を根拠に
異時両建説を
採用しようとする
納税者の考えは
受け入れられない。


本件では、
協定保険価額を950万円とする
車両価額協定保険特約が
締結されており、

車両が全損した場合に
保険会社が支払う保険金額は、
協定保険価額であると
定められている。


また、
本件の車両盗難は、
保険契約に定められている保険金が
支払われないケースには
該当しない。


したがって、
保険金が支払われない可能性は
極めて低く、

支払われる保険金額も
ほぼ確定しているのであるから、

支払通知を受けるまでもなく、
盗難発生と同時に
保険金収入は
確定していたといえる

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
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────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

盗難による損失は、
法人税法22条3項3号の損失に
該当する。


盗難にあった時点で
損失を認識することができるので、

その損害額は
盗難の事実があった日に属する
事業年度の
損金の額に
計上する。


一方、
保険金収入は、
同条2項に規定される収益に
該当する。


適正な期間損益計算の観点からは、
費用収益対応の原則に準じ、

盗難損失との間に
収支の関係性が認められる。


保険金請求権は、
車両の盗難が発生したと同時に
権利内容が確定し、
行使が可能になると
解され、

保険金支払額は
保険契約によって
定められている。


本件の場合、
保険金支払額は
協定保険価額である
950万円と決まっており、

保険契約の中にある保険金が
支払われない項目にも
該当しない。


このことから、
盗難時に保険金が
支払われることと、
支払われる保険金の額は
確定していたといえる。


損失と収益が
同じ原因によって
生ずる場合でも、

それぞれが
独立して確定することは
否定されない。


しかし、
本件における保険金収入は
盗難時に
確定していたと
いうべきであるから、

盗難損失を計上する
事業年度の損金の額に
算入するべきである。


また、
昭和60年の判決の原審は、
損失と収益が
同一原因によって
生ずるものであっても、

各々独立して確定すべきである旨を
判示したものであり、

同一時期に確定した
損失と収益を
同一事業年度に計上することを
否定するものではない。


以上のとおり、
本件車両の盗難損失と
それに係る保険金収入は、

ともに
車両盗難時に
確定していたのであるから、

盗難が発生した事業年度の
損金と益金に計上することが
相当であり、

納税者の主張は
採用できない

とした。

「大阪地方裁判所 平成16年4月20日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

法人の取引は
様々な収益や費用、損失が
発生します。


ですので、
益金や損金の算入する時期は
画一的には
決められていません。


ただ、財務諸表の原則として
費用収益対応の原則というものがあって

費用と収益が
共通で密接な関係にある場合は

原則
同じ事業年度で
計上しなければならないというものが
あります。


もちろん例外もありますので、

取引の性質を理解して
実態に合った
処理をする
必要があります。


また、
過去の裁決例や判例等を
参考にする場合には

前提や基礎事実を
十分に理解しなければ

今回のような
誤った判断をしてしまうので
ご注意ください。


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