6月, 2019年

役員賞与は認めるな!?【税務調査】

2019-06-14
本日は
いつもと趣向を変えて

最近、税務調査に立ち会って
感じる
税務調査官の
対応について

中島個人の見解を
お話したいと思います。


通常
多くの経営者は
税務調査に
立ち会う機会なんて

そう何度もないですよね。


でも、
税理士は
1年のうちに

何度も
立ち会うことが
あります。


そんな
税理士としての立場から
お伝えしますね。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────


『なにかと役員賞与を取りたがる』


いきなり
結論です。


ここ最近
立ち会った税務調査において

「これは社長の賞与になりますね」
「これは社長の認定賞与ということで終わりにしませんか」

とよく言われます。


本来
賞与とは

何らかの経済的利益を
受けたときに
初めて

成立します。


にもかかわらず、

「これは
 社長の責任ということで
 役員賞与になります。」

「これは
 経費として認められないので
 役員賞与になります。」

と言ってきます。


ミスがあったら
社長の責任

従業員が
トラブルを起こしたら
社長の責任

経費として
認められなければ
社長のせい


「その分は
 社長の役員賞与になります。

 これを認めたら
 税務調査は終わりにします。」


これで
税務調査を
終わりにするという
手もあります。


しかし、
得てもいない
役員賞与を

認めるべきでは
ありません。


何かあったら
社長の責任で

役員賞与になるんだったら

経営者になんか
なる人は
いなくなります。


絶対に
認めるべきではありません。


その理由は3つあります。


1、役員賞与は
 税金を計算するときに
 経費になりません。

 ですので、
 他の経費と違い
 法人税の追徴が
 発生します。


2、役員賞与にすると
 所得税、住民税が
 追徴になります。


3、役員のミスによる
 役員賞与を認めると
 重加算税の
 対象になることがあります。


役員賞与は
絶対に認めるべきでは
ないのです。


しかし、
多くの税務調査で

役員賞与を
認めて
終わっている
ケースが
多いのが

現実のようです。


その理由は

税務調査を早く終わらせたい

どっちにしても経費になるんでしょ

などと
安易に
考えている

経営者や税理士が
多いのが
実情です。


得てもいない
経済的利益に対しては

絶対に
認めるべきではありません。


なぜなら
税務調査は

調査報告書というものが
書類として

税務署に
残されます。


そこで
こういった事象を
役員賞与として
認めさせた

という報告が
残っていると

次回の税務調査でも
同じように
役員賞与を
認めさせられ、

また、追徴税や罰金を
払わされます。


では、どう交渉したら
役員賞与を
否認できるのか


来週のメルマガで
お伝えしますね。


楽しみに
待っていてください。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
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存在しない建物に関する売買契約の仲介手数料を益金の額とすべきか!?【税務調査】

2019-06-13
納税者は

不動産仲介業を営む同族会社であり、

昭和64年1月1日から
平成元年12月31日までの
事業年度の確定申告に対し、

争った

裁判である。


税務署が更正した経緯は、
次のとおりである。

①納税者は、

平成元年1月10日に
A社株式会社との間で、

A社が所有する
土地及びその土地の上に

平成2年3月30日に
竣工を予定している
建物に関する
売買の専任媒介契約を

締結した。


②A社と
○○国に本店を有する株式会社B社は、

平成元年7月31日に
本件建物の建築請負契約と
本件土地の売買予約
又は停止条件付売買と
解すべき契約を

納税者の媒介により締結し、

同日、
「不動産売買契約書」と
題する契約書を

作成した。


③納税者は、

本件専任媒介契約に基づき
A社から、

平成元年8月7日に
仲介手数料総額
24.000.000円の半額に当たる
12.000.000円を受領し、

本件事業年度において
これを前受金として

経理した。


④ところが、
税務署は、

本件受取手数料(12.000.000円)を
本件事業年度の
益金の額に算入すると

更正をした。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

本件不動産売買契約は
本件契約書による
契約締結の事実をもって、

本件専任媒介契約の対象となる
売買契約が成立し、

納税者の媒介に係る
役務の提供が
完了しているとはいえない。


また、
法人税基本通達2-1-11
(不動産の仲介あっせん報酬の帰属の時期)
に定める
「売買等の契約の効力」が
発生しているとは
いえない。


①売買の対象となった
 土地及び建物のうち、
 建物は建築予定のものであって
 いまだ存在しないから、
 この部分は売買契約の効力が有効に
 成立しない。


②建物予定の建物については、
 売買契約となっているが、
 請負契約と
 解すべきである。


③将来、
 建物が完成した場合に
 本契約を成立させるという
 売買予約又は建物完成を
 停止条件とする
 停止条件付売買契約と
 みるべきでる。


つまり、
媒介に係る役務の提供は
いまだ完了していないから、

当該売買契約後に
受領した
仲介手数料に係る収益は、

受領日の属する
事業年度の益金にはならない

と主張した。



【税務署】、

①納税者は、
 本件専任媒介契約に基づき、
 本件契約当事者間の
 本件契約物件を目的物とする売買契約
(以下「本件売買契約」という)の成立に向けて
 媒介を行い、

 その媒介に係る仲介手数料として、
 平成元年8月7日に
 A社から本件受取手数料を
 受領している。


②納税者の役務の提供は、
 本件専任媒介契約に基づき
 本件契約当事者間の媒介を行い、

 本件土地と同地上に建築予定の本件建物
(未完成建物)を
 目的物とする

 本件売買契約を
 締結することにある。


③本件売買契約は、
 平成元年7月31日に
 本件契約当事者間に
 有効に成立し、

 その効力が
 発生している。


④本件専任媒介契約の対象となる
 売買契約、
 すなわち本件売買契約は、

 本件事業年度中に成立し、

 その効力が
 発生しているから、

 本件受取手数料は
 同事業年度の益金の額に
 算入すべきである

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

本件売買契約の効力が
本件建物完成時まで発生せず、

又は、
その発生を損害するような
特段の事情を認めるべき
資料は存在しない。
 

本件売買契約は、

本件専任媒介契約の対象となる
売買契約
(本件土地と同土地上に建築予定の本件建物の売買契約)
にあたり、

納税者の本件専任媒介契約に基づく
媒介に係る役務の提供は、

本件売買契約の締結により
完了していると認められる。


しかも、
本件売買契約の効力は、

前述のとおり、
特段の事情の存しない
本件においては、

本件売買契約が
納税者の媒介により
成立した

平成元年7月31日に
発生したと
認められる。


その結果、
納税者が

上記媒介に対する
約定報酬の一部として
平成元年8月7日に
A社から受領した
受取手数料12.000.000円は、

本件事業年度の
益金の額に算入すべきであり、

したがって、
更正した税務署は適法である

とした。

「国税不服審判所 平成3年6月5日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

不動産の仲介の報酬の額は
原則として
その売買契約等の効力があった日の
属する事業年度の
益金の額に
算入されることと
されています。


しかし、
実務上
取引当事者間における
代金の決済が済み
所有権移転登記が
行われる時点で
収入に計上している
場合が多い。


そこで
基本通達により
後述の計上も
認めています。


ただ、
この基本通達は
現金主義を
容認しているのではなく

実際に目的の取引が
完了しているなら

決算期末までに
入金がなくても
未収計上する
ことになるので

ご注意ください。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
お気軽に
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工事代金の収益計上時期について税務署の処分が取り消された!?【税務調査】

2019-06-12
本件は、

総合建築業を営む
納税者が行った

駐車場の造成工事(本件造成工事)について、

「工事委託契約」において、
用地買収から造成工事までを
納税者ら共同企業体が
請負う契約を締結後、

工事委託契約の委託者(委託者)が、

本件造成工事のうち
工事部分について、
別途、
「工事請負契約」において、
納税者以外の者に発注し、

さらに、
工事請負契約における請負者(請負者)が
納税者に
約36億円(本件工事代金)の工事(本件工事)を
「注文書」に基づき
発注した事案であり、

本件工事の収益計上時期を

争った

裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】、

本件工事代金は、
請負者から
委託者に対する
用地買収のための
融資である。
 

仮に本件工事が
請負者からの
下請工事として
なされたもので
あるとしても、

(ア)本件工事代金は
実際に必要な工事金と
かけ離れている、

(イ)本件工事代金を決めたのは
委託者や請負業者であり、
これは、
本件造成工事を
納税者ら共同企業体で
行うことに
なっていたからである、

(ウ) 本件工事代金のほぼ半額を
委託者が取得していることから、
納税者ら共同企業体の工事であり、
納税者のみが
下請けしたと
考えるべきではない。
 

委託者が
平成8年3月期に
造成完了と考えていないのは
委託者の代表取締役が作成した
陳述書
からも明らかである

と主張した。


【税務署】、

本件の工事代金が
融資であると
判断すべき資料は
確認されず、

請負者においても
その旨の証言がない。


本件工事の受注を
決定したのは
納税者であり、

委託者が
本件工事代金の決定に
かかわったとしても、
共同受注したことの
証明にはならない。


未買収部分の用地のうち
一部については、
農地転用許可申請に係る
用地に含まれておらず、

本件工事に係る用地には
含まれていないものと
認められ、

また、
他の未買収部分については、
造成面積を減少させた状況で

委託者が
請負者に工事完了の指示書
(平成7年11月27日付)
を発行したのであるから、

本件工事は
計画を変更して
完成させたと
判断せざるを得ない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】、

本件造成工事は、
納税者ら共同企業体が
用地買収から造成工事まで行い、

完成後の駐車場を
1坪当たり15万円で
委託者に引渡すという
本件工事委託契約を
基本として
行なわれたもので、

通常の契約状態とは
異なる方法で
行なわれたことが
認められる。


すなわち、
本件造成工事のうち
工事に関する契約等には、

工事委託契約、
工事請負契約、
及び注文書があり、

納税者が
施行業者として
当事者となっている契約等は、
工事委託契約及び注文書である。


なお、
本件工事委託契約に係る
面積、工期等については、
用地買収が
困難な部分が生じたことなどから
変更されているが、

変更された内容などについては、
当事者間において
合意されていたものと
認められる。


また、本件工事代金には、
本件工事以外の
土地代及び近隣対策費等の金額が
約49%(約17億円)も
含まれている事実からすると、

当初から、
本件工事代金には
用地取得等に係る資金の
一部を含むことが
当事者間において
了解されていたもので、

融資の手段としての
目的もあったものと
推認される。


これらのことからすると、
本件工事については、
委託者が
平成7年11月27日付で
請負者に
工事完了の指示書を発行していること等から

税務署の
主張どおり未買収部分を除いて
平成8年3月期中に完成していると
認められるものの、

本件工事の収益計上時期は、
本件工事委託契約に基づき
本件造成工事の一連の事業が完了し、
委託者に
正式に引渡した日の属する事業年度と
するのが相当である。


すなわち、
納税者ら共同企業体が
本件造成工事の完成部分について、
実際に委託者に引渡したのは、

平成10年6月20日であると
認められることから、

本件工事の納税者の収益計上時期は、
平成11年3月期であると
認められる。


以上のことから、
課税庁が、
本件工事だけを切り離して、
平成8年3月期に
完成したと
認定したことは
相当でない

とした。

「国税不服審判所 平成11年10月12日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

なんだか複雑な事情ですが、
このように契約内容や当事者の役割などが
複雑な場合には、

税法上どうなのかと
いきなり
考えるのではなく、

これらを紐解き
事実関係を明らかにすることと

全体を把握することが
大切です。


間違っても
今回の税務署のように
一部を取り出して
課税関係を
考えることの
ないように
してください。


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パナマ共和国の現地法人の所得を日本法人と合算することができるのか!?【税務調査】

2019-06-11
納税者は、
海運業を営む株式会社で、

外航船運搬事業において
いわゆる便宜置籍船保有のため

パナマ共和国に
現地法人を
合計8社(以下、「原告パナマ法人」という)設立し、

各々船舶を所有し
運行させていた。


納税者は、
これら原告パナマ法人の
損益の額のすべてを

いずれも
納税者の所得金額の計算上
合算して法人税の
確定申告をしていた。


ところが、
税務調査において

日本橋税務署長は、

原告パナマ法人は
租税特別措置法66条の6第1項(いわゆる「タックス・ヘイブン対策税制」)
が定める
「特定外国子会社等」に該当し、

同条3項が定める
適用除外の適用がないため、

課税対象留保金額を
益金の額に算入すべきであるとして、

当初合算していた
原告パナマ法人の所得を
減額するとともに、

所得の金額の増額更正処分と
過少申告加算税
決定処分したことについて

争った

裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

原告パナマ法人は、
納税者が外航船の便宜置籍を
取得するために
設立されたにすぎず、

いずれも
形式的には
法人格を有するものの

納税者が
すべての事業活動を
行ってきた。


また、仮に、
原告パナマ法人が
実体を有する主体であるとしても、

納税者と原告パナマ法人は、
船舶の運航に伴う損益等が
納税者に帰属する旨を
合意していたから、

原告パナマ法人の損益等は、
実質的には
納税者に帰属していたと
みるべきである。


そして、
法人税法11条(実質所得者課税の原則)では、

資産又は事業から生ずる
収益の法律上帰属すると
みられる者が

単なる名義人であって、

その収益を享受せず、
その者以外の法人が
その収益を享受する場合には、

その収益は、
これを享受する法人に
帰属するものとする旨を
定めている。


上記の事情に照らせば、
原告パナマ法人は
まさに上記の「単なる名義人」にすぎないから、

そもそも租税特別措置法66条の6は適用されず、
原告パナマ法人に生じた欠損金は
納税者の損金に算入されるべき
である

と主張した。


【税務署】は、

原告パナマ法人のように
いわゆる便宜置籍船を保有して
海運業を営むために設立され、

当該国の船籍を
取得した
外国関係会社については、

船籍取得が
法人の存在意義であるところ、

法人格が有効に存在しなければ
船籍を取得、保有することはできないから、

船籍を取得し、
保有していたという事実から
法人の実体を有すると
することができる。


原告パナマ法人は、
船舶という高額の資産に係る
契約行為を自ら行っていたり、

船員を雇用して
船員費の支出をしているのであるから、

法人としての実体があることは
明らかであり、

そうである以上、
傭船料等の収益や、

給料等の費用は、

当該契約の相手方である
原告パナマ法人に
帰属するのであるから、

納税者が主張する
上記の合意があったとしても、

そこから原告パナマ法人の損益が
納税者に帰属することには
ならない

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

納税者は、
租税特別措置法66条の6の適用によって

法人税法11条の適用が
排除されると
解すべき
法的根拠はないと
主張している。


しかしながら、
租税特別措置法66条の6は、

外国法人を利用することによる
租税回避行為を防止して
税負担の実質的公平を図るため、

課税対象留保金額を
内国法人の益金の額に
算入することとした

例外的かつ創設的な
規定である。


このような
租税特別措置法66条の6の
制定経緯等に照らせば、

上記のとおり、
本件について
租税特別措置法66条の6が適用される以上、

原告が主張する
法人税法11条(実質所得者課税の原則)が
適用される余地はない

とした。

「最高裁判所平成20年4月25日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

通常、
租税特別措置法と
法人税法ですと、

法人税法の方が
上位の法律なので

法人税法の方が
優先されます。


しかし、
例外的かつ創設的に規定された
租税特別措置法に
該当する事案の場合は

法人税法で
規定されていたとしても

租税特別措置法が
優先されます。


今回の裁判は

法人税法の方が
上位の法律なのを
知っていたが故に

法人税法11条が適用されるべきと
主張していたのかも
しれません。


ただ、
租税特別措置法の
制定経緯なども
勘案して
判断する必要があるのは

言うまでも
ありません。


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税務調査のいい加減さ!なんでも社長賞与かよ!?【税務調査】

2019-06-10
今日は先日
立ち会った税務調査の
やり取りの一部を
ご紹介します。


これによって
税務調査の状況を
少し
疑似体験してみて
ください。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

(税務調査官(調)) 交際費に入っているタバコ代ですが、
これは社長のものではないですか?


(中島(中)) いえ、これは取引先が来社して
打ち合わせをする時に
自由に吸ってもらうために、
購入しているものです。


(調) では、それを証明できますか?


(中) 証明責任は税務署側にありますよね。
私どもは、事実を述べているので、
逆に、
取引先が吸っていないという
証明をしてください。


(調) わかりました。とりあえず、
持ち帰らせてもらいます。


翌日


(調) 他の不明点につきましては、
特に問題ありませんでした。

ただ、何もなしというわけにもいかないので、
上司から、
タバコ代を全部、
社長の認定賞与にするようにと
言われているので、
それで
調査を終わりにしませんか?


(中) はい?
だから、タバコ代は
お客さんに出しているものだと
言っているじゃないですか?

税務署は、なにかというと
社長の認定賞与を作り出しますよね。

ここで、その話を飲んだら
今後、タバコ代を経費にするたびに
社長の認定賞与にされるじゃないですか。

それでは、次回の税務調査でも
同じ結果になるので、
その話は飲めません。

社長の認定賞与だというのなら
そうだという
証拠を出してください。


(調) じゃあ、取引先に聞くしかありませんね。


(中) わざわざ、タバコ代のために
大手会社に
反面調査に行くのですか?

税務署は
そんな横暴な国家権力を使うのですか?

ラチが空かないので
統括官と話をさせてください。


(調) 統括は今日は帰ってしまったので、
明日連絡します。


翌日

(調) 今回の調査は是認(何も問題なし)とします。


────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どう感じましたか?


税務調査では
「おみやげ」が必要だと
思っている人や調査官が
いるようですが、

税務調査は
何も指摘なしで
終わることが
普通にあります。


逆に、おみやげを
作ってしまうと
次回の税務調査に
来られやすくなります。


また、今回のように
おかしなことは
おかしいと
しっかりと
主張しないと

訳のわからない理由で
追徴税や罰金を
払わされることになります。


実は
今回の
税務調査官と
その上司の統括官の
職歴を
事前に調べていて

どんな対応をするのか
事前に読んでいました。


ですので、
意味のわからない主張や
「おみやげ」には
断固として
拒否する姿勢を
見せたのです。


また、税務調査官の
弱みや
どちらに証明責任があるかなど
対応策が
分かっていると

税務調査も
怖くはありません。


税務調査官は
何かというと
社長の認定賞与を
出してくることが
ありますので、

容易に受け入れないように
してくださいね。

まあ、
今回は統括官が
訳のわからない主張を言ってきて

挙句の果てに
話をすることなく
逃げたといった
ところでしょうか。


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米国LLCは外国法人なのか有限責任事業組合なのか!?【税務調査】

2019-06-07
本件は、

納税者が
米国ニューヨーク州法に基づき
組成された
LLCの行った
不動産賃貸業の収支と

本件LLC名義の
預金利息収入を

納税者の
不動産所得と雑所得として

所得税の確定申告をしたところ


税務署が、
本件LLCが行う
不動産賃貸業により生じた損益は

法人としての
本件LLCに帰属するもので

納税者の課税所得の
範囲に含まれないものとして

これを是正し、

また、本件LLCが
納税者に対して
送金した分配金は

納税者の
配当所得に該当する等として

納税者に対し、
所得税に係る
更正処分と
過少申告加算税処分
をしたことから、

納税者が
これらの処分の取り消しを求めた

裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

本件LLCは、
わが国における
法制度上の組織と比較すると

①有限責任性、
②構成員による内部自治原則、
③構成員(パス、スルー)課税

のいずれも採用している点で

日本版LLCとされる合同会社ではなく

むしろ
わが国における
有限責任事業組合に
相当するものであり、

わが国
租税法上の法人に
該当するとはいえない。


仮に本件LLCが
わが国の租税法上の
外国法人に該当するとしても、

本件分配金のうち
21万3.847ドルは

出資金の払戻しで

納税者の配当所得には
該当しない

と主張した。


【税務署】は、

本件LLCには、
ニューヨークLLC法に基づき付与された
権利義務の主体となり得る
広範な法律上の資格が
与えられており、

また、本件LLCは、
英米法上の法人格を有する
団体の要件も具備することから、

わが国の租税法上の
「法人」に該当する。


法人からの分配金が
配当所得に
該当するか否かは、

それが出資者の地位に基づいて
供与した経済的な利益と
認められるか
否かにより
判断されるのであって、

出資金の返還が行われたような
配当であっても
配当所得に該当すると
解される。


そして、納税者は、
本件分配金を
換金可能なD銀行新宿南口支店
ないし
同ニューヨーク店の自己名義の口座で
運用していることが認められ

本件分配金は、
納税者の配当所得として
実現したものと
解するのが相当である

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

本件LLCは、
米国ニューヨーク州法上
法人格を有する団体であり、

わが国の利法上(租税法上)の
法人に
該当すると

解するのが
相当である。

 
本件分配金は、
これを実質的にみると

本件LLCにおいて、
本件賃貸ビルの
市場ビルの市場価額が
増加し含み益が生じたことや

不動産賃貸業による利益が
計上されたことを背景に

剰余資金を
その出資者である
納税者等に

利益の配当として
分配したものと
認めるのが相当である。


したがって、
本件分配金については、
本件LLCが
納税者の出資者である
地位に基づいて

供与した
経済的な利益であり

いずれも
納税者の配当所得に該当する

とした。

「東京高等裁判所平成19年10月10日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

構成員(パス、スルー)課税

一時流行りましたね。


もちろん今でも
使われていますが、

考え方を間違えると
今回のようなことに
なります。


今回の判決で

米国LLCは
外国法人であるということが
はっきりしたので、

今後は
米国LLCを使った
構成員(パス、スルー)課税は
認められないということが
明確になりました。


ご相談、ご不安なことが
ありましたら、
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宗教法人が営むペット葬祭業は収益事業になるのか!?【税務調査】

2019-06-06
本件は、

宗教法人である納税者が

死亡したペットの飼い主から
依頼を受けて

葬儀や供養等を
行うなどして

金員を受け取ったことに対し、


税務署から

ペット葬祭業は

収益事業に当たるとして

法人税の決定処分と
無申告加算税賦課決定処分を
受けた

ことに対して
争った

裁判である。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

宗教法人については

対価性のない所得について
収益事業収入に該当せず
課税対象とされておらず

宗教行為については
対価性がない。


もともと僧侶の供養は

布施という
宗教行為のうちの
法施といわれ、

僧侶あるいは
寺院に対する
財物の施しは

布施のうちの財物に当たり

両者の間に
対価性を
肯定することが
できない。


納税者のペット葬祭業と
一般事業者の葬祭業とは
類似したところがあるが、

納税者のペット葬祭業においては、

一連の行為が
宗教的意義を有しているからこそ、

ペットの霊の鎮魂と
飼い主の喪失感の
癒しになっているものであり、

宗教的意義を有しない
一般事業者との
ペット葬祭業とは
決定的に異なる。


針供養や
人形供養の際に

依頼者から謝礼として
受け取る喜捨に対しては
課税されないが、

僧侶が読経し、
供養の対象物が
物である点で

ペット葬祭も
同様である

と主張した。


【税務署】は、

納税者の行うペット葬祭業は、

請負業の特質を
備えている。


また、納税者は、

火葬したペットの遺骨を、
利用者の依頼に応じて、
設置している納骨堂において
保管・管理したり、

墓地の利用者の依頼に応じて
墓地を管理し、

利用者から
一定額の経済的利益を
享受しており、

これは、
倉庫業の
典型的な特徴を
備えている。


さらに、
ペット葬祭に関連して、
塔婆プレート、
骨壷、袋、位牌、石版、墓石を
販売しているところ、

このような事業は
物品の売買という
販売業の
典型的特徴を
備えている。


納税者は
上記について
対価を受け取っており、

また、上記のことは、
一般事業者においても
行われていることからも

収益事業に該当する

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


いきなり、裁決を見るのではなく
これはどういう判決になるか
すこし考えてみてください。


税務というと
決算書の数字や申告書をイメージするかもしれませんが、
そもそも税法に則った判断処理のこと
なのです。


その判断処理を間違えると
払う必要のないキャッシュが
会社から失われてしまう可能性があります。


この判断処理を
今まで間違っていた納税者の割合や
なんと7割以上(国税庁のHPより)


判断処理
大丈夫ですか?


本来の裁判判決は
難解で読むづらいものになっていますので、
読みやすいように多少
書き換えています。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

本件ペット葬祭業においては、

納税者の提供する役務等に対して

料金表等により
一定の金額が
定められ、

依頼者が
その金額を
支払っているものと
みられる。


したがって、
これらに伴う金員の移転は、

納税者の提供する
役務等の対価の
支払として

行われる性質のものと
みるのが
相当である。


そして、
依頼者において
宗教法人が行う
葬儀等について

宗教行為としての
意味を感じて
金員の支払を
していたとしても、

いわゆる
喜捨等の性格を有するものと
いうことはできない。


また本件ペット葬祭業は

その目的、内容、料金の定め方、
周知方法等の諸点において、

宗教法人以外の法人が
一般的に行う
同種の事業と
基本的に異なるものではなく、

これらの事業と
競合するものと
いわざるを得ない。


本件ペット葬祭業が

請負業等の形態を有するものと
認められていることに
加えて、

上記のような事情を踏まえれば、
宗教法人である納税者が、

依頼者の要望に応じて
ペットを供養するために、
宗教上の儀式の形式により

葬祭を執り行っていることを
考慮しても、

本件ペット葬祭業は、
収益事業に当たると
解するのが相当である

とした。

「最高裁判所平成20年9月12日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

「坊主丸儲け」と
言うように
宗教法人の事業の
多くには
税金はかかりません。


もちろん、
人の葬儀に関する布施にも
税金はかかりません。


また、針供養や
人形供養の際に
受け取る謝礼にも
税金はかかりません。


税法上は
動物はモノとして
扱われる。


であれば、
ペットの葬祭も
税金はかからないと
言うことになります。


しかし、判決は
税金がかかると
なりました。


その理由としては
その目的、内容、料金の定め方、
周知方法が
一般事業者と
一緒であったことから

収益事業に
当たるということでした。


逆に言うと

その目的、内容、料金の定め方、
周知方法を

一般事業者と
異なる
方法を
取っていれば

収益事業に
ならないということ
になります。


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外れ馬券は経費になるのか!?【税務調査】

2019-06-03
本件は

大阪市の元会社員男性が
2007〜2009年、

予想ソフトを使い
インターネットで
28億7000万円分の馬券を
購入。


総額30億1000万円の
払戻金を得たが
申告せず、

5億7000万円を
脱税したとして

所得税法違反の罪に
問われていた

ことを争った

裁判。


焦点となったのは

馬券購入費用の
28億7000万円の「扱い」であり、

これまでの税制解釈上は

馬券購入分のうち
「外れた馬券」は
経費としては
認められず、


経費として
認められるのは

当たり馬券の
購入原資となった
購入費用分だけだった。


すなわち、
この男性においては

3年間の累積馬券購入分のうち
約1億円程度しか
「経費」として認められず、

それを配当から差し引いた
約29億円が
課税標準額とされ、

約5億7000万円を
脱税したとして

無申告加算税を含む

約6億9000万円を
追徴課税が
課されていた。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【納税者】は、

払戻金は

外れ馬券の購入費用も
必要経費に充当できる
「雑所得」で、

その経費は

所得を生むための費用
と広く
解釈されるべき。


利益の
1億4000万円に対して、

それを大幅に上回る
5億7000万円が

脱税額と
指摘されたことは

おかしいと

と主張した。


【税務署】は、

払戻金から
経費として
差し引けるのは

当たり馬券の購入費用だけで、

残りは
「一時所得」として
課税できる

と主張した。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

どちらの主張が
正しいのでしょうか?


1審の大阪地裁は

「馬券を営利目的で継続的に購入しており、
 当たり馬券代も
 外れ馬券代も経費に当たる。

 大量かつ機械的な購入は
 資産運用の一種」

とし、

利益分の1億4000万円だけを
雑所得として認定、

課税できると判断した。


脱税額を
約5200万円として、

執行猶予付きの
懲役2月を言い渡し、

2審の大阪高裁も
同様の判断を下していた。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【裁判官の裁決】は、

長期間にわたって
多数回かつ
頻繁に
網羅的な購入をして

多額の利益を
恒常的に
上げていた


一連の馬券購入は
一体の経済活動としての
実態があり

営利目的の
継続的行為として


外れ馬券を
経費と認めた上で


「雑所得」として

無申告の5200万円を
脱税額
と認定、

懲役2月(執行猶予2年)

とした。

「最高裁判所平成27年3月10日判決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

所得発生の基盤となる
一定の源泉から
繰り返し収得されるものは
一時所得ではない

という観点から

今回の判決は

「雑所得」
になりました。


ですので、
本判決は

あくまで
当該男性に限った

特殊な判決である
ということに
ご注意ください。


本男性は
競馬の予想ソフトを使って

継続的かつ大量の馬券購入を
繰り返しており、

この馬券購入手法が

裁判上は
「資産の運用にあたる」と
判断されたが故の

「外れ馬券は経費」
という判決。


一般の競馬ファンが行う
馬券購入に関しては、

これまでと
同様の税制が
適用されますので、

その点は
ご注意ください。


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