< 10月, 2014 | 東京都港区六本木の税理士、会計事務所 中島祥貴税理士事務所 - Part 2

10月, 2014年

業務上の事故で死亡し退職した退職金は不相当に高額なのか!?【税務調査】

2014-10-17

本日の裁決は、
前回につき続き役員退職給与の額の計算で

今回は
業務上の事故で死亡した
役員への退職金の額は

いくらまで支払えるのかを
争った
事案です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【原告側】は、

死亡退職した代表者の遺族に対し、
死亡退職金として9,100万円を支給した。
【税務署側】は、

代表者の遺族に対する
死亡退職金9,100万円は
不相当に高額である
と主張した。

これに対して、

【裁判官の裁決】は、

業務上の死亡により退職した者に対しては、
通常の退職給与より多額に支給されるのが一般的であると認められることから、

比較法人の平均功績倍率により算定した通常の退職給与額に、
業務上死亡の退職事情を考慮して相続税法基本通達3-20の取扱いに準じ

死亡時の普通給与の3年分を加算した金額をもって
役員退職給与の適正額とし、

その金額を超える部分は
不相当に高額な役員退職金に当たるとした

税務署の主張
は相当であるとした。

「平成2年12月20日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

業務上の死亡による
退職金は通常の退職金より多額に支給されるのが
一般的です。

これは役員であっても同様です。

このことから
業務上の死亡による
役員退職金の金額は

今までと同様に
比較法人の平均功績倍率により算定した通常の退職給与額に

業務上死亡の退職事情を考慮した金額を
加算した金額をもって
計算した金額とするのが
適正です。

ただ、この業務上死亡の退職事情を考慮した金額を
いくらでも認めてしまうと
金額にキリがないので

相続税法基本通達3-20の取扱いに準ずるのが
適当です。

役員退職金の支払い金額についても
事情に応じて
さまざまな計算方法があるので
しっかりと検討して金額を決めるようにしてください。

ご不明な点は
お気軽に中島税理士・行政書士事務所まで
お問い合わせください。

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役員退職給与の額は本当に最終報酬月額を基にしなければならないのか!?【税務調査】

2014-10-16

本日の裁決は、

役員退職給与の額の計算を
功績倍率法により算出した金額と

1年当たり平均額法により算出した金額
のどちらで計算したほうが
合理的と見なされるかを
争った
事案です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【原告側】は、

退任役員に対する退職給与の額は、
功績倍率法により算出した金額と
1年当たり平均額法により算出した金額とのうち、

いずれか高い金額を超える部分の金額を
不相当に高額な部分の金額とすべきである

と主張した。

【税務署側】は、

1年当たり平均額法は
役員退職給与の額の算定の重要な要素である
最終報酬月額が考慮されていないため、

功績倍率法に比べて合理性を欠くので、
採用できない
と主張した。

これに対して、

【裁判官の裁決】は、

最終報酬月額が
役員の在職期間を通じての
会社に対する貢献を適正に反映したものでないなどの
特段の事情があり低額であるときは、

最終報酬月額を基礎とする
功績倍率法により適正退職給与の額を算定する方法は妥当でなく、

最終報酬月額を基礎としない
1年当たり平均額法により算定する方法がより合理的である
とした。

「昭和61年9月1日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

通常、役員退職給与の額の計算は
最終報酬月額を基礎とする
功績倍率法により
計算されるとされています。

この常識化された
計算方法のみを
鵜呑みにしていると
思わぬ損失を被ることになります。

そもそも役員退職給与は
何のためにどのような計算で支払われるかを
考えなければいけません。

役員退職給与は、
毎年役員退職金の支給に関する内規や

過去の支給実績から支給見込額を計算して
引当計上することができます。

また、役員の在職期間を通じての
会社に対する貢献に対する
退職時の給与に該当するものです。

つまり、役員退職給与の額は
役員の在職期間の功績に応じて
決定されるものであり、

役員給与が昇給していくと仮定した場合
功績倍率法によるべきだが、

特段の事情があり低額であるときは、
1年当たり平均額法により算定する方法が
より合理的であると考えられる。

なぜ、このような見解の違いが生じるかというと

税務署や一般的な税理士は
立法趣旨やその支出の本来の定義を
深く考えずに

一般的な計算式や考え方で物事を考えてしまうことに
起因します。

役員退職給与の計算式は
法律で規定されているものではないので、

もっとも合理的な計算額が
より正しい役員退職給与の額となるのです。

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保険金の支払を受ける者以外の者が負担した保険料と一時所得!?【税務調査】

2014-10-15

本日の裁決は、
法人が契約者の養老保険を
個人が受け取った場合、

その満期保険金の金額を一時所得として計算する際に
法人が負担した保険料全額を
控除することができるか否かを
争った
事案です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【原告側】は、
Xら(原告)の経営する法人が契約者となり
保険料を支払った養老保険契約に基づいて

満期保険金の支払を受けたXらは、
その満期保険金の金額を一時所得に係る総収入金額に算入した上で、

その法人が負担(損金処理)した部分を含む保険料全額が
一時所得の金額の計算上控除し得る
「その収入を得るために支出した金額」(所法34(2))に当たるとして、
所得税(平成13年~15年分)の確定申告をした

と主張した。

【税務署側】は、
本件保険料のうち
その法人が負担した部分(上記保険料のうち2分の1相当額)は
「その収入を得るために支出した金額」に当たらないとして、

更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を付す
と主張した。

これに対して、

【裁判官の裁決】は、
所得税法34条2項は、
一時所得に係る収入を得た個人の担税力に応じた課税を図る趣旨のものであり、

同項が「その収入を得るために支出した金額」を
一時所得の金額の計算上控除するとしたのは、

「一時所得に係る収入のうちこのような支出額に相当する部分が
上記個人の担税力を増加させるものではないことを考慮したものと解されるから、

ここにいう『支出した金額』とは、
一時所得に係る収入を得た個人が自ら負担して支出したものといえる金額をいうと解するのが上記の趣旨にかなうものである。
また、同項の『その収入を得るために支出した金額』という文言も、
収入を得る主体と支出をする主体が同一であることを
前提としたものというべきである。
したがって、一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう
『その収入を得るために支出した金額』に該当するためには、

それが当該収入を得た個人において
自ら負担して支出したものといえる場合でなければならないと
解するのが相当である。」

とした上で、
本件保険料のうち法人が負担した部分は、
所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に当たるとはいえず、

これを本件保険金に係る一時所得の金額の計算において控除することはできないと判示した。
また、Xらの請求のうち、
過少申告加算税の賦課決定処分の取消しを求める部分については、

例外的に過少申告加算税の課されない場合として
国税通則法65条4項が定める
「正当な理由があると認められる」場合に当たるか否かが問題となるところ、

この関係の諸事情につき更に審理を尽くさせるため、
原審に差し戻した
とした。

「平成24年1月13日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
今回の事案は

「その収入を得るために支出した金額」
という表現の解釈の違いによる
間違いですね。

たしかに

「その収入を得るために支出した金額」
は『誰が』という
主語が明示されていないので、

法人が負担した保険料も含まれると
解釈することも可能です。
このような場合、
法律の立法趣旨から
解釈していくことになります。

すると、
個人がその収入を得るに
実際に個人が支出したものである
と解釈するべき
と考えることが妥当です。

税法は
細かい内容まで規定されていないので
実際に適用する際は
しっかりと税法の趣旨を理解することが
必要です。

また、罰金が掛かるか掛からないかは
その行為を不正だと分かっていて
行ったのかどうかで
判断することになります。

ですので、今回は
その事実関係を再度審理するために
差し戻しとなったのです。

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粉飾した過年度棚卸資産廃棄損は損金になるのか!?【税務調査】

2014-10-14

本日の裁決は、
平成14年4月1日から平成15年3月31日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)の
法人税の申告に当たり

本件事業年度前の事業年度において
粉飾により過大に計上していた棚卸資産の額を、
本件事業年度において「過年度棚卸資産廃棄損」
として損金計上した。
それに対して、税務署が「過年度棚卸資産廃棄損」は
本件事業年度の損失の額に当たらないなどとして処分を行ったのに対し、
会社がその一部の取消しを求めた
事案です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【会社側】は、

平成15年3月31日に
A地方裁判所に民事再生法に基づく再生手続開始の申立てを行い、
同法に基づく財産価額の評定の準備を始めていたのであるから、

法人税法第33条第2項に規定する政令で定める事実である
法人税法施行令第68条《資産の評価損の計上ができる場合》第1号ニの
資産の評価損の計上ができる資産の評価換えをする必要が生じた場合に当たり、

評価損として計上した過年度棚卸資産廃棄損の額は
本件事業年度の損金の額に算入すべきである

と主張した。
【税務署側】は、

過年度棚卸粉飾額を修正経理した過年度棚卸資産廃棄損の額は、
本件事業年度の損金の額に算入できない。

なお、過年度棚卸粉飾額は、棚卸資産としては実在しないものであるから、
法人税法第33条第2項の「法人の有する資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなった場合」に当たらず、
本件に同項の適用はない

と主張した。
これに対して、
【裁判官の裁決】は、

過年度棚卸資産廃棄損の額は、
会社が本件事業年度前の過年度棚卸粉飾額を計上したものにすぎず、

その全額が本件事業年度において生じたものでないことは明らかであるから、
本件事業年度の資本等取引以外の取引に係る損失の額に当たらない。
したがって、過年度棚卸資産廃棄損の額を
本件事業年度の損金の額に算入することはできない。
なお、法人税法第33条第2項に規定する「資産の評価換え」は、
民事再生法の適用を受ける場合、

民事再生法の規定による再生手続開始の決定があったことにより、
その資産につき評価換えをする必要が生じたことにより
行うものをいうと解されるところ、

過年度棚卸資産廃棄損の額は
過年度棚卸粉飾額を計上したにすぎず、

「資産の評価換え」によるものには当たらないから、
同項を適用できる旨の請求人の主張は採用できない。
よって、過年度棚卸資産廃棄損の額は、
本件事業年度の損金の額に算入できない

とした。
「平成18年11月21日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
銀行からの融資のため
建設業の経営審査のため
建設工事の入札のため

などのために
粉飾決算を行っている・・・
という話を聞くことがあります。
本来は赤字にもかかわらず
黒字の決算を組み

税金を払い、
一時的に
その時期をしのいでも
根本から
変わらなければ
会社は崩壊の道へと進んでいきます。

だったら、あとで
その粉飾した金額を誤りだったと
損金を計上すれば

トータルでプラマイゼロになるから
その時に処理をすれば良いと
考えている方もいるようです。
しかし、この判決のように
粉飾による
過年度棚卸資産廃棄損の額は

損金計上できず、
あとから相殺するような処理は
認められません。

安易な打開策を考えるのではなく
根本的な解決策を考えていくためには

しっかりとして財務体質の改善を
行っていき
会社を黒字体質に変えていくしかないのです。

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架空賞与に対して過少申告加算税と重加算税の両方を課すことができるのか!?【税務調査】

2014-10-10

本日の裁決は、
従業員に払ったという賞与が
架空なのかどうかと

その賞与が架空だった場合
納税した税金が過少であるとして
罰金である

過少申告加算税(10%か15%)と
それに加えて重加算税(35%か40%)
も課すとされた指摘について
争った
裁決です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【会社側】は、

イ 更正について

税務署は、会社が昭和60年8月21日に従業員13名(以下「本件従業員」という。)
に対して支給した夏期賞与2,000,000円(以下「本件賞与」という。)は

架空の賞与であるから、
本件賞与相当額を損金の額に算入できないと判断している。
しかしながら、本件賞与は、

当時、会社の業況が悪く、夏期賞与が支給できない状態であったため
通常の支給時期の8月5日前後より遅れたものの、

次のとおり昭和60年8月21日には支給しており、
本件従業員に対する賞与として本件事業年度の
損金の額に算入すべきものである。

(イ)本件賞与の支払資金2,000,000円については、会社は、経理担当者であるA女(以下「A女」という。)の夫が経営するB工務店から昭和60年8月9日に2,000,000円を借り入れて手当てしていること

(ロ)会社は、本件賞与の支給に際し、本件従業員ごとの支給額を記載した明細書を作成していること

(ハ)会社は、給料及び賞与の計算業務をC事務所に委託していたが、
本件賞与については、A女が同事務所に報告することを失念していたため、
同事務所が従業員ごとに作成している給与台帳に記載されず、

また、従業員に交付する出勤日数、残業手当、支給合計、控除合計などを記載している給与明細書(以下「給与明細書」という。)も作成されなかったが、現実に本件賞与は支給しており、本件賞与に係る源泉徴収税額182,000円は、平成4年2月26日に納付している

(ニ)本件従業員のうち12名は、会社に対し、平成2年8月25日付ないし同年9月5日付で、会社から昭和60年8月21日に夏期賞与をもらった旨を記載した証明書(以下「本件証明書」という。)を提出していること

ロ 過少申告加算税の賦課決定について

以上のとおり、
異議決定を経た後の更正は、

その一部が取り消されるべきであるから、
これに伴う過少申告加算税の賦課決定も取り消すべきである
と主張した。

【税務署側】は、
イ 更正について

本件賞与は、次のとおり、本件従業員に支給したものとは認められず、
架空に計上したもので本件事業年度の損金の額に算入されない。

(イ)本件賞与については、従業員に交付される給与明細書が作成されていないこと

(ロ)請求人がD市役所に提出した本件従業員の昭和61年分給与支払報告書の支払金額の中には、本件賞与の額が含まれていないこと

(ハ)本件従業員及びその妻のうちの数名は、異議審理の調査担当者に対し、請求人から昭和60年の夏期賞与の支給を受けていない旨を答述していること
ロ 過少申告加算税の賦課決定について

以上のとおり、本件賞与は、支払の事実がない架空の賞与であり、
重加算税に規定する重加算税の課税要件を充足することは明らかであるから、

当該規定に基づいて算定される重加算税に相当する額までの範囲内でされた
過少申告加算税の賦課決定は正当である
と主張した。

これに対して、

【裁判官の裁決】は、

1、本件賞与については、
通常作成されるべき給与明細書の作成がなく、
また、これに代わる賞与の支給額を明らかにする書類なども
本件従業員に交付していないこと

2、会社は、本件従業員が本件賞与を受領した事実を明らかにする
受領印等が押印された証拠資料の提出をしないこと

3、本件賞与については、給与支払報告書の支払金額の中にも含まれていないこと

4、異議審理の調査担当者に対してなされた従業員及びその妻の答述は、
任意かつ具体的で信頼性があること

5、本件証明書は、請求人が本件審査請求後に本件従業員に依頼して作成されたものであること

6、E工務店からの借入金は、
そのほとんどが本件賞与の支給されたとする
昭和60年8月21日にE工務店に返済されているから、
本件賞与の原資であるとの請求人の主張には疑問が残ること

から判断して、

本件賞与は、本件従業員に支給されたものではなく、
架空に計上されたものと認めざるを得ない。
税務署は本件賞与が架空の賞与であり、
重加課税の課税要件を充足することは明らかであるから、

算定された重加算税に相当する額までの範囲内でされた
過少申告加算税の賦課決定は正当である旨主張するが、
仮装又は隠ぺいに係る事実認定に基づき
別途重加算税の賦課決定を行うのはともかく、

過少申告加算税の賦課決定の適否が争われている場合において、
重加算税の賦課要件の存在することを理由に
過少申告加算税に代えて重加算税の額を認定することは許されない

とした。
「平成5年4月28日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

税務調査で多少の故意の会計処理がなされていた場合、
巷では
「重加算税」が乱発されていると聞きます。

税務調査官側でも
とりあえず
「重加算税」
と言って

それを認めたらラッキー的な
発想があるのでしょう。

税制改正により
税務調査官がわの
指摘事項への説明が義務付けられましたが、

重加算税になる対象が
どういうことなのか
しっかり理解しておかないと
過少申告加算税(10%か15%)と
延滞税(年14.6%)
プラス
重加算税(35%か40%)

合計70%以上の罰金がかかってくることも
あり得ます。

今回の架空賞与でさえ
重加算税の対象には
ならなかったのです。

重加算税の対象となるものが
どういうものなのかを

納税者自身もしっかりと
認識しておくことが必要です。

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関連会社への寄付は会社からの寄付なのか、それとも従業員からの寄付なのか!?【税務調査】

2014-10-09

本日の裁決は、

関連会社への寄付金が
会社からの寄付なのか?

従業員が寄付したものなのか?
を争ったものです。
寄付の実態や意思は
明確にしづらいものですが、

裁判官がどのように裁くのかが
見ものの
裁決です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【会社側】は、
会社は、
関連法人から要請があった寄付金は、

従業員が、
支給された賞与の中から各人が
寄付したものである

と主張した。

【税務署側】は、
会社が従業員の賞与に含めて支給した金額は、
会社が関連法人に寄付すべき金額を

賞与に上乗せする形で
仮装経理したものである

と主張した。

これに対して、
【裁判官の裁決】は、
1. 支給明細書が2通あり
寄付金相当額を含めた明細書は、

原処分調査時に交付している。
したがって、退職した従業員は、
寄付金相当額を含めた明細書の交付を受けていない。

2. 寄付金の額は、
基本賃金を基準にして算定しており、

従業員は寄付申込書を白紙で請求人に提出している。
また、寄付に応じなかった従業員はその計算がなされていない。

3. 会社は、
従業員が寄付申込書を提出する前に、
寄付金相当額を
預り金として経理している。
したがって、法人の寄付金については
損金算入限度額が定められていることから、

会社は、
関連法人に対する寄付を
従業員の名を借りて行うことにより

会社の名で寄付した場合における
法人税の負担の軽減を図ったものと認められる。

以上の事実から
会社の関連法人に対する寄付金を
本件賞与に仮装したものである
とした。
「平成5年4月28日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

人は(特に日本人は)
しっかりと手続きや書類を作成して
業務を行います。

嘘の主張をすると
その手続きや書類が
実態と異なったものになり
ほころびが生じてしまうものです。

今回の事例は
このことが顕著に見ることが
できる裁決ですね。

嘘をつくと
どんどん嘘を重ねていき
事実とかけ離れていき
最後にはバレてしまいます。

やはり、納税や経理は
まじめに正しくやらないといけないという
結論ですね。

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従業員と常務の個人的な不正行為は会社の重加算税になるのか!?【税務調査】

2014-10-08

本日の裁決は、
横領損失による損害賠償請求権の収益計上時期、
重加算税の適用による「隠ぺい・仮装」の行為者と
更正の期間制限における「偽りその他不正の行為」該当性が
主要な争点となったものであり、

また、経営に参画する常務取締役も
横領行為者と認められることも
争点のポイントとなった
裁決です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【会社側】は、
会計帳簿の記載の基礎となる売上伝票の一部を抜き取るなどして行った
売上除外(本件不正行為)は
従業員R及びJ常務の個人的な不正行為であるから、

1、これに係る損害賠償請求権に係る収益は、
権利確定主義により会社が本件不正行為を把握した事業年度に計上すべきである

2、本件不正行為を会社の行為と同視して重加算税を課することはできない

3、会社に税額を免れる意図はないから偽りその他不正の行為はない

と主張した。

【税務署側】は、

損害賠償請求権に係る収益は、
本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度に
算入され、

当該行為は
会社の

「偽りその他不正の行為」

にあたり
重加算税の対象となる
と主張した。

これに対して、
【裁判官の裁決】は、

1、不法行為による損失の発生と
損害賠償請求権の発生と確定は、
原則として

これを同時に損金と益金とに計上すべきであるところ
請求人の経営に参画する常務取締役が
本件不正行為の事実を把握していた。
会社において、
本件損害賠償請求権の存在、内容等を把握し得ず、

権利行使を期待できないといえるような客観的状況にあったということはできず、
権利の行使を期待することができないような場合にも当たらないことから、

本件損害賠償請求権の額は、
本件不正行為による損失の発生した日の属する各事業年度の益金の額に算入される。

2、J常務の行為は会社の行為と同視できるから、
会社に重加算税を課することができる。

3、本件不正行為は「偽りその他不正の行為」に当たるというべきである

とした。

「東京高裁平成21年2月18日判決」
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

今回のキーパーソンは
常務取締役ですね。

彼が
この行為に関わっていたことにより

その行為が
常務取締役=会社
の行為と見なされ

不正行為の事実を把握していたとされ、
収益に計上される時期、
重加算税
すべて税務署側の主張が
通った裁決となりました。

深く考えずに
社長の親族や知り合いを
会社の役員にしている会社がありますが、

こういった事態も
しっかりと想定した上で

コンプライアンスや
取締役会、
役員構成を
考えることが
重要です。

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保険金を死亡退職従業員の遺族に支払ったのは真実なのか!?【税務調査】

2014-10-07

サスペンスドラマのようなタイトルですが(笑)、
会社側は
団体定期保険契約に基づいて受け取った保険金を
見舞金として払ったと主張しているが、
どうも事実はそうではないのでは・・・

と税務署側が否認し、

裁判所で真実を暴くといった
やっぱりサスペンスドラマのような
展開の
裁決です。
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────
【会社側】は、
保険金の受取人を会社とする
団体定期保険契約に基づいて収受した保険金は

死亡退職従業員の遺族に見舞金として支払っているから
当該金員相当額の利益は得ていない

と主張した。

【税務署側】は、

収受した保険金は
死亡退職した従業員の遺族に
見舞金として支払っている事実はなく、

この保険金の金員相当額は
会社の収益=利益である

と主張した。

これに対して、
【裁判官の裁決】は、

[1]当該従業員の勤続年数は1年未満であって、
高額の見舞金を支給することが不自然である

[2]遺族が作成したとする見舞金の領収証
及び資金運用のために預ったとする預り証(写)は、
遺族の答述等からその真実性を信用し難い

[3]当該保険金を原資とする定額郵便貯金は
請求人の実質経営者の家族名義で設定され
調査開始後に遺族名義に書き換えられており、

また、遺族はこれらの事実を一切知らない

請求人の簿外資金の留保のために設定されたものと推認されるので、
当該見舞金を支払った事実は認められない

とした。
「昭和59年2月6日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

なかなか手の込んだ手口でですね(笑)

おそらく会社側では
節税目的で
団体定期保険契約に加入したのでしょう。

にもかかわらず
入社してすぐの社員が死亡退職してしまった。

少ない保険料の支払いで
多大な保険金を受け取ることとなった。

この保険金のお金は
なかったことにしてしまおうと
経営者の家族名義の口座に
入金した。

そこに税務調査が入ってしまった。

このままでは
保険金相当額の40%が
税金でもっていかれる

それにプラスして
加算税も
かかる可能性がある。

どうしよう・・・

そうだ、
保険金相当額を
死亡退職した従業員の遺族に
見舞金として
払ったことにしよう。

そうすれば
差額の利益も発生せず
追徴税も
さほど発生しないだろう。

こんな流れでしょうか?(笑)

保険金の支払いがあると
保険会社から
税務署に支払調書が届くことになっています。

こんな小細工しても
無駄ですよ。

急にあぶく銭が入ってくると
ロクなこと考えないのは
人間の性なのでしょうか?

くれぐれも
あぶく銭にはご注意を!

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帳簿書類の提示に応じないと青色申告承認の取消になるのか!?【税務調査】

2014-10-06

本日は、

税務調査官からの帳簿書類の提示に
会社側が応じなかった場合、

どのような処分になるかを
争った
裁決です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【会社側】は、

税務調査時の対抗策として
帳簿書類を
税務調査官に見せないこととした。

しかし、青色申告法人の帳簿書類の備付け、記録及び保存の義務
は果たしているので
何の問題もなく、

帳簿書類を提示しないことをもって
青色申告の承認の取消し
とする主張は無効だ

と主張した。

【税務署側】は、

青色申告法人の帳簿書類を
税務調査時に
税務職員に提示することは
当然であり、

これに応じない場合には、
法人税法第127条第1項第1号に規定する
青色申告の承認の取消事由に該当するため
青色申告の承認を取消す

と主張した。

これに対して、

【裁判官の裁決】は、
青色申告法人の帳簿書類の備付け、記録及び保存の義務は、
税務署の担当職員が調査のため必要とする場合には
その帳簿書類を担当職員に提示すべき義務は当然と解すべきである。

また、青色申告法人が、
税務署の担当職員の調査上の必要に基づく帳簿書類の提示要求に対し、
正当な理由なく
これに応じない場合には、

結局その帳簿書類の備付け、記録又は保存がないこととなり、
法人税法第127条第1項第1号に規定する
青色申告の承認の取消事由に該当するものと解される。

その後、
会社は調査の際に税務職員に対し、
帳簿書類を一時的に提示したが、
その提示も調査の目的が十分に達成されないまま一方的に中断され、
その後、帳簿書類は何ら提示されなかった。

このような提示は極めて不十分であり、
結局帳簿書類が提示されなかったのと
同視すべきものと認められることから、
請求人の青色申告の承認を取り消した原処分は相当である

とした。

「昭和56年2月27日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

このような会社側の対抗策は
あまり有り得ないかと思いますが、

じつは、わたしが勤務時代
同僚の担当先の会社の経理担当者が
これと全く同じ対応をして
困っていると
聞いたことがありました。

税務署側としては
確かに税務調査ができないのですが、
正当な理由なく
このような対応をされては
困るとして

勤務先の事務所の所長に訴え
所長が会社の社長に直訴して
解決しました。

あのまま抵抗していたら
きっと、この裁決と同じ結果になっていたのでしょうね。

ないとは思いますが、
法律に規定されていないからといって
あまり常識から外れた行動は
しないでくださいね。

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会社と会社代表者がそれぞれ同じ事業を行っていた場合、どっちの所得!?【税務調査】

2014-10-03

本日は、
実際、弊社のお客さまの税務調査でも
同様の指摘を受け、

この指摘を飲むと
数千万円の税金と
重加算税が課されそうになった
裁決です。

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

【会社側】は、

土木業を経営しており
その業務の中で
木材の販売も行っていた。

それとは別に
会社の代表者は個人的に
木材の販売を行っていた。

会社の木材の販売分は
会社の売上。

代表者個人の販売分は
個人所得として
申告していた。

 

【税務署側】は、

会社と会社の代表者が
同じ事業を行うことは
商法上の競業避止義務違反の行為であり、

会社の代表者の木材販売分も
会社の売上として計上して
申告納税すべきだ
と主張した。

今回は【前提条件】を少し補足する。

会社の代表者は、
会社が木材の販売を行う前から
個人的に木材の販売を行っており、

その数年後に
会社としても木材の販売も行うこととなった。

会社代表者が木材の販売を行っていた通帳は
完全に会社の通帳とは別にしており

また、代表者の通帳には
会社からのお金の流れも
なかった。

これに対して、

 

【裁判官の裁決】は、
会社の代表者が、
個人名義で木材の取引を開始した動機
及び
その資金の出所等からみて、
実質的にも個人の取引と認められ、

かつ、

既に1年を経過しているため、
商法上の競業避止義務違反の行為として

介入権を行使していない場合にあっては、
その取引による所得を
法人の所得と認定することは妥当でない

とした。

「昭和46年3月2日裁決」

────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────

この裁決の内容は

今までこの商法上の競業避止義務違反の行為によって
納税者から
いくつもの重加算税を取っていた
悪徳(?)税務調査官の指摘を

最後に大逆転した時に
使った裁決です。

商法は税法より上の
強制力があるため

商法違反だと言われると
鵜呑みにしなければいけないと
思ってしまうことがあるかもしれません。

しかし、

そもそもその法律の立法趣旨や
考え方を
しっかりと読み解いていくと
上記のような裁決となるのです。

税務調査に必要な能力は『3つ』

その1つが
最後まで諦めない『調査能力』です。

うちのお客さまの税務調査の時
税務調査官は

勝った気満々で
最終日の調査に望んでいました。

しかし、この指摘を飲めば
会社を倒産させることにもなりかねない案件で

私はありとあらゆる
法律と判例を調べたことを思い出します。

ようやくたどり着いたのが
唯一、40年ほども前の裁決でした。

あきらめないで
最後までお客さまを守る気持ちが
あれば、

脱税をしていない納税者から
重加算税を課せられることは
防ぐことができるのです。

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