5月, 2019年

商業ビル管理団体の事業は法人税の対象になるのか!?【税務調査】

2019-05-31
本件は

商業ビル管理団体である
納税者が

収益事業から
生じた所得を
得ているとして

税務署から

法人税の決定処分と
無申告加算税の
賦課決定処分等を
された

ことに対して
争った

裁判である。


なお、
この商業ビルは
区分所有物であり、

納税者である
管理団体は
この区分所有者全員から
構成されている。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

納税者の活動は
そのすべてが
構成員である
区分所有者の意思に
基づくものであり、

構成員の個性を
超越して
行う活動に
該当しないため、

法人税法2条8号に規定する
人格のない社団等に
該当しない。


仮に
人格にない社団等に
該当するとした場合であっても、

建物の共有部分から
生じた利益は、

区役所有法19条や
管理規約から

各区分所有者が
収取するとされており、

納税者に
帰属するものではない。
 

そもそも、
原処分庁が
収益事業に該当するとした
事業すべてが、

管理規約1条の定める
「ビル全体の調和と繁栄をはかる」
という目的達成のために、

付随して
実施しているものであり、

収益を目的とした
行為でないことが

明らかであるから、

それらの行為自体を
独立した
収益事業というのは
相当でない。


建物の管理運営等に係る
管理業務会計に計上した
収入が、

仮に
収益授業に係る
収入であるとしても、

個別事業についての
直接に費用を
認めるべきであり、

また、
大規模修繕積立金会計の収入は、
区別所有者からの
積立金と

各事業年度に発生した
管理業務会計
と共有部分に係る
利用業務会計の余剰金から

振り替えた収入で
構成されており、

同支出は、
管理業務と利用業務で
発生する
保守と営繕の
追加として

計画に基づき
実施されているもので
あるので

収益あん分の対象になる

と主張した。


【税務署】は、

納税者は、
代表の方法、
総会の運営、
財産の管理
その他団体としての
主要な点が

確定してある
団体とはいえ、

人格のない社団等に
該当する。


そして、
建物の共有部分から生じる
利益は、
納税者に帰属する。


原処分において
収益事業として
認定した各事業は、

各々不動産賃貸業、
駐車場業、
請負業に該当し、

すべて収益事業となる。


管理業務会計と
利用業務会計の
費用については、

明確に
各収益事業に対する
費用として、

収益事業と
収益事業以外の
事業との
区分経理がされていないため、

収益事業に
直接要した
費用の額と
収益事業と
収益事業以外の事業に対して

共通に要した
費用の額のうち

収益事業に
対応すべきものについては、

それぞれ
その費用の性質に応じた
合理的な基準による
区分計算を
することとなる。


一方、
大規模修繕費は、

本件建物の
大規模修繕に係る費用であり、

収益事業に係る
費用ではない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

納税者は、
人格のない社団等の
成立要件である
5要件を満たしており、

法人税法2条8号に規定する
「人格のない社団等」
に該当する。


各収入について、
政令(法令5①)において
定められた
事業に係る収入に該当し、

その態様から
継続して
行なわれていると
認められている場合は

収益事業に
係わるものであると
解するのが
相当であり、

上記事業に該当せず、

実態として
納税者が
徴収する
管理費による収入と
同様の性質を
有するものと
解されるものは、

収益事業に係る
収入とは
認められない。


納税者の
法人税の課税対象となる
各事業年度の
所得の金額は、

その事業年度の
収益事業に係る
益金の額から、

その事業年度の
収益事業
に係る
損金の額を
控除した金額となる。


管理業務会計と
利用業務会計で
支出された費用については、

それぞれの費用を
分類し、

その分類に応じて、

合理的な基準により
各収入に
費用を配賦するのが
相当と認められる。
 

以上のように
計算した結果、

すべての事業年度において、

費用の額が
収入の額を
上回ることとなり、

これらの金額に
基づいて
所得金額を
計算すると、

本件各事業年度において
課税所得は発生せず、

納付すべき法人税額と
無申告加算税の額もないから、

本件処分は
すべて取り消すのが
相当である
 
とした。

「国税不服審判所平成21年11月11日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

商業ビル管理団体は
それぞれ
個人や会社の持ち主の
集合体だから

商業ビル管理団体自体には
税金は
かからない。


もっともらしい
論拠ですが、

結論から
申し上げると

人格のない社団等に該当して
法人税が
かかります。


商業ビル管理団体だけでなく
集合マンションなども
同じですから、

法人税の申告を
お忘れなく!


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
税務調査対策としても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

税務調査は受けなくても良い!?【税務調査】

2019-05-30
税務調査に関する
質問を頂きましたので

今日は、
その質問に
お答えしますね。


「こんにちは。中島さん。
 いつも楽しくメルマガを拝読させていただいています。

 〜省略〜

 税務調査は、質問検査権だけで
 警察のような命令・強制力はないとのことですが、
 
 ということは、
 税務調査を受けないと言うこともできるのでしょうか?

 できることなら、税務調査は受けたくないものですから(笑)

 税務調査を拒否した場合、なにか罰則があるのでしょうか?

 お手数ですが、よろしくお願いいたします。」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

税務調査を
範囲・権限を規定する法律は、
国税通則法に
規定されています。


税通則法第74条の2以降をみると、
「質問検査権」等が
規定されています。


では、
「受忍義務」
(税務調査を受けなければいけないという義務)は、

どこに
規定されているのでしょうか。


じつは、
「受忍義務」は
法律用語ではないので、

法律を
いくら探しても
見つけることはできません。


だったら、
税務調査は
受けなくても良いのか?


国税職員=質問検査権

⇔納税者=罰則規定

という関係から、

納税者には

税務調査の
受忍義務があると

「解されている」
のです。


具体的に法律をみてみましょう。

「国税通則法第127条」

次の各号の
いずれかに該当する者は、
一年以下の懲役又は五万円以下の
罰金に処する。

二 第七十四条の二、
第七十四条の三(第二項を除く。)、
第七十四条の四(第三項を除く。)、
第七十四条の五(第一号二、第二号二、第三号二及び第四号二を除く。)
もしくは第七十四条の六(当該職員の質問検査権)の規定による

当該職員の質問に対して答弁せず、
もしくは偽りの答弁をし、

またはこれらの規定による
検査、採取、移動の禁止
もしくは封かんの実施を
拒み、妨げ、
もしくは忌避した者

三 第七十四条の二から第七十四条の六までの
規定による
物件の提示または提出の要求に対し、

正当な理由がなく
これに応じず、

または偽りの記載
もしくは記録をした帳簿書類
その他の物件(その写しを含む。)を提示し、
もしくは提出した者


相変わらず
税法は
読みづらいですが(笑)


つまり、
税務調査を拒否したり、
嘘をつけば

この罰則に
抵触して
一年以下の懲役又は五万円以下の罰金
に課される
ということなのです。


これらを総じて、
一般的には
税務調査の「受忍義務」
と呼んでいます。


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

残念ながら
税務調査を
拒否することは
できません。


税務調査を拒否したり、
嘘をつけば
一年以下の懲役又は五万円以下の罰金
になってしまいますからね。


たまに
税務調査官がきても
答弁しなかったり

書類を見せない人が
いるようですが、

ずっとそんなことをしていると
この罰則に
抵触しますので、

気をつけて
くださいね。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
税務調査対策としても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

そもそも税務調査とはなんぞや!?【税務調査】

2019-05-29
今日は
いつもと少し趣向を変えて

そもそも税務調査とは
なんぞや!
といった

内容を
お伝えします。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

そもそも税務調査とは
何なのでしょうか?


税務調査とは、
国税職員に質問検査権を与え、
はじめて成立するものです。


では、
質問検査権とは
具体的に何でしょう。


「国税通則法第74条の2」

国税庁、国税局
もしくは税務署
または
税関の職員は、

所得税、法人税又は消費税
に関する調査について
必要があるときは、

当該者に質問し、

その者の事業に関する
帳簿書類その他の物
を検査し、

または当該物件
の提示
若しくは
提出を
求めることができる。


質問検査権とは、

帳簿書類などの
提示や提出を

求めることが
できる
権利です。



つまり、

税務調査とは、
 
納税者が
自主的に
申告した
課税標準
または
税額等が正しいか
確認すること


その他の物件とは、
 
課税標準
または
税額等の計算が
正しいか
確認するために
必要なもの
すべて


例えば、
「その他の物件」に
棚卸資産が
含まれるのか
考えてみると、

棚卸金額によって
課税標準や税額が
変わりますから、

棚卸資産も
税務調査の対象に
なると
考えるべきなのです。


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

税務調査を
考えると
「マルサの女」
(最近では、この映画の存在さえ知らない人が増えましたが)
のイメージで

・怖い
・個人的なことまで調べられる
・必ず追徴税を取られる
・言われたことには従わないといけない
・いきなり来る

といったイメージが
ある人が
いますが、


実際の税務調査では
特に
最近の調査官は

物腰も柔らかくなり

しっかりと
会計業務と税務が行われていれば

何の指摘すらなく

終わるということも
あります。
(これを「是認」と言います)


税務調査の目的は

帳簿書類などの
提示や提出を
求め

税額等の計算が
正しいか
確認する
ことなのです。


税務調査では
警察のような
命令・強制をする
公権力は
ないのです。


しかし、
裏ではノルマがあり、

確認するだけでは
終わらないという
実態もあります。
(この話に興味がある方は
 わたしの税務調査セミナーに
 お越し下さい)


常日頃から
しっかりと
会計業務と税務が行われていれば
何も怖いことは
ありません。


とはいっても、

しっかりと
会計業務と税務が行われているかが
分からない・・・

そのために
われわれ税理士が
いるのです。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
税務調査対策としても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

法人格をもっていない団体は人格のない社団等なのか、民法上の組合なのか!?【税務調査】

2019-05-28
納税義務者である株式会社T社が

その従業員持株会に対する
貸付金を
回収するため

同会が保有するT社の
発行済株式を
代物弁済により

取得した。


それに対して
税務署が

その代物弁済によって
消滅した
債権のうち

取得した株式に対応する
資本等の金額を
超える部分は

みなし配当に
該当し、

T社に対して
源泉徴収にかかる

所得税の納税告知処分と
不納付加算税の

処分をした

ことに対して
争った

裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

T社特殊会は、

その運営実態等に照らせば
人格のない社団であるから、

仮に、
本件代物弁財が
みなし配当に該当するとしても、

その受給者は
社団である
T社特殊会とされるべきである。


ところが、
本件課税処分は、
T社特殊会が
民法上の組合であり、

会員が
受給者であることを
前提としてされており、

受給者を
誤っていることから、

違法というべきである。


株式の発行会社と
株主との間に
本件特殊会のような事業体が
介在し、

その株主の株式売買が
専らその事業体との間で
行われており、

その事業体との
発行会社との間で
株式の清算取引(自己株式の取得)が
行われている場合には、

みなし配当課税に係る
現行の所得税法の規定(所法25①四)が
定めている
みなし配当課税の
除外事由と同様に、

除外して考えるべきである

と主張した。


【税務署】は、

T社特殊会については、
規約1条の規定や
決算配当を受けたときの
事務処理方法等に照らし、

運営実態から
当事者の意思を
合理的に解釈すれば、

T社特殊会が
民法上の組合として
組織され
運営されてきたことは
明らかである。


また、
T社特殊会は、
「資力を喪失して
 債務を弁済することが
 著しく困難である場合」
に該当せず、

また、
本件代物弁財も
「強制換価手続による資産の譲渡」等に
該当しないから、

T社の本件代物弁財については、
所得税法9条1項10号の
非課税所得規定は
適用されない


と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

特定の作業員特殊会が、

権利能力なき社団(人格にない社団等)であるか、
民法上の組合であるかは、

その作業員特殊会に
運営実態等から、

それを構成する
当事者の意思を
合理的に解釈して
決するのが相当である。


T社総会は、
これを権利能力なき社団として
組織することが
可能であったと
考えるのにもかかわらず、

その規約において、
あえて民法上の組合として
組織することを
明確に宣言しており、

昭和63年に
実施された
T社規約のこの条項は、

今日に至るまで
改正されていない。


また、
あえて実体と異なるものとして
同条項を定めなければならない
合理的な理由も、

これをうかがわせる
証拠もない。


T社特殊会規約会員、役員、機関、運営等として
定める内容や
実際の運営の特徴をみる限り、

T社特殊会は、
最高裁判所昭和39年10月15日
第一小法廷判決の示した

権利能力なき社団の
成立要件を
充足しているようにもみえる。


しかし、
上記判決は、
法人格のない団体が

権利能力なき社団として
認められているための
必要条件を示したものであって、

判示された要件を充足する場合には
必ず権利能力なき社団であると
解すべきである旨
判示したものではないから、

T社特殊会が
上記判決の示した
要件を充足するとしても

そのことから
直ちに
人格なき社団等に
当たるということにはならない。
 

T社特殊総会は、
T社から
支払を受けた
決算配当のうち
配分済株式に係る部分について、

T社特殊株式が
業務に関連して
他人のために
配当所得の支払を受ける者であることを
前提とした
計算処理を行い、

T社特殊会が
民法上の組合であることを
前提とした
パス・スルー課税の扱いを
受けていた。


こうした
T社特殊総会の
運営実態等に係る
事実から

当事者の意思を
合理的に解釈すれば、

T社特殊総会は、
税法上の扱いに即して、

民法上の組合という
組織形態を
積極的に選択した上、

これに沿った
運営が行われたことは
明らかである。


以上によれば、
T社特殊会の法的性格は

民法上の組合であると
認めることができる。



本件代物弁済の時点において、

民法上の組合である
T社特殊会の会員らは、

T社に対し
本件借入金負債を負っており、

代物弁済によって
借入金債務が
消滅したという
事実関係がある以上、

株式の対価のうち、
資本等の金額を
上回る部分を

みなし配当と
みるほかないというものである
 
とした。

「大阪高等裁判所平成24年2月16日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

みなし配当発生の前提として、

T社作業員特殊会が

人格のない社団等に該当するか、
または、
民法上の組合に該当するかが

問題になったものであり、


ある事業体が

法人税の納税義務者ともなる
人格のない社団等に

該当するかどうかを
判断する上で、

興味深い論点を
示す判例です。


最近、一般社団法人を
つかった
節税スキームが
出回っていますが、

しっかりと
考えた上で行わないと

後から
思わぬトラブルとなりますので

気をつけてください。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
税務調査対策としても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

不動産の譲渡収入時期は引渡日?契約の効力発生の日?代金の授受日!?【税務調査】

2019-05-27
納税者は、

不動産販売業を営む法人
(6月決算法人)であり、

賃貸借中の不動産について
譲渡したが、

譲渡収入金額を
「売買金額の小切手が実際に決済された日」

に益金計上した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

法人税における
収益と損金の
帰属年度の決定にあたっては、

実現主義の原則に従い、

取引の完了の
認識基準としての
「引渡し」によって
決すべきである。


そして、
引渡しの基準となる
「当該資産に対する支配関係の移転」とは、

取引と完了。


すなわち
所有権の移転の
指標となりうる
事実関係をいうのであって、

具体的には、

売買契約の内容、
権利証や
印鑑証明書等関係書類の交付、
建物の鍵の交付など物件の占有関係、
代金の授受、
移転登記等

の諸要素を
検討して
判断すべきである。


税務署の主張する日付
(昭和62年9月11日)の時点では、

本件売買契約の代金のうち
27%しか支払われておらず、

所有権移転登記や
その申請に必要な書類の準備、
本件建物の鍵の引渡しや
賃借人に対する
所有者の変更通知等

も全く
問題になっていなかった。


本件売買代金の残代金は、
納税者に対する
借入金につき

買主が
代位弁済することによって
行われる
約束になっている。


買主が
納税者に差し入れた
小切手が
決済された日付
(昭和63年7月1日)
が所有権移転の日付である

と主張した。


【税務署】は、

不動産販売による
売上げの計上時期については、

その販売によって
実現した時を基準とすべきであり、


その実現した時が
いつであるかを
判断するにあたっては、

不動産販売による
売上げという性質に照らし、

必ずしも
契約上の
所有権移転時期に
拘束されるものではなく、


目的物が引き渡され、
その現実の支配が
移転したときをもって

判断すべきである。


そして、
いつの現実の支配が
移転したかは、

登記関係書類の交付、
代金決済、
所有権移転登記
及び建物の鍵の引渡し等

の状況を勘案して

合理的に決すべきである。


一定の時点
(昭和62年9月11日)以降は、

本件建物に係る
賃貸料の収受
及び維持管理費である
固定資産税、
電気・ガス・水道の利用料金、
電気保安料、
エレベーター保守料等の
経費の負担は、

買主が行っており、
本件建物の賃貸人たる地位
ないし所有者たる地位が

納税者から
買主に移転したといえる。


本件売買契約の場合、

買主に対し

権利証などの
関係需要書類の交付や
所有権移転登記等、
通常引渡しの徴憑となる
行為が行われていないが、

関係重要書類の交付や
所有権移転登記がされていないのは、

「売主・買主の都合」
によるものである本件の場合、

建物の明渡し等が
行われていないことをもって、

本件不動産の引渡しを
否定する理由と
することはできない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

不動産販売による
売上げの
計上時期については、

実現主義により
その販売による
収益が
実現した時を
基準とすべきであり、


具体的には、
当該売上げは、
当該不動産の
引渡しがあった日の
属する事業年度の
益金の額に
算入すべきである。


そして、
不動産の取引の場合、
代金の支払と同時に
不動産の引渡し、
所有権移転登記が行われ、

取引が一時に完了し、

したがって、
引渡しの時点が
客観的に明白な場合がある一方、

諸般の事情から
各契約当事者の給付が
段階的に
複数回に分けて行われ、

外見上は
引渡しが
いつ行われ
収益がいつ実現したか
必ずしも明らかでない
場合も生ずるが、


後者のような場合には、
契約上買主に
所有権が
いつ移転するものとされているか
ということだけではなく、

代金の支払に関する約定の内容
及び実際の支払状況、
登記関係書類
や建物の鍵の引渡しの状況、
危険負担の移転時期、
当該不動産から生ずる果実の収受権
や当該不動産に係る
経費の負担の売主から買主への移転時期、
所有権の移転登記の時期等

の取引に関する諸事情を考慮し、

当該不動産の
現実の支配が
いつ移転したか判断し、

その現実の支配が
移転した時期をもって

当該不動産の
引渡しがあったものと
判断するのが
相当である。


本件物件から
生じる
賃貸料については、

納税者から買主に支払われ、

諸経費については
買主が負担していることから、

売買代金の
約27%に相当する金額しか
売り主から
買主へ支払われていないとしても、

買主が
「本件不動産の代金額から
抵当権の被担保債権額を
差し引いた金額を
支払ったことにより」

本件不動産の
現実の支払権を
買主に移転する
合意があったものと

認めるのが
相当である
 
とした。

「東京地方裁判所平成9年10月27日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

実務において
固定資産の譲渡による
収益の額は

別に定める場合を除いて

その引渡しがあった日の
属する
事業年度の益金の額に
算入される
こととされています。


その固定資産が
土地、建物その他これらに類する資産である場合、

法人が当該固定資産の譲渡に
関する
契約の効力発生の日の
属する事業年度の
益金の額に
算入しているときは

これが
認められます。


引渡しの日については
1、代金の相当部分(おおむね50%以上)を
収受するに至った日
2、所有権移転登記の申請の日


原則として
土地・建物等の譲渡収入の
計上時期は

不動産登記上の
所有権が
移転された時期
になります。


ただし、
所有権の移転登記が
なされた場合であっても

代金の相当部分が
授受されている場合

譲渡収益を
計上することとなる点について

注意が
必要です。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
税務調査対策としても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

法人が低額で譲渡した場合の譲渡収入はいくらで算定するべきなのか!?

2019-05-24
納税者は

代表取締役の長男と
代表取締役の妻に対して

土地と建物を譲渡したが、


税務署から

譲渡価格が
時価想定額より
低いとして

譲渡価格と
時価相当額の
差額分について

益金計上漏れの
指摘を受けた。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

法人税法22条2項にいう
「収益」とは

生産活動に基づく
価値の形成

または、増殖を意味し

その額は、
生産的給付の提供により

企業が受け取る
対価によって

測定されるものである。


無償による
資産譲渡の場合には、

「企業が受け取る対価」がないので

「収益」は存在しない。


また同項には

「無償による資産の譲渡」
という文言があっても

「低額による資産の譲渡」
という文言はなく、


関係法令の他の箇所にも

時価に比較して
低額で譲渡された場合にも

時価による
収益の発生を認定し

時価と
企業が得た対価との
差額部分にも

益金の額に
算入すべしとする
規定はない。


仮に、
法人税法22条2項にいう
「無償譲渡に係る収益の額」を

当該譲渡資産の時価によって
認識すべきであるとしても、

「低額譲渡」による
「収益の額」を

時価によって
認識すべきであるとの
解釈は成立しない。


その理由は、
同条は
低額譲渡の場合について
規定しておらず、

同法中にも
そのような規定はないので、

「時価」との差額が
どれだけあれば
低額譲渡となるかの
限界が
不明であるから、

このような解釈を
することは
租税法律主義に
反する結果となる

と主張した。



【税務署】は、

法人税法22条には

法人の各事業年度における
取得金額の
計算方法が
規定されているが、

同条2項において、
右計算上益金の額に
算入すべき金額の一つとして

「有償又は無償による資産の譲渡」
に係る収益の額が
掲げられている。


これによれば、
少なくとも法人税法上は、

法人が
その所有に係る資産を
譲渡したことにより

取得したものとして
計上すべき収益の額は、


当該売買当事者間における
契約上の売渡価額の如何にかかわらず、

基本的に
当該資産の
適正な時価を
下らない額であることを
要すると

解すべきである。


すなわち、
法人税法の上記規定によれば、

同法上、
法人が
その所有に係る資産を
譲渡した場合には、

それが有償によると
無償によるとを
問わず、

これによる収益を
益金に算入すべきものと
されているのである。


そうであるとすれば、
その益金算入額を
一律公平に定めるべき基準は、

本来、
当該資産の
時価相当額をおいて
ほかにない。


したがって、
本件のように、

資産の譲渡が
その適正な時価を
下回る価額で
行われている

いわゆる
低額譲渡の場合においても、

これによる益金の額は、
当該資産の
適正な時価をもって
計上すべきである

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

法人税法22条2項は、

課税の対象となる収益の額は、

譲渡が
適正な対価によってされた場合や
無償でされた場合だけではなく

低廉な対価によってされた場合にも、

当該資産が
譲渡された当時における
時価相当額をもって

算定すべきものと

解するのが
相当である。


法人が
資産を時価相当額より
低廉な対価により
譲渡した場合には、

あたかも当該資産を
時価相当額で
譲渡すると
同時に

その譲渡対価との差額を
譲受人に贈与したのと
同一の
経済効果を有するのであるから、


法人が
資産を時価相当額で

譲渡した場合との
税負担の公平という
見地からしても、

収益の額は
当該資産の
時価相当額によるのが
相当である。


納税者は、

「時価」と
譲渡価額との
差額が

どれだけあれば
低額譲渡となるかの
限界が
不明であるから、

その解釈は
租税法律主義に反すると
主張するけれども、


前記のように
課税の対象となる
収益の額の相当額をもって
算定すべきものと解すれば、

原告主張のような
限界を考える
必要はないのであるから、

納税者主張は
失当である。


なお、納税者は、

時価の困難であることをも
その解釈を採るべきでない理由で
あるかのように主張するが、

課税標準を定めるにあたって
時価相当額を基準とすることは、

時価相当額の算定が
困難だからといって、

これを基準にすることが
許されないと
解すべき理由は無い

とした。

「名古屋地方裁判所平成4年4月6日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

この判例により
法人から役員への土地・建物が
時価より低額で
譲渡された場合、

譲渡収入の金額は
「時価」で
計上されるべきと
されました。


では、一概に
「時価」と言っても

何を基準に
「時価」と
言えるかが
問題となります。


実務においては
土地は
「路線価による評価額」
「不動産鑑定士による鑑定評価額」

建物は
「固定資産税課税標準額」
が参考となります。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
税務調査対策としても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

期限内に提出した後の再更正処分は延滞税が発生するのか!?

2019-05-23
以下のような場合、
延滞税は発生してくるのでしょうか?


納税者が

相続税を
法定納期限内に
申告及び納付をした後、

その申告に係る
相続税額が
過大であるとして

更正の請求をした。


その後、

所轄税務署長において、
相続財産の評価の誤りを理由に
減額の更正処分をした。


再び、

相続財産の評価の誤りを理由に
当初の申告額に満たない
増額の更正処分をしたとき
(以下「本件事例」という。)は、

相続税の法定納期限の翌日から

増額の再更正により
納付すべき本税の
納期限までの期間について


税務署から
延滞税課せられた。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

平成26年12月12日(金)に
申し渡された
最高裁判所の判決において

相続税の法定納期限の翌日から

増額の再更正により
納付すべき本税の
納期限までの期間については、

延滞税は発生しないとの
判断を下した。


延滞税が発生しない理由として、

本件事例の場合、

国税通則法第 60 条第1項第2号において

延滞税の発生が
予定されている延滞と

評価すべき納付の不履行による
未納付の国税に
当たるものではないから、

増額の更正処分により
納付すべき本税の額について、

相続税の法定納期限の翌日から
増額の更正処分の
納期限までの期間に係る

延滞税は発生しないものと
解するのが相当である

とした。

「最高裁判所平成26年12月12日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

上記の最高裁判所の判決に基づき、


本件事例と同様に、

当初の申告及び納付が
法定納期限内に行われ、

財産の評価誤り等を理由に
減額の更正処分をした後、


同様の事由について
課税庁の判断を変更し、

当初の申告額に満たない
増額の再更正処分

又は税務調査に基づく
修正申告
(以下「増額の再更正処分等」といいます。)
をした事案が
確認された場合には、

過去になされた
増額の再更正処分等により
納付された
本税に対する延滞税を再計算し、

納め過ぎとなっている
延滞税について
還付手続を
行うこととなります。


つまり、
今まで上記と同じ案件で
延滞税を課されたいた人たちが
たくさんいた
ということです。


何度も言っていますが、
税務署の判断が
必ず正しいということは
ありません。


正しい判断は
自分たちで
行わなければ

払う必要のない
税金を
払っていることが
あるのです。


なお、税務署と国税局において、

本件事例と同様の事案の確認、
延滞税の再計算及び還付手続を行うとともに、

延滞税を還付する納税者の方には
通知書等を
送付することとなりますので、

納税者の方に
請求等の手続を行っていただく
必要はありません。


この還付は

還付請求権の消滅時効が
完成する前の

過去5年間(平成21年12月12日以後)に
納付された
延滞税が

還付手続の対象となります。


今後、
本件事例と同様の事案が生じた場合、

増額の再更正処分等により
納付すべき本税については、

上記の最高裁判所の判決に基づき

延滞税を
計算することとなります。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
税務調査対策としても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

加算税にならない更正があるべきことを予知しない要件とは!?

2019-05-22
今回の裁判は

半導体基板の製造及び設計開発等を
主たる事業とする
納税者が、

機械及び装置の増加償却
(法定耐用年数を基準とした償却限度額を上回る減価償却を行うこと)の
特例の適用要件である
増加償却の「届出書」の
提出を行っていないにもかかわらず、

増加償却の特例を適用して
法人税額を算出して

平成20年8月期の
法人税の確定申告書を提出した。


その後、
法人税法上
増加償却を行うことができないので

減価償却費の償却限度超過額が
生じていたとして
修正申告書を提出した。


ところが、
税務署長が

納税者に対して
法人税の過少申告加算税の
賦課決定処分をした。


そこで、
納税者が、
上記修正申告書の提出は

「その申告に係る国税についての
 調査があったことにより
 当該国税について更正があるべきことを
 予知してされたものでないとき」
に該当し、

過少申告加算税を
賦課することはできないと
主張して、

上記賦課決定処分の取消しを求めて

争った

裁判です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

「過少申告加算税の制度は、

 過少申告により
 納税義務に違反した者に
 加算税を課することによって、

 当初から適正に申告し納税した
 納税者との間の
 客観的不公平の
 実質的な是正を図るとともに、

 過少申告による
 納税義務違反の発生を防止し、
 適正な申告納税の実現を図り、

 納税の効果を挙げることを
 目的とするものであるから、

 当初の申告において
 過少申告がなされれば、
 その後修正申告書の提出があった場合でも、

 原則として、
 過少申告加算税は賦課される」


その一方で、
国税通則法65条5項が、

「過少申告がされた場合であっても、

 その修正申告書の提出があり、
 その提出が、

『その申告に係る国税についての
 調査があったことにより
 当該国税について
 更正があるべきことを
 予知してされたものでないとき』は、

 過少申告加算税を
 賦課しない旨を
 定めている」

のは、


「課税庁において

 課税標準を調査する等の
 事務負担等を軽減することが
 できることも勘案して、

 自発的に
 修正申告を決意し
 修正申告書を提出した者に対しては

 例外的に
 加算税を賦課しないこととし、

 納税者の自発的な修正申告を歓迎し、
 これを奨励することを
 目的とするもの」

と判示した。


 そして、
「国税通則法65条5項が、

『調査があったことにより』

 更正があるべきことを
 予知したか否かによって、
 過少申告加算税を
 賦課するか否かを
 決することとしていることからすれば、

 当該調査が
 納税者の修正申告の
 自発性の否定につながる
 内容のものであること、

 すなわち
 当初申告が不適正であることの
 発見につながる
 調査があったことが
 要件となっているものと
 解すべきであり、

 また、
 『更正があるべきことを予知し』たとは、

 単に更正がされる
 主観的なあるいは
 一般的抽象的な可能性が
 あるにとどまらず、

 更正がされることについて
 客観的に相当程度の確実性が
 ある段階に達した後に、

 更正に至るべきことを
 認識したことをいうと
 するのが相当」

とした上で、


国税通則法65条1項及び5項の趣旨や文言に照らすと、

「その申告に係る
 国税についての
 調査があったことにより
 当該国税について
 更正があるべきことを
 予知してされたものでないとき」とは、

「税務職員が
 申告に係る国税についての調査に着手し、
 その申告が
 不適正であることを発見するに
 足るかあるいは
 その端緒となる資料を発見し、

 これにより
 その後の調査が進行し

 先の申告が
 不適正で申告漏れの存することが
 発覚し
 更正に至るであろうということが

 客観的に相当程度の確実性をもって
 認められる段階
 (いわゆる「客観的確実時期」)
 に達した後に、

 納税者が
 やがて更正に至るべきことを
 認識した上で

 修正申告を決意し
 修正申告書を提出したものでないことを
 いうものと
 解するのが相当である」

と判示した。


結論として判決は、

納税者は、

「本件調査担当者において

 本件確定申告書における申告が
 不適正であることを
 発見するに足るか
 あるいはその端緒となる資料を発見し、

 これにより
 その後の調査が進行し
 先の申告が
 不適正で申告漏れの存することが
 発覚し
 更正に至るであろうということが

 客観的に
 相当程度の確実性をもって
 認められる段階に達する前に、

 自発的に
 修正申告を決意し
 本件修正申告書を
 提出したものであると
 認められるから、

 本件修正申告書の提出は、
『その申告に係る国税についての
 調査があったことにより
 当該国税について
 更正があるべきことを
 予知してされたものでない』
 というべきである」

として、
納税者の請求を

認容した。

「東京地裁平成24年9月25日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

今回の争点は

本件修正申告書の提出が、

過少申告加算税の
適用除外要件とされる

「その提出が、
 その申告に係る
 国税についての
 調査があったことにより

 当該国税について
 更正があるべきことを
 予知してされたものでないとき」

に該当するか否かでした。


そもそも過少申告をしたら
加算税が課されると
解釈して
いる人が
大勢いますが、

自発的に
修正申告を決意し
修正申告書を提出した者に対しては

例外的に
加算税を賦課しないこととすると
あります。


このことは
税務署職員や会計事務所でも
知らない人が
多いので

知らずに
支払っている人も
大勢います。


払う必要のない
加算税は
払わないように
してくださいね。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
税務調査対策としても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

債務が確定していなくても売上原価として損金経理できるのか!?

2019-05-21
今回の裁判は

納税者が
不動産の売買、建築工事請負等の
9月決算の株式会社。


昭和58年6月に
納税者は宅地開発の許可申請時に

牛久市から

開発区域外にある
雨水排水路の改修工事を
行うよう行政指導を
受けたため

これを了承し
茨城県知事より
開発許可を
受けた。


その後
納税者は
本件土地を造成し
昭和62年6月に
販売した。


そして、
その収益を
本件事業年度の
益金として算入した。


同年7月
牛久市の方針変更により

雨水排水路工事の内容が
大幅に変更となった。


同年9月に
納税者は
本件改修工事を
請け負わせようと考えていた
工事予定業者に
工費を見積もらせ

見積額
1億4,668万円
を牛久市に
連絡した。


同年10月
牛久市は
さらに方針を変更し

本件改修工事すべて
公共工事として
行うこととし

納税者に対し
1億4,668万円を
都市下水路整備負担金として

牛久市に支払うよう
求め
納税者は
これを了承した。


納税者は
申告にあたって

造成宅地を
販売した収益に対応する
売上原価として

1億4,668万円を
損金の額に算入した。


その後、
牛久市は
住民の反対運動を
懸念して

工事を行わず
納税者も
本件負担金を
支出していない。


この工事負担金を
売上原価として
損金の額に
算入できるかどうかを

争った

裁判です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

本件負担金は
本件宅地販売の収益にかかる
売上原価であり、

収益を
本事業年度の益金として
算入する以上、

本件負担金も
本件事業年度の
損金として
算入できる

と主張した。


【税務署】は、

本件負担金は
本事業年度において
牛久市に対して
法的義務を負ったものとは
言えないので

本件事業年度の
損金の額に
算入することは
できない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

当期終了の日である
同年9月末日において

納税者が
近い将来に
上記金額を
支出することが

相当程度の
確実性をもって
見込まれており

かつ、

同日の現況により
その金額を
適正に見積もることが
可能であったと
みることができる。


このような事情がある場合には
当該事業年度終了の日までに

当該費用にかかる
債務が確定していない時であっても

当該事業年度の収益にかかる
売上原価の額として

当該事業年度の損金の額に
算入することが
できると
解するのが
相当である

とした。

「平成16年10月29日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

本判決は
最高裁での判断であって

それまでの
地裁、高裁では

売上原価として
認めないとして
納税者が負けていました。


最高裁で
売上原価について

債務が確定しなくても
認めるという
判断を示した点で

大きな意義のある
判決です。


その場合、
その確定していない費用が
売上原価になるべき
費用かどうかは

その売上原価にかかる
資産の販売もしくは譲渡
または役務の提供にかかる
契約の内容

その他の性質等を
勘案して
合理的に
判断することになります。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
税務調査対策としても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

過大役員報酬「不相当に高額」って何だよ!?

2019-05-20
役員に支払った報酬の一部が
「不相当に高額」として

人気焼酎「残波(ざんぱ)」で知られる
沖縄の酒造メーカーが

沖縄国税事務所から
申告漏れを指摘された。


メーカーは
この処分を不服として

東京地裁に
提訴したが、

役員の退職金と違い、
報酬に関して裁判に
発展するケースは稀なため

多くの関心を
寄せている。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

申告漏れを指摘されたのは
昭和23年創業の
比嘉酒造で

平成22年までの
4年間に

経営者一族に支払った
役員報酬19億4千万円のうち

6億円が
「不相当に高額」
として
当局に否認された。


沖縄国税事務所は
沖縄県と熊本国税局管内で
売上高が
同社に近い酒造メーカー
30社の
役員報酬を比較した。


すると、
比嘉酒造の支払った
報酬額は
平均の10倍近くに
なった。


「不相当に高額」な
役員報酬とは
いかなるものなのか?


国税不服審判所での
裁決例を
いくつか
見て判断してみましょう。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう裁決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【月に数日勤務の社長夫人】

社長は役員である妻に対して

「常に重要な職務に従事し
 会社にとって
 多大な貢献をしていることから
 常勤役員である」

として、

相当な役員報酬を支払っていたが、

当局は
これを
「不相当に高額」
と否認。


審判所は
妻の勤務状況につき、

業務内容もさることながら、

1ヶ月に2〜3日しか
仕事をしていないことを
重視し、

類似法人の平均役員報酬を
超える金額というのは

ほかの社員の給与に比べても

「不相当に高額」
として
当局の主張を認めた。

「平成20年11月裁決」


【業務執行権のない社長の妻ら】

代表者の妻ら
3人の取締役の
役員報酬は
高すぎると
当局が否認。


審判所が調べたところ
3人には
業務執行権がなく、

具体的な職務内容すら
不明確であったことから

「役員として深く経営にかかわっているとは認められず、
 常勤取締役とはいえない」

として、請求者の主張は
退けられた。

「平成9年9月裁決」


【よき理解者である社長の母】

代表者の母に対する報酬が
「不相当に高額」
と当局が指摘。


これについて社長は

「自分の良き相談相手として
 経営に参画している」

として
報酬額は
役員として
適正であると
反論した。


だが審判所は
「良き相談相手」
というのは

客観性・具体性に
欠け、

さらにそれを裏付ける
根拠もないと
切り捨てた。


そして
当局が
類似法人から算出した
報酬額を
妥当と認め、

「良き相談者」
とする
母への報酬は

「不相当に高額」
であるとした。

「平成17年12月裁決」


【入退院を繰り返す会長への報酬】

病気のため
通常の出社ができなかった
会長への
役員報酬が

類似法人の「非常勤取締役」
に比べて

高額であると
当局が指摘。


適正報酬額を超える部分は
「不相当に高額な部分の金額」
として
損金算入はできないとした。


だが審判所は
会長は
入退院を繰り返しているものの

「相当程度の頻度で
 職務に従事していた」

として
類似法人の
「常勤の取締役」
と比較するべきで

そうすると
「不相当に高額」
とはいえないとして

当客の主張を
退けた。


「平成14年6月裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

以上が数例に過ぎないが、

役員が
常勤か非常勤かを

問う例が目立つ。


そのうえで
類似法人との
比較が
決め手になっています。


会社で取れる対策としては

定款や株主総会の決議で
役員報酬の上限や算出方法を
しっかりと
定めた上で、

一応
他社をリサーチして

社内の報酬金額算定の基礎を
残しておくべきです。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

セカンドオピニオンとしても
ご提案を致しております。
中島祥貴税理士事務所お問合せバナー

港区六本木の中島祥貴税理士事務所
〒106-0032 東京都港区六本木4-1-1 第二黒崎ビル6階
0120-535-114(平日9:00~18:00)

採用情報

当事務所では、一緒に働く
仲間を募集しております。

所長プロフィール

banner

所長:中島祥貴
(なかしまよしたか)

 若さと行動力を武器に、皆様の「ビジネス パートナー」になれるよう努めてまいります。


ご相談窓口
 所得税・法人税・消費税・相続税等に関わる税務全般~決算対策、経営計画の策定、業績管理等の会社経営関連の質問等、お客様の疑問を解決へと導きます。お気軽にお問い合せ下さい。
お問い合わせ先

〒106-0032
東京都港区六本木4-1-1
第二黒崎ビル6階
TEL : 03-3586-1701
FAX : 03-3586-1702
E-mail : info@zeirisi.info


大きな地図で見る

TOPICS一覧
参加団体

チームマイナス6%

中島祥貴ブログ黒字経営成功講座

セミナー情報

Copyright(c) 中島祥貴税理士事務所 All Rights Reserved.