2月, 2021年

役員退職の意義とは!?何をもって判断するのか【税務調査】

2021-02-25
税務上問題になる
役員退職金は、

その役員が
本当に退職したと
言えるのかどうかが
問題になります。


退職したと
言えなければ、

そもそも役員退職金を
支給することはできません。


このような場合には、
退職金として
支給したとしても、

賞与として
課税されることになります。


このため、
退職したかどうかが
問題になりますが、

短絡的な事実認定しか
できない国税は、

往々にして、
役員の肩書だけに
注目します。


本来、
退職したかどうかは
実質判断になるため、

勤務実態などを
検討しなければなりませんが、

その検討をすることなく、

退職した役員の肩書きが
「〜事務長」などといった
権限ある名称になっていれば、

未だに経営に
携わっているとして、

退職したとは
認められない、

などといった
指摘をしています。


このため、
実質的に退職していると
主張できるかが

税務調査の
ポイントになる訳ですが、

税務における
退職の意義については、

勤務先からの
離脱を意味すると
説明されています。


役員の再任を
考えていただくと
分かりやすいのですが、

役員の任期は
基本的には
2年とされているものの、

中小企業においては
2年で辞めることなく

再任されて
経営を続けるのが
一般的です。


任期を満了しているのであれば、

一般的な感覚としては
退職金を
支給しても
問題ないはずですが、

再任が
前提となっているのであれば、

勤務先である
自社から
離脱することはありませんので、

単なる任期満了だけでは
退職したとは言えず、

役員退職金を
支給することはできません。


結果として、
会社に
席を置かないことになって
初めて

その役員は
退職したと
言えることになります。


しかし、
再任された
結果は同じでも、

再任が
前提でなければ
退職したと
認められる場合も
あるということです。


過去の事例を見ますと、

1 M&Aによって株主に異動があった会社
2 その新株主の下、経営陣を一掃する目的で旧経営陣が退任
3 諸事情があって後任が決まらなかったため、「やむを得ず」退任日と同日に旧経営者が再任

このような事案がありました。


この旧経営者については、
退任する意向は
すでに新株主に説明しており、

本来であれば
退職していたはずであるとして、

再任はされたものの
役員退職金の支給が
認められています。


すなわち、
本来再任されれば
退職とは
認められないはずですが、

再任が前提ではなく、
「やむをえない」
後発的な事情があったため
再任したのであれば、

勤務先から
離脱をしているとは
言えないものの、

退職金の支給が
認められる
可能性があるのです。


こういう意味からも、
退職の判断には
実質判断が
必要であると言えますから、

単に、
退職した役員の肩書きや
再任したという
事実関係にとらわれることなく、

慎重に判断する
必要があります。


こういったことを
知らない
税務署職員や会計事務所では

多くの払う必要のない
追徴課税や
源泉所得税を
払っているのが
現実です。


ご相談、ご不安なことが
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印紙税については弁護士に聞くべき!?【税務調査】

2021-02-22
税理士もよく分かっていない
印紙税について、

近年は
多額の課税がされることもあってか、

税理士ではなく、
法律全般の専門家である
弁護士や行政書士が

印紙税のセミナーを
実施していることが
よくあります。


印紙税は
税でも

税理士業務の対象にならない
とされていることもあり、

印紙税は
税理士ではなく
弁護士に聞くべき
といった宣伝も見られます。


弁護士に
印紙税について尋ねる場合、

押さえておく
必要があるのは、

弁護士が得意とする
民法の用語と
印紙税の用語は

イコールではない
ということです。


具体例を申しますと、

印紙税が課税される
請負契約書の「請負」は、

民法にいう
「請負」とは

一致しない
とされています。


この違いを分かっている
弁護士であれば問題ないですが、

多くの弁護士は
この点理解していないと
考えられます。


というのも、

イコールではない、
というのは
印紙税法を
読んでも分からず、

国税庁のホームページに
こっそり書かれて
あるからです。


国税庁の
ホームページを読むと、

「民法上、例えば、委任契約に近いといわれる混合契約であっても、
 印紙税法上は請負契約となるものも生ずる」

と書かれてあり、
民法と印紙税は
イコールではないことが
分かります。


実際のところ、
印紙税の請負とは、

成果物の有無で判断する
と国税内部で
指導されています。


税法も知らない
国税職員は、

民法などについて
全く知りませんから、

民法の請負になるかどうかに
関係なく、

成果物の有無だけで
判断して課税しますので
注意してください。


ここでいう成果物とは、

仕事の成果として
納品すべきものサービスの
完了時点が明確であるもの

をいいます。


一般的に、
税理士の顧問契約は
請負契約になりませんが、

仮に決算書などを
作成することが
明記されていれば、

仕事の成果として
納品すべきもの(決算書)がある
ということになり、

印紙税の世界では
請負契約として
課税されることになります。


ここで問題になるのは、
成果物と一言で言っても
複雑ですので、

実際のところは
その判断において
かなり多くの経験が必要になる
ということです。


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運送業の社員の掛捨て定期保険料を負担した場合の経済的利益は?【現物給与】

2021-02-21

Q. 当社は、運送業を営んでいますが、業務の遂行上、交通事故の発生が危惧されることから、5年以上勤務した役員及び使用人を対象にこれらの者を被保険者及び保険金受取人とする掛捨ての定期保険契約を締結し、その保険料を負担することとしました。この保険料を負担することにより、これらの者が受ける経済的利益についてはどのように取り扱われるでしょうか。

A. その経済的利益はないものとして課税しなくて差し支えありません。

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退職金の一部としての生命保険契約(養老保険)に関する権利は?【現物給与】

2021-02-20

Q. 当社では、退職金の支給財源として使用人を被保険者、会社を契約者及び保険金受取人とする生命保険契約(養老保険)を締結し、使用人の定年時に保険金の受取人をその使用人に変更の上、退職金の一部に充当することを労働協約に取り入れるべく考慮中ですが、生命保険契約に関する権利はどのように評価したらよいのでしょうか。

A. 支給時(受取人の変更時)における解約払戻金相当額が評価額となります。

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無予告調査の手続きを知り、正しい対応をすることの重要性!?【税務調査】

2021-02-18
今回は無予告調査について書きます。


問題は大きく2つに分けられます。

〇被調査者の対応がマズい
〇税理士の対応がマズい


まず、
税理士・会計事務所が
顧問先に対して

無予告調査に関する情報や知識、
正しい対応方法を
指導していないので、

被調査者は
急に税務署が来ると、

そのまま
調査を受け入れる
ケースが多くあります。


【事前に】
伝えておくべき
「無予告調査の正しい対応」は
下記の3点に要約されます。

1 絶対にオフィス内に入れないこと
⇒オフィス内に入れるとそのまま税務調査が始まってしまいます。
(それを了知したと見做されます)

2 すぐに顧問税理士に連絡すること
⇒無予告調査の場合、調査官が顧問税理士に連絡(正確には事前通知)を
しなければなりません。

3 その場で税務調査の日程を調整すること
⇒ただ単純に無予告調査を断れば、受忍義務違反と言われてもおかしくない
状況になり、より大きなトラブルを招く可能性があります。


税理士・会計事務所が
無予告調査の法的手続きを
知らないがために、

調査官の手続き違反を
いつの間にか
スルーしていることが
ほとんどです。


例えば
「無予告調査であっても事前通知を受ける」
というポイント。


「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」
問21
https://www.nta.go.jp/information/other/data/h24/nozeikankyo/
ippan02.htm#a21

無予告調査は
トラブルになるケースが多いので
「無予告調査の正しい対応」を
心掛けるようにしてください。


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外注費なのか給与なのかの判断の仕方!?【税務調査】

2021-02-16
源泉徴収義務を考えるうえで、
実務上外せない論点として

「外注費か給与か」
があります。


外注費か給与かを
判定するうえで
非常に難しいのは、

違った立場・観点が
混在しているからです。


金銭の授受という
観点で考えれば、

支払った側:外注費か給与か(源泉・消費税)
受け取った側:事業所得か給与所得か

となりますし、

法律上の契約形態で考えると、

雇用契約:給与
請負契約:外注費
委任契約:明確になりづらい

と考えることもできます。


これらも
契約書のタイトルだけで
判断できるわけでもなく、

また契約書がない場合でも
実態で判定することになります。


また、
職業上の捉え方
というのも存在します。


よくあるのが、
医者・士業・保険外交員・プロスポーツ選手・一人親方などが
挙げられます。


判定基準として
実務上もっとも採用される
消費税の通達で考え見ましょう。


消費税法基本通達1−1−1
(個人事業者と給与所得者の区分)
事業者とは
自己の計算において
独立して事業を行う者をいうから、

個人が
雇用契約又は
これに準ずる契約に基づき
他の者に従属し、

かつ、
当該他の者の計算により
行われる事業に
役務を提供する場合は、

事業に該当しないので
あるから留意する。

したがって、
出来高払の給与を対価とする
役務の提供は
事業に該当せず、

また、
請負による報酬を
対価とする役務の提供は
事業に該当するが、

支払を受けた
役務の提供の対価が
出来高払の給与であるか
請負による報酬であるか
の区分については、

雇用契約
又はこれに準ずる契約に基づく
対価であるかどうかによる
のであるから留意する。

この場合において、
その区分が明らかでないときは、
例えば、
次の事項を
総合勘案して判定するものとする。

(1)その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。
(2)役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか。
(3)まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、
 当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか。
(4)役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか。

本通達の(1)〜(4)をあえて分解して解説すると、
【1】代替性の有無
・他の人・会社に替えることができる:報酬
・できない:給与

【2】指揮監督の有無
・指揮監督を受けない:報酬
・指揮監督を受ける:給与

【3】報酬請求権の有無
・完成品を引渡さないと請求できない:報酬
・請求できる:給与

【4】材料提供者
・材料の提供を受けていない:報酬
・受けている:給与

【5】作業用具提供者
・作業用具の提供を受けていない:報酬
・受けている:給与


これらは
あくまでも
1つ1つが
総合勘案としての
判定要素となりますが、

通達に明記されており、

また判決・裁決でも
判定基準として
採用されていますので、

まずこの判定要素から
外注費(報酬)か給与かを
考えることになります。


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自社を保険契約者とした社員の個人年金保険の課税方法は?【現物給与】

2021-02-14

Q. 当社は、自社を保険契約者とし、役員及び使用人の全員を被保険者とする次の個人年金保険に加入しました。
 15年保証期間付終身年金(定額型)
保険料 月額 180万円 (合計)
年金支払開始年齢 60歳
 この年金保険の受取人は、被保険者である役員及び使用人ですが、課税上どのように取り扱われるのでしょうか。
 
A. 負担する保険料は給与所得として課税することとなります。

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生命保険の団体特約契約で保険料を充当した場合の課税は?【現物給与】

2021-02-13

Q. 当社は、生命保険会社との間で従業員について生命保険の団体特約契約を結び、従業員の支払うべき保険料に充当していますが、これについても当社が生命保険料の一部を負担したものとして課税しなければならないのでしょうか。

A. 原則として、給与として課税することとなります。ただし、その負担した保険料の各人ごとの合計額が月額300円以下である場合は、課税する必要はありません。

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従業員「不正」が重加算税になるか、ならないかの基準!?【税務調査】

2021-02-12
従業員が
売上を抜いて
自分の利得にしていたり、

取引先から
リベートをもらっていたような

従業員の「不正」は
会社に重大な過失があり、

重加算税の対象となるのでしょうか?


代表者が、
本来法人に入れるべき収入・金銭を
自分の利得としていた場合、

法人の売上除外+重加算税になるのは
当然なのですが、

従業員不正は
むしろ法人(代表者)が
被害者であり、

かつ税務調査で
初めて知った場合に
重加算税になるのかが
論点です。


国税の内部資料で、
従業員不正で重加算税になるかどうかを
解説した資料がありますので、
一部を転載します。

「課税処分に当たっての留意点」平成25年4月
(大阪国税局 法人課税課)

「従業員であっても、
 会社の主要な業務を任され、
 長期にわたる不正や多額な不正など
 会社が通常の注意をすれば
 容易に発見できる不正行為を
 管理監督しなかったために、
 これを見過ごし、
 結果として
 これを起因とする過少申告が生じた場合には、
 会社の行為と同視することができる。」

「なお、
 管理監督責任の不履行については
 事実関係を立証することが
 困難である場合が多いので、
 不正行為者がどの範囲まで業務を任され、
 当該業務が
 どのようにチェックされていたか等について、
 特に次の(1)から(3)までについて
 関係者に対する
 「質問応答記録書」を作成するなどして
 証拠化しておく必要がある。

(1)重要な事務を担当していたこと
(2)当該従業員に業務を任せきりにしていたこと
(3)法人が何らかの管理・監督をしないまま放置していたこと」


つまり、
税務調査において
従業員不正が発覚した場合に
重加算税と指摘されたら、

上記(1)〜(3)に
該当しないことを
主張することになります。


(1)の反対:一般社員で権限がないこと
(2)の反対:業務の指示・命令をしていたこと
(それに反して従業員が不正を行ったこと)
(3)の反対:法人が管理・監督していたこと


特に、
(2)(3)に共通して重要な論点は、
【法人(代表者)が気付くことができたか】
が挙げられます。


「実際に気付かなかった」
ではなく、

あくまでも
「気付くことができたか」
「努力していたが気付くことができなかった」
が重要ということです。


税務調査で
よくある主張・反論として、

「従業員が勝手にやったことだ」
というのがあると思いますが、

それでは
主張論拠として弱く、

法人側として、
「従業員が不正をしないように努力していた」が
「従業員がそれを超えて不正した」
と主張することが
必要になってきます。


なお、
上記国税内資料でも
挙げられている
裁決事例は下記になります。

「請求人の従業員の行った不正経理行為は、請求人の行為と同一視されるとして、重加算税の賦課決定処分を認容した事例」
http://www.kfs.go.jp/service/JP/69/03/index.html


この公開裁決では重加算税の判断基準を

1 従業員は請求人の経理事務を担う重要な地位にいたこと
2 不正経理行為は請求人の課税申告に直接反映していること
3 不正経理行為は長期に及び、現金出納帳などの確認をすれば容易に把握できたと認められる
4 法人はそれらの確認を行っていないこと

の4つを総合勘案としています。


ぜひ併せて内容を確認してください。


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貸倒損失は形式的要件だけでは難しい!?【税務調査】

2021-02-09
ここ15年間で
100万社以上の中小企業が
減っているという
事実を知っていますか?


それに伴って
売掛金や貸付金の
回収ができなくなることが
あります。


回収できなくなったら
その分
経費になるのかというと
そう簡単にはできません。


税務において、
貸倒損失は
非常に厳しい要件があり、

回収が難しくなっても、
おいそれと経費として
認めてくれません。


このため、
実務上は
“書面による債務免除”
をした上で、

貸倒損失を計上することが
ほとんどです。


債務免除をするということは、

債権が
法律上存在しないことになったのと
同様ですから、

原則として
貸倒損失として
認められることになります。


この書面による
債務免除について、

押さえておくべきことが
二つあります。


一つは、
回収がまだ可能であるのに
債務免除をした場合、

それは
自分の利益を放棄して

売掛先や貸付先に
利益を与えたのと
同様であるとして、

“寄附金として課税される場合がある”
ことです。


寄附金課税されると
全額が経費になりませんので、

利害関係がない
他社である場合は
別にして、

グループ会社に対する
貸付金などを
債務免除する場合には、

“回収が現実的に不可能であること”
”債務免除しなければグループ会社の経営が行き詰って自社に不利益が生じること”

といった
合理的な理由が
あることについて、
十分な資料を残しておく
必要があります。


もう一つは、
債務免除は
書面により行わなければならない
という点です。


民法においては、
債務免除は
書面による必要はなく、

債務者に対して
口頭で行っても
問題ないとされています。


一方で、
貸倒損失として
法人税の経費にするためには、

口頭では足りず、
確実に書面によって
債務者に伝える
必要があります。


内容証明のような
仰々しい書面でなくても
問題ないとされていますが、

記録に残るよう、
書面による通知は
確実に必要である
とされていますので
注意してください。


実際のところ、
債権を放棄した
事実は認められるが

法律上の貸倒れに該当しないと、

債務免除の事実は
認められながら

法人税の経費にならないとされた
裁決事例もあります。


ところで、
これだけ見ると、
書面によって
通知することが
法人税における
貸倒れの要件と
思われるでしょうが、

法人税法に
債務者に対して
書面で通知しなければ
経費として認められない
といった規定は
存在しないのです。


この要件は、
国税の解釈である
通達に書かれているものなのです。


国税の考え方として、
債務免除の証拠になる
書面がなければ、

税務調査で
貸倒損失の判断が
難しくなるため、

国税は
通達の中で敢えて
書面で通知することを
要請したと考えられますが、

このような要請が、
法律上の要件であるかのように
取り扱われているのが
貸倒損失の怖いところです。


法人税は
実質に従って
判断することになっていますので、

このあたり甘く考える
傾向もありますが、

“形式要件に貸倒損失は厳しい”
と割り切って、
慎重に対応する
必要があります。


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